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ミャンマー軍事クーデター 米国が手出しせず静観した理由
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284745
2021/02/04 日刊ゲンダイ
軟禁は長期化必至(ミャンマー国家顧問のアウン・サン・スー・チー氏)/(C)ロイター
ミャンマーの軍事クーデターには世界中が驚いた。国軍がアウン・サン・スー・チー国家顧問を自宅で軟禁。ミン・アウン・フライン国軍総司令官が国の全権を掌握した。
引き金は昨年11月の総選挙だ。スー・チー氏率いる与党・国民民主連盟(NLD)が全体の8割を超す議席を獲得。選挙を経ずに司令官が任命できる軍人議員らの力がそがれる結果に、国軍は「選挙に不正があった」とケチをつけ、行動を起こしたのだ。
「米国の混乱に乗じたとも言えます」とは、国際政治経済学者の浜田和幸氏だ。こう続ける。
「米国は深刻なコロナ禍に加え、バイデン新政権の発足直後。今なら強く出てこないと読んだのでしょう。ミャンマーでは憲法規定で国会議席の4分の1が軍人に振り分けられます。国軍は圧勝したNLDが将来、憲法を改め、自分たちの議席を削減。既得権益が奪われると危機感を強め、強硬手段に出たようです」
スー・チー氏はクーデターを察知し、先週末にSNSで「みんなで立ち上がろう」と訴えた。クーデターの気配は米CIAも把握していたはずだが、抑える動きはみせず静観を決め込んだ。
浜田氏によると、その理由は国軍と中ロ両国との関係だ。中国は軍政時代から国軍と緊密な関係で、中東発の石油ルートの要諦としてミャンマーを重視。中古の工作機械などの輸出支援を行う。ミャンマーは、中国人が好きな翡翠の世界最大の産地でもある。ロシアも同国への経済支援に力を入れている。
「中ロと国軍が密接なため、米国は手出しできなかったのです。だから、スー・チー氏の拘束は長引くと思われます。バイデン政権のサキ報道官はクーデターを批判。『行動を起こす』と発言しましたが、それは軍事行動ではない。ミャンマーはケシを栽培し、麻薬が中国経由で米国に入っている。そのため、以前からケシ栽培に関与する軍人の入国制限や、在米資産を凍結しています。『行動』とは、そうした制裁を強化する意味にすぎません」(浜田和幸氏)
単なる“口先介入”では、ミャンマーの民主化は取り戻せない。
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