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本当の敵、資本主義の不平等の代わりに、ロシアと中国を標的に定める
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2021年6月21日 マスコミに載らない海外記事
Finian Cunningham
2021年6月14日
Strategic Culture Foundation
資本主義と、その不平等は現代世界の第一の敵だ。それは世界の目前に迫っている客観的、経験的現実だとFinian Cunninghamが書いている。
アメリカのジョー・バイデン大統領と西洋同盟諸国は、究極的に本当に重要な、最も喫緊の問題、資本主義経済体制下の不平等の爆発に対処するのを避ける形で、世界規模の難題を描こうとしている。
貧乏や困難や、Covid-19流行の影響を含め、資本主義が引き起こすグロテスクな不平等から生じる多数の社会問題こそが、特に、全ての問題が最も酷い欧米諸国にとって、第一番の手強い課題であり、そのはずなのだ。
だが、火を見るよりも明らかなことに言及する代わりに、バイデンと他の西洋のいわゆる指導者は、課題をゆがんだ形で描きだしていいる。それは資本主義の不平等問題が蓄積し、更に悪化することを意味する。(それにも拘わらず右翼アメリカ評論家は、バイデンや民主党が「急進的左派」「マルクス主義者」だと描写するほど無知で愚かだ。おやおや、勘弁して欲しい!)
週末、G7サミットでバイデンと他の連中の話を聞いていると、現代最大の課題は、「民主主義国家と独裁国」とされるものの衝突だと思わされてしまう。つまり。片や、アメリカ合州国とその西洋同盟諸国、片やロシアと中国。
そう、G7フォーラムは世界が直面している他の課題にも言及した。Covid-19流行や酷い気候変動。そうしたものは、もちろん対処が必要な優先課題だ。だが資本主義の不平等という難題は何時間もの退屈な議論の中で全く聞かれない。何と信じ難いことだろう?
感じ方の支配、つまり言説支配のため、バイデンや他の西洋政治家は、何らかの形で、現代の実存的問題として、ロシアと中国の敵意されるものを広めている。(ちなみに、ロシアと中国は常に正常な対話と関係を呼びかけている)。バイデンは「アメリカ、欧州連合、NATO同盟諸国とG7諸国はロシアと中国と対決すべく団結している」と言う。
結構だ。彼は全面戦争は欲していないかのように言うが、バイデンと同盟諸国の論理は、究極的には戦争なのだ。
大統領としての初海外出張でヨーロッパに来るや否や、バイデンは彼が軽蔑的に「独裁国」と呼ぶものに対し、アメリカの指導力の下、同盟諸国を結集すると公然と述べた。バイデンのヨーロッパ歴訪は「アメリカの指導力を再確立する」ためだとCNNが報じた。APは、アメリカ大統領は「世界の舞台で、独裁主義勢力が勃興する中、民主主義を推進する唯一の防波堤として、アメリカを回復することを熱望している」と報じた。
G7、EU指導者や、NATO同盟諸国者との一連のサミットは、6月16日、ジュネーブでのロシア大統領ウラジーミル・プーチンとの天王山風会談の序曲であるかのよう構成されていた。あらゆるけんか腰の態度は一体は何のためだろう?バイデンは、もう一人の重要な世界首脳、ロシアのプーチン−と会って、コロナ流行、気候変動や核軍縮などの重要問題について真摯な協力的な形で論じることができるのだろうか。いや、もちろん、バイデンはそうすることはできない。彼や他の西洋政治家は、ロシアの有害な行為とされていることに関して、自身のエセ宣伝によって、精神的に人質にとられているためだ。
先週バイデンがG7サミットに先行してイギリスに到着した際、最初の演説は、そこで彼が兵隊に語ったサフォーク州ミルデンホールのアメリカ空軍基地でもののだった。彼はヨーロッパでの彼の任務は、第二次世界大戦時の課題に似たものだと述べた。彼は、まさに、その基地から飛び立ち、ナチスドイツと戦った爆撃機について語ったのだ。
バイデンは、更に、その背景を、プーチン大統領との会談に結び付けた。彼はタフガイ口調でこう言った。「私はG7、NATO大臣会談に向かう、それから私は、知ってもらいたいことを伝えるためプーチン大統領と会う。この、あらゆる場所で、我々はアメリカは戻った、世界の民主主義国家が共に一最も厳しい課題、我々の未来にとって最重要課題に取り組む立場にあると明確にするつもりだ。我々は、力強く世界を率い、我々の価値値を守り、我々の国民のために実現すると固く決心している。」
彼の歴史的言説を構築し、バイデン大統領は続けてこう述べた。「この全てが極めて重要なのは、こういう理由だ。私は我々が世界史における屈折点にあると信じている。民主主義は、単に持続するだけでなく、我々が新時代の巨大な機会をつかむために立ち上がるにつれ、それが卓越するのを証明することが我々の任務となる瞬間だ。我々は、民主主義の時代は終わったと信じる連中の信用を失墜させねばならない。独裁国家の命令が、21世紀の速度と規模に対応できるという偽りを暴かなければならない。」
それでバイデンは、ナチスドイツに対する歴史的戦いと、ロシアと中国という「独裁国家」との戦いは等しいと主張する。
現在最大の歴史的課題は「民主主義と独裁制」の間のものだというのが、バイデンの下で、ワシントンのスローガンになった。もし我々がその言説の枠組みを受け入れるなら、意図されている結論は、我々はアメリカの指導力を受け入れなくてはならないということだ。これはアメリカ政治支配体制が、ジョー・バイデンを表看板にして推進しようとしているものだ、遺憾にもヨーロッパ政治支配体制は、これに歩調を合わせている。結果は世界が、欧米と、ロシアと中国間の対決という行き詰まりに導かれることだ。世界は、なぜ多国間で相互利益のため協力できないのだろう?アメリカのグローバルパワーは覇権に基づいており、それは支配のために敵対ブロックを作り出すことを必要とするためだ。
バイデンと西洋同盟諸国が、世界的課題に対処しようと努め、「ルールに基づく秩序」(それが意味することは何であれ)を擁護すると宣言した同じ週、大変な発表が商業メディアて報じられ、早急に隠蔽された。アメリカの億万長者資本主義者が税金を払っていないと報じたのだ。ジェフ・ベゾスやウォーレン・バフェットやイーロン・マスクなどの連中は、何千億ドルもの増加した富に対して、取るに足りない金額しか税金を支払っていないのだ。それは氷山の一角に過ぎない。アメリカのCEOや資本主義支配階級は、富が近年増大しているのに、社会には、税金の形で、ごくわずか、あるいは全く支払っていない。労働者や彼らの家族が、益々多くの税金を支払い、仕事や家庭や健康を失う中でだ。
資本主義下の、この病理学的な破壊的な持続不可能な状態は、あらゆる欧米社会、特にアメリカ合州国で不平等と貧困の巨大な深い割れ目を生んでいる。ひと握りの億万長者を合わせると、人口の半分より多くの富を持っている。それは民主主義国家ではなく寡頭政治へと悪化する資本主義体制固有の避けられない機能障害だ。バイデンが、のんきに「我々の民主主義国家」について語る際、本当に意味しているのは「我々の寡頭政治」だ。
資本主義と、その不平等は、現代世界の第一の敵だ。それは世界の目前に迫っている客観的、経験的現実だ。ところが、アメリカとヨーロッパのいわゆる指導者が、それを認めたり、気付いたりさえすると期待してはならない。彼らは、例えば、企業課税の調和を提案したり、インフラ投資したりして、救い難いほど壊れた体制を、いじくり回しているだけだ。組織した大多数の労働者による資本主義体制への徹底的異議申し立てから気をそらせるのが欧米誤導者の仕事だ。彼らは風車を攻撃し、ロシアと中国が敵だと我々に言うのに余りに多忙だ。それは我々の時代の悲劇だ。だが、それは止めなければならない。それは永続できない。それは持続不可能で、我々の世界を殺しているのだ。
Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。
個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。
記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2021/06/14/targeting-russia-and-china-instead-of-the-real-enemy-capitalist-inequality/
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