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「さようならトランプ、負債3億ドルと数々の訴訟、捜査が待っている」
(スーザン・マシューズ Newsweek 2021/1/28)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/01/3-243.php
<これまでトランプは、自らの言動の報いを受けることなく、厚顔無恥と違反行為を加速させてきた。だが今回は違う。ニューヨーク州、内国歳入庁、元ポルノ女優と元モデル、ジョージア州......。所業の報いを受ける日が訪れるかもしれない>
(本誌「バイデン 2つの選択」特集より)
ニューヨークのトランプ・タワーのエスカレーターで降りてきて、米大統領選への出馬を宣言──。
驚くべき出来事の連続だったドナルド・トランプ前米大統領時代のなかでも、これほど記憶にこびりついた「トランプ的瞬間」はない。
忘れられないのは、ばかげたメッセージに満ちていたから。醜悪な要塞の頂上から、エスカレーターという本質的に滑稽な移動手段でトランプ様が降臨する、と。
最近になって映像を見直したとき、あることに気付いた。この瞬間がこれほど印象的なのは、エスカレーターがトランプという人物の究極のシンボルだからかもしれない。
エスカレーターは贅沢な装置のはずだが、作り物だらけのショッピングモールを想起させる。大統領選への立候補を発表するときは、走って演壇に向かうとか、ある種の興奮を身体的に表現すべきだと考えるものではないか。だがトランプは無表情の妻の後ろに突っ立って、動く階段に運ばれていく。
トランプはこれまでずっと、エスカレーターに乗って生きてきた。自身の名前とカネ、父親の力で運ばれてきた。
大学や名門ビジネススクールに入学できたのも(姪のメアリー・トランプによれば、トランプは大学受験の際に替え玉を雇った)不動産王になったのも、どんな女性も自分の思いどおりにできると考えるようになったのもそのせいだ。
トランプの病的な性格は前進の駆動力になってきた。自らの言動の報いを受けることはなく、そのせいで自分は無敵だと確信し、それが厚顔無恥と違反行為を加速させた。
1989年の白人女性レイプ事件で、誤って犯人とされた有色人種青年5人の死刑を求めても、責任は取らずに済んだ。
だからさらに突っ込んで、バラク・オバマ元米大統領はアメリカ生まれではないと主張し、白人至上主義者と抗議デモ参加者が衝突した事件について「どちらの側にも立派な人々がいる」と発言した。
複数回の破産を戦略的武器に変え、税金逃れの手段として利用し、ビジネスの達人という触れ込みで詐欺商法の「トランプ大学」に受講生を集めた。政府という概念そのものに傷を付けながら、米政府のトップの座を勝ち取った。
■ 法的泥沼が前大統領を待つ
これこそ、トランプ大統領時代に(支持者と批判派を問わず)多くの人が、心理的ストレスにさらされた理由の1つだ。トランプの行動を受けて、ある人は「なぜこんなことが許されるのか」と頭を悩ませ、別の人は「なぜ自分には同じことが許されないのか」と考えた。
トランプの大統領の就任以来、アメリカは数々の意味で深刻な痛手を被ってきた。だが最大のダメージは煎じ詰めれば、疑わしきは罰せずという原則が少数の恵まれた者にだけ拡大適用されていることだ。
ただし、今回だけは別かもしれない。大統領退任はトランプの人生における最も劇的な転換点だ。
負けを恥とする彼はいまだに、昨年の大統領選での敗北を認めることもできない。これは、拒絶されたことへの反応であると同時に、今後の展開を恐れてのことではないか。退任後のトランプには、前代未聞の数の法的泥沼と金銭的惨事が待ち受けている。
ニューヨーク州マンハッタン地区検察のサイラス・バンスJr.検事は、トランプ一族が運営するトランプ・オーガニゼーションに対する捜査の範囲を広げている。ニューヨーク州のレティシャ・ジェームズ司法長官は、トランプのビジネス慣行をめぐって別件で調査を進めている。
内国歳入庁(IRS)はトランプの税務調査に乗り出しており、報道によれば、税金詐欺容疑で連邦当局に起訴される可能性がある。
トランプが2016年の大統領選前、過去に関係を持った元ポルノ女優と元モデルの2人に口止め料を支払った件についても、バンスは適法性を調査している。昨年8月に裁判所に提出された書類によると、調査範囲は拡大される見込みだ。
トランプに性的暴行を受けたと告発した女性2人による名誉毀損訴訟も続く。
一方、トランプがジョージア州での大統領選の結果を覆すよう電話で求めたのは違法行為か、同州当局者は調べている。
さらに連邦議会議事堂の占拠事件で反乱を扇動したとして、トランプは1月13日、米下院で2回目の弾劾訴追を受けた。
■ ビジネスでも行き詰まる?
それだけではない。トランプには最低でも計3億ドルの負債があり、いずれも今後4年以内に返済期限を迎える。
議事堂襲撃をそそのかしたことで、事業の行方も不透明度を増した。事件後、ニューヨーク市やPGA(米プロゴルフ協会)はトランプの企業との契約を打ち切っている。
興味深いのは、これらの事例のどれかで、トランプが重大な敗北を喫することになった場合だ。
それが意味するのは、原理原則の勝利。これまで規則にのっとって適用されるべきルールは現実にはそうでなく、アメリカの法制度や金融制度はトランプを乗せて運ぶエスカレーターであり続けてきた。
だがトランプがこの国の実態をむき出しにしたことは、希望の兆しになるかもしれない。これほどの不正や不平等を目にしたら、誰もが行動を起こしたくなる。
だからこそ、大統領を退任したトランプは、これまで決して取る必要のなかった責任と向き合う羽目になるのではないか。もはや擦り抜けることはできない。あまりに多くの目が彼を見つめている。
トランプは罰を受けるべきだと考える人もあまりに多い。俳優マコーレー・カルキンは先日、映画『ホーム・アローン2』からトランプのカメオ出演場面を削除してほしいというファンの声に賛同した。
確かに、ばかげたジョークのような話だ。とはいえ同作のクリス・コロンバス監督は昨年末、トランプを出演させたのはごり押しされたからだと明かしている。
大統領になる前のトランプは、嫌な奴ではあったが、魅力的な嫌な奴と言えた。冗談のタネだったが、自ら笑いものを演じていると思えた。
だが今では、誰もがその正体を知っている。トランプが乗っているのはもう上りのエスカレーターではない。
Copyright 2021 The Slate Group
<2021年2月2日号「バイデン 2つの選択」特集より>
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やりたい放題やって顰蹙を買っていたドナルド・トランプにも
ついにツケを払うときが来たようです。
(関連情報)
「『トランプに騙された!』Qシャーマン、議事堂襲撃を後悔 (mashup NY)」
(拙稿 2021/1/24)
http://www.asyura2.com/21/kokusai30/msg/157.html
「「グズ」「並外れた弱虫」極右団体のプラウド・ボーイズはトランプ前大統領を見限った
(BUSINESS INSIDER)」 (拙稿 2021/1/22)
http://www.asyura2.com/21/kokusai30/msg/151.html
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