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中露への脅しが通じなかったバイデン大統領はロシアへの圧力を弱め、中国に的
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202106170000/
2021.06.18 櫻井ジャーナル
ウラジミル・プーチン露大統領とジョー・バイデン米大統領は6月16日にスイスのジュネーブで会談、関係修復への道が見えたように伝えられているが、おそらくそれは幻影にすぎない。記者会見はロシア大統領とアメリカ大統領、別々に行われた。ロシア側は西側のメディアも出席できたが、アメリカ側はロシアのメディアを閉め出したという。
バイデンは大統領に就任して以来、中国やロシアを脅し、屈服させようとしてきた。軍事的な圧力を加えるだけでなく、3月16日にはABCニュースの司会者からウラジミル・「プーチンは人殺しだと思うか?」と問われ、「その通り」と答えている。他国の大統領に敬意を払う意思は感じられない。
それに対し、プーチン大統領はロシアに噛みつこうとする外国勢力の歯をへし折ると警告、セルゲイ・ショイグ国防大臣は5月31日、ロシア西部地域の軍事的な緊張に対処するため、新たに20戦闘単位を組織すると発表した。経済面ではアメリカが基軸通貨であるドルを発行する権利を使い、他国を攻撃しているとプーチンは非難、ロシア政府はドル離れをさらに進める意思を示している。
大統領に就任してきてからバイデンが続けてきた恫喝は失敗、少なくともロシアに対しては軌道修正したように見える。ポーランドやウクライナは怒っているだろうが、軌道修正はポーズにすぎず、一時的なものだろう。戦況が自分たちにとって不利だと考えると話し合いのポーズを示して時間稼ぎし、次の攻撃の準備をするのがアメリカの手口だ。
アメリカやイギリスを支配する私的権力は中国とロシアを屈服させ、世界の覇者になろうとしている。中国とロシアのうち弱い中国に集中するため、ロシアへの攻撃は先送りにするつもりかもしれないが、ロシアと中国の同盟関係が崩れることはないだろう。バイデン政権がルビコンを渡ったことを中露は理解しているはずだ。
3月19日にはアメリカのブリンケン国務長官とジェーク・サリバン国家安全保障補佐官はアンカレッジで中国の楊潔篪中央外事活動委員会弁公室主任と王毅外交部長会談したが、その内容は激しいものになったと言われている。アメリカの恫喝が通じなかった。
3月22日と23日には中国側の要請でセルゲイ・ラブロフ外相が中国を訪問、王毅外交部長と会談し、両国の同盟関係を強く印象づけた。その際、中国とロシアはドル離れを確認、貿易決済で自国通貨を使うようにすることで合意している。アメリカの支配システムを支えてきたドルへの決別宣言だ。
しかし、アメリカは中国とロシアを放置しておくわけにはいかない。世界の覇者になるという自分たちの戦略が実現できないからだ。そこでひとまずロシアへの圧力を弱め、中国と戦う準備を進めている。
アメリカは2018年5月に太平洋軍をインド・太平洋軍へ編成替えし、太平洋からインド洋にかけての海域を一体のものとして扱うことを明確にした。日本を太平洋側の拠点、インドを太平洋側の拠点にし、インドネシアが領海域をつなぐ計画だという。
アメリカ軍の別働隊であるNATOで事務総長を務めるイェンス・ストルテンベルグは2020年6月に「NATO2030」なるプロジェクトを始めると宣言したが、それによるとNATOの活動範囲を太平洋へ広げてオーストラリア、ニュージーランド、韓国、そして日本をメンバーにするのだという。ただ、ニュージーランドを巻き込むことは容易でない。韓国も抵抗するだろう。
今年1月、カナダは自国の戦艦に台湾海峡を航行させ、フランスは潜水艦を、イギリスは空母を中心とする艦隊をそれぞれ南シナ海へ派遣した。日本とオーストラリアは相互アクセス協定(RAA)を結ぶ。
そして3月12日、アメリカ、日本、オーストラリア、そしてインドの4カ国の首脳がオンライン会議を開いたが、この4カ国は「クワッド」と呼ばれている。インドはインド・太平洋軍で重要な役割を演じなければならない国だが、アメリカとの関係が良好だとは言えない。
中国との戦いで自分たちの手先になるとアメリカが計算しているのは日本とオーストラリアくらいだろう。韓国やインドを脅し上げて仲間に引き入れようとしているが、どうなるかわからない。
アメリカの海兵隊は中国との戦争を念頭に置いて編成を大きく変えつつある。例えば3戦車大隊を廃止、MV-22オスプレイ、F-35戦闘機を削減、歩兵大隊も縮小、その一方で長距離攻撃、偵察、無人システムを増強する方針だ。対艦ミサイルを大幅に増やし、HIMARS(⾼機動ロケット砲システム)にも注目している。陸上に設置する対艦ミサイルが配備されるのは沖縄だろう。
海兵隊の海外基地を見ると、日本が圧倒的に多い。それに次ぐのがアフガニスタンだ。海兵隊は侵略戦争の先兵であり、それが沖縄に集中しているのは、沖縄が侵略の拠点だからである。日本を守るためにアメリカ軍は駐留しているという戯言はいい加減にしてもらいたい。
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