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ルビコンを渡った西側の私的権力と中露の衝突が明確に
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2021.02.07 櫻井ジャーナル
COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)を利用して資本主義を大々的に「リセット」するとWEF(世界経済フォーラム)を創設したクラウス・シュワブは主張している。強大な私的権力が統治する体制を築こうということであり、それはファシズムの構築を意味する。
そのWEFは1月25日から29日にかけてデジタル会議「ダボス・アジェンダ」を開催、世界の指導者が参加したが、中でも注目されたのはロシアのウラジミル・プーチンだった。
彼はCOVID-19のパンデミックが世界に存在していた問題や不均衡を悪化させていると指摘、世界は不安定化していると警鐘を鳴らした。第2次世界大戦の大惨事に至った1930年代と似ているという見方もあるとしている。
そうした状況の中、全ての人間が快適に生きられ、標準的な生活を維持できるだけの仕事があり、高度で効果的な医療を受けられ、子どもが教育を受けることができるようにしなけらばならないと強調した。シュワブを含む新自由主義者と正反対の主張であり、リセットに対する挑戦とも言える。
西側にも似た主張をする人がいた。2011年4月、IMFの専務理事だったドミニク・ストロス-カーンはブルッキングス研究所で演説し、失業や不平等は不安定の種をまき、市場経済を蝕むことになりかねないと主張、その不平等を弱め、より公正な機会や資源の分配を保証するべきだと語っている。進歩的な税制と結びついた強い社会的なセーフティ・ネットは市場が主導する不平等を和らげることができ、健康や教育への投資は決定的だとし、停滞する実質賃金などに関する団体交渉権も重要だとしていた。
そのストロス-カーンは演説の翌月、ニューヨークのホテルで逮捕された。後に限りなく冤罪に近いことが判明するが、その前に彼は専務理事を辞めさせられ、フランス大統領になる夢は閉ざされた。ストロス-カーンの後任専務理事は巨大資本の利益に奉仕するクリスティーヌ・ラガルドだ。ストロス-カーンと違い、プーチンを逮捕することは無理だろう。
西側の私的権力はロシアだけでなく、その戦略的な同盟国である中国も潰そうとしている。香港で反中国政府の運動を仕掛けているが、それ以上に警戒されているのは新疆ウイグル自治区である。中国が進めている一帯一路のうち陸のシルクロードの要衝だ。
この地区には約1000万人のイスラム教徒が住んでいるが、その中へアル・カイダ系武装集団の主力になっているサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団が入り込み、外部では反中国宣伝も展開されている。
2018年には約100万人のウイグル人が再教育キャンプへ送り込まれ、約200万人が再教育プログラムに参加させられていると「人種差別削減委員会」のゲイ・マクドーガルが発表した。この委員会は人種差別撤廃条約に基づいて設置されたNGOで、国連の機関ではない。マクドーガルが信頼できる情報源としているのはCHRD(中国人権防衛ネットワーク)だ。このCHRDの情報源は8名のウイグル人。
CHRDと並ぶウイグル問題の情報源はキリスト教系カルトの信者であるエイドリアン・ゼンズ。「神の導き」でコミュニズムと戦っているというタイプの人間だ。1993年にアメリカ政府が設立した「コミュニズムの犠牲者記念基金」でシニア・フェローとして中国問題を研究していた。
この基金を創設したのはレフ・ドブリアンスキーとヤロスラフ・ステツコ。ステツコはウクライナのナショナリストOUNの幹部で、第2次世界大戦中にはナチスと関係があったほか、1946年にはイギリスの情報機関MI6のエージェントになり、ABN(反ボルシェビキ国家連合)の議長に就任している。この団体は1966年にAPACL(アジア人民反共連盟/後のアジア太平洋反共連盟)と合体、WACL(世界反共連盟)になった。WACLはその後、WLFD(自由民主主義世界連盟)に改名された。
ゼンズが「100万人説」の根拠にしているのは亡命ウイグル人組織がトルコを拠点にして運営している「イステクラルTV」。そこに登場するETIM(東トルキスタン・イスラム運動)のメンバーが情報源だが、このETIMはアメリカ政府や国連の安全保障理事会もアル・カイダ系だとしていた。この組織から推計1万8000名がシリアへ戦闘員として送り込まれている。戦闘員の一部は新疆ウイグル自治区からカンボジアやインドネシアを経由、トルコの情報機関MITの手引きで戦闘員としてシリアへ入ったようだ。ETIMの政治フロントがTIP(トルキスタン・イスラム党)だ。
アメリカがウイグル問題で中国を攻撃し始めた頃、カザフスタン系中国人のサイラグル・ソウイトベイが売り出されたが、発言内容がクルクル変化することで有名だ。アメリカの戦争犯罪や権力犯罪を明るみに出したジュリアン・アッサンジの逮捕令状を出したスウェーデンがソウイトベイを匿っている。
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