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なぜNATOを終わらせる必要があるのか
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2021年3月21日 マスコミに載らない海外記事
Eric Zuesse
2021年3月9日
Strategic Culture Foundation
NATOは、アメリカの邪悪な願望のために作られたのだから、全世界を支配するアメリカの願望を終わらせる唯一の方法はNATO終焉だとEric Zuesseは主張する。
2月24日、メディア・ベンジャミンとニコラス・S.J.デイビスが「NATOは一体どこの惑星に生きているのか?」という見出し記事で、アメリカ政府とNATOが、ロシアと中国両国を侵略し、征服する準備をしており、この狙いに、大多数のヨーロッパ人が反対しており、これはNATOによる、この決定が、ヨーロッパの民主主義を反映しておらず、ヨーロッパがアメリカ帝国の属国であることを意味すると立証した。
NATO ウォッチ報告で、マイケル・クレアが、NATO 2030について説明しているように、アメリカ合がNATOと共に行っているあらゆる措置が「全面戦争で、中国とロシアと戦い、打ち破るアメリカ計画に統合するように意図されている」。 婉曲的に「米軍のマルチドメイン作戦」と呼ぶ米軍のロシア侵略計画は、ロシア司令部と防衛軍へのミサイルと砲撃で始まり、その後、ロシアが降伏するまで、武装軍隊による重要地域と拠点を占領するための侵略となる。 予想通りに、このような実存的脅威に直面するロシアの防衛戦略は、降伏ではなく、核兵器でアメリカ合州国と同盟諸国への報復だろう。 アメリカの対中国攻撃戦争計画も同様で、艦船と太平洋の各基地からミサイルを発射する。中国は、その防衛計画について、さほどオープンではないが、存在と独立が脅かされれば、もし立場が逆なら、アメリカがそうするだろうように、中国も、おそらく核兵器を使うだろう。だが、彼らは、他のどの国もそうだが、アメリカ合州国を侵略するのに必要な攻撃的戦争機構は持っていない。 マイケル・クレアは、NATO 2030は「彼らを常に増加する核戦争のリスクに曝し、全連合諸国を、高価な果てしないロシアと中国との軍備競争に陥れる」と結論している。 すると、アメリカ戦争計画での彼らの役割について、ヨーロッパの人々はどのように感じているのだろう? 欧州外交問題評議会(ECFR)は、NATO加盟国10カ国とスウェーデンで最近15,000人の詳細な世論調査を行い、「アメリカ権力の危機:ヨーロッパ人は、バイデンのアメリカをどう見ているか」という題の報告で結果を発表した。 報告書は、ヨーロッパ人の大多数が、ロシアや中国とのアメリカ戦争への関与を望んでおらず、中立のままでいるのを望んでいることを明らかにしている。わずか22%が、中国との戦争で、23%が、ロシアとの戦争で、アメリカ側につくのを支持している。だからヨーロッパ世論は、アメリカ戦争計画でのNATOの役割に真っ向から反対だ。 |
多くのヨーロッパ人が、アメリカ政府は、戦争や国際征服にふけっており、防衛と全く無関係で、その意志と現実は、もっぱら攻撃的なので、今NATOがアメリカ合衆国を包含するのは、彼ら自身の安全保障にとって有害だとを認識している。ヨーロッパの大衆によるこの評価は、本当に現実的だ。アメリカとの軍事連合は、彼ら自身の国の安全保障にとって有害なのだ。ヨーロッパ人にとって唯一可能な進路は、できる限り速く同盟を終わらせることだ。ここに、その理由がある:
2017年5月3日、私は「アメリカの最高の科学者たちが確認:今、アメリカの目標は、ロシア征服」という記事で、こう書き出していた。
2017年3月1日付け原子力科学者会報は、ある研究を発表した。
アメリカの核戦力近代化計画は、国民には、彼らの軍事力を強めるよりも、アメリカ核兵器庫の信頼性と弾頭の安全性を保証する取り組みとして説明されている。だが実際、この計画は、アメリカ弾道ミサイル兵器庫の標的設定能力を大いに強化する革命的新技術を導入したのだ。この能力増加は驚くべきで、既存のアメリカ弾道ミサイル兵器群の全体的な殺傷力を約三倍に引き上げる。それは誰もが、核武装国家が計画を立ててるなら持ちただろうと予想するものをもたらすが、奇襲先制攻撃で敵を武装解除して、核戦争を戦い、勝利する能力だ。
核兵器を、もっぱら防衛兵器として見なし、アメリカが別の核武装国から、万一攻撃を受けた際にのみ使われ、アメリカに対する、どんな侵略者も全滅させられるようにする「Mutually Assured Destruction相互確証破壊」略称「MAD」と呼ばれるメタ戦略を、アメリカ政府が静かに放棄したと私は指摘した。双方が実質的に全滅される結果になり、それで名前は「相互確証破壊」だったが、どんな核戦争での勝利も不可能なはずだった。だがアメリカ支配階級は、もはやそのように核兵器を見ていない。こうしてロシアによる報復を防ぐ、対ロシア電撃的先制攻撃用核戦力へのアメリカの非公式変更が確立されたのだ。
そのような戦争が「勝算がある」かのように戦争を再概念化する過程で画期的な出来事は、2006年、いずれもアメリカが核によるロシア征服を計画するための公式に「核優位」あるいは、望ましさ(とされる)概念を提起する二つの最も有名な雑誌、Foreign Affairs(フォーリン・アフェアーズ)とInternational Security(国際安全保障)での二つの論文の出版だった。(いずれも同じ二人の著者が共同執筆した)その二論文まで、そのような考えは風変わりと考えられていたが、その時以来、それが主流となった。上の最終リンク(直前の論文にリンクする)が説明しているように、ジョージ・W・ブッシュ以前の情報源は、当時、やはり米大統領だった彼の父が、究極的にロシアを征服するための作戦を密かに始めた、1990年2月24日の昔に遡る。
それは、父親と息子間の2段階の過程で、全てのアメリカ大統領が、今世紀この怪物(「MAD」に取って代わる「核優位」の採用)に関与しただけでなく、NATOも100%、それに参加していた。1991年に、ロシア側が冷戦を終わらせた後、今とどめを刺しにかかろうと進む、秘密の冷戦継続なのだ。
これが現実だ。ロシア、中国のいずれもMADメタ戦略を断念しなかったのに対し、アメリカとNATO連合は確かに断念している。
極めて攻撃的な国は、より小さな標的、国々に対して攻撃的だと想像できるが、アメリカはそうであり、この事実は頻繁に見られる。
NATOは今イラクや、アメリカが既に軍事占領している他の国々で作戦を拡張さえしようとしている。2月24日、NATOは「イラクのNATO活動」という見出しで、2018年10月、イラクがISIS打倒のため、追加訓練を要請したことだけを基に報じた。このNATO報告は、2020年1月のイラク政府による、全てのアメリカ兵を即座にイラクから撤退させる要求と、その後、アメリカ反対デモをし、即時撤退を要求した何百万人ものイラク人の要求を無視している。(トランプはイラク政府がその要求を続ければ、イラクを破壊すると脅した。)2020年11月24日、NATOは「デンマークはイラクでのNATO活動を指揮する」と記事を書いた。だがイラク人は外国軍隊が彼らの国を占領するのを望んでいない。
アメリカや同盟諸国の主流メディアによる、ジョー・バイデン大統領政権による、アメリカ政権による征服の放棄ではなく、推進を奨励するいくつかの記事がある。
「バイデンの目論見からイラクが消えるのは大きな過ち」フォーリン・ポリシー、2021年1月21日
「イラクでの攻撃はバイデンのサウジアラビア問題に脚光を当てる」ポリティコ、2021年2月16日
「彼がそうしようと望んでも、バイデンがイラクとアフガニスタンを無視できない理由」Vox、2021年2月16日
「ジョー・バイデン、イラクで試される」2021年2月16日、ウォールストリート・ジャーナル論説
「イラクでのロケット攻撃によるアメリカ請負業者の死亡はバイデンの新課題」ワシントン・ポスト、2021年3月3日
それと対照的に、非主流のVoltairenetは、2020年2月14日「NATO、大中東に軍隊派遣」という見出しで、こう書き出している。
究極的に、CentCom(アメリカ中東中央司令部)撤退後、NATOが、アラブ世界を引き継ごうとしているよう見える。ドイツはこの同盟で指導者役を果たすことが可能だ。
イェンス・ストルテンベルグ事務局長は下記を望んでいる。
チュニジアに連合軍を派遣し、リビアで戦争を永久に継続する
イラクとヨルダンに連合軍を派遣し、シリアでの戦争を永久に継続する。
アメリカ帝国信奉者には、この種の報道は見えない。まさに同じ億万長者、アメリカのニュース・メディアや軍事請負業者や政治家を支配しているアメリカ億万長者がアメリカ属国も間接的に支配している。こうした国際的独裁が存在するなら、属国は実際、民主主義であり得るだろうか? これは国際大企業がもたらす世界独裁なのだろうか?
3月4日、非主流の進歩派メディア批判サイト、Fairness and Accuracy in Reportingは「バイデン「最初」の空爆報道で不都合な事実を隠蔽」という見出しで、アメリカ主流メディア全てが、1月29日、大統領として9日目に、多数のシリア人を殺害した2月25日のバイデン爆撃が、彼の「最初」の爆撃作戦だったことが判明と、全く同じウソ原稿を読んでおり、実際ニューヨーク・タイムズさえ、イラク軍との共同任務での「集団の復活を阻止する狙いの、先週バグダッドでの命を脅かす自爆攻撃への懲罰を目指したアメリカ空爆が、イラク最高のイスラム国家指導者を殺害した」と報じた。だから、2月25日の爆撃は実際は、バイデン2度目の爆撃作戦だったのだ。彼は、ブッシュ侵略を続けたオバマ侵略を続けたトランプ侵略を続けたのだ。アメリカ主流「ニュース」メディアは、常にそれについてウソをついている。FAIRもこう報じた。「アメリカが、先週の空襲を実行することで、自身を防衛したという見せかけは、ワシントンが実際爆弾を投下した国シリアが、そもそも、そこにあるべきでないイラクのアメリカ基地に対するロケット攻撃の後援も、実行していないのに非難されている事実をうまく取りつくろう必要性を招く。私が調べた記事は全てアメリカ空爆がシリアに打撃を与えたのを認めているが、彼ら[これらのアメリカ「ニュース」報道]がシリアにいかに僅かしか注意を払わないかは注目に値する」。
全ての帝国主流メディアは、帝国支持の見解を書き、常にウソをつき、彼ら自身が前に報じた出来事さえ消し去る。ヨーロッパ人が彼ら自身の上流階級のために戦って命を捧げるだけで十分良くないことだが、アメリカのウソをつく上流階級、アメリカを本拠とする国際企業を支配する億万長者のためにそうするのは更にもっと悪い。現在NATOは第三次世界大戦の本物の脅威であるのみならず、たとえそれが世界を終わらせないにせよ、国を破壊するアメリカ巨大企業と連合軍の詐欺なのだから即終わらせなくてはならない。NATOを認めることは、悪を認めることだ。
もしロシアがソビエト社会主義共和国連邦が生産した核兵器を相続していなければ、おそらく、既にアメリカ政権はロシアを乗っ取っていたはずだ。
1945年7月26日、アメリカ大統領ハリー・S・トルーマンが、第二次世界大戦後の世界が、核や全ての戦略上重要な兵器を、国際関係で全ての帝国主義を置き換える国際連合の支配下に置き、代わりに、それだけが究極的に国際的法的権限を有し、国際法の源で施行者となる世界的民主的国家連合を樹立するという前任者FDRの意図を終わらせるよう補佐官にだまされた時、冷戦が始まった。それぞれの国の内政は、所定国の既存憲法下で決定され続けるが、国連憲章はグローバル憲法で、国際法になるはずだった。悲劇的なことに、1945年4月25日から6月26日の間に書かれた憲章は、FDRではなくトルーマンのものだった。それは世界の国の民主的連盟というFDRの理念の骨抜き版だ。それは国連に、国際法を実施するための手段を与えなかった。フランクリン・ルーズベルトがそれを終わらせるため国連を計画した帝国主義は、トルーマンの国連には影響されずに続いた。1945年4月12日、フランクリン・ルーズベルトが亡くなり、新トルーマン政権の中で、パトリック・ハーリーと他のフランクリン・ルーズベルト支持者たちと、FDRの国際的計画へのジェームズ・バーンズや他の反対者の間で直ぐさまも激烈な戦いが行われた。1945年7月26日、トルーマンは決定的にバーンズと進むことに決め、FDRの反帝国主義国際理念と優先を終えて、トルーマンは、冷戦とアメリカ帝国確立に進んだ。1991年に、ソ連とその共産主義とワルシャワ条約が全て終わる直前、ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュは、1990年2月24日、密かにトルーマンの大失敗を将来も続けることで、意図的に壮大な国際犯罪を行い、更に、それ以降の一連のアメリカ大統領は、NATOを終わらせて、グローバル帝国になるアメリカ政権の願望を終わらせず、逆に、グローバル・アメリカ帝国を追求するブッシュの巨大犯罪を継続した。ソ連とその共産主義とワルシャワ条約機構の終焉後の1991年、NATOはその存在を継続する正当な根拠は、もはやなかった。NATOはアメリカ帝国を更に延長させための全くの詐欺だ。国連が、フランクリン・ルーズベルト計画だったものにするべく再編成されれば、全ての国際軍事同盟は終わるが、国連が各国が公式見解を表明する世界フォーラム以上の何ものでもない現状のまま継続しても、NATOは悪で、本物の根拠はない。NATOは良い機能を果たさない。NATOは1991年に終わるべきだった。だがアメリカ政権が、その狙いがロシアと中国両国を征服することだと公式に宣言したので、今その迅速な解体は喫緊のものとなった。NATOは、アメリカの邪悪な願望のために作られたのだから、全世界を支配するアメリカの願望を終わらせる唯一の方法はNATO終焉だ。
Eric Zuesseは、アメリカ人作家、調査歴史家
個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。
記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2021/03/09/why-its-necessary-to-end-nato/
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