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(1)混乱の元凶は上海に「ゼロコロナ」を強要した中国中央政府 上海ロックダウン 阿鼻叫喚の舞台裏
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/304072/3
2022/04/19 日刊ゲンダイ
住民と警察の衝突映像が拡散された(SNSから)
上海は今、崩壊寸前だ。ロックダウンは2020年に武漢市でも行われたが、そもそも人口規模が違う。
武漢市の倍の約2500万人を抱える上海市では当初、ロックダウンは危険すぎて計画されていなかった。
一昨年のコロナ蔓延後も感染者は少なく、ロックダウンはおろか全住民を対象にしたPCR検査も経験したことがない上海だったが、今年3月に入りオミクロン株の感染者が急激に増えた。上海市政府は同15日の記者会見で「ロックダウンは必要ない」として住宅地ごとの封鎖にとどめていたが、突然、市の東側の浦東は28日から、西側の浦西は4月1日から全面封鎖された。
流れが変わったのは3月22日だった。この日、上海市に国務院督査組が派遣され、上海市トップの李強・党委員会書記ほか、市首脳陣と話し合いが行われた。督査組とは党中央の政策を徹底指導する組織だ。
背景に江沢民vs習近平の政治対立も
上海はこれまで、感染症専門の張文宏氏(復旦大学付属華山医院感染科主任)の分析のもと、オミクロン株に対しては「ゼロコロナ」ではなく、「ウィズコロナ」に近いやり方が採られてきた。
張氏については「欧米や日本などの諸外国のモデルを取り入れる国際派」との評価もあり、教育水準の高い居住者が集まる上海では支持を得ていた。
ところが、中央政府から派遣されてきた、この督査組が「ゼロコロナ政策は不変だ」だとゴリ押しし、“上海式”を頭から否定した。その後、張氏の姿は公の場から消え、浦東では28日からロックダウンが始まった。
「ロックダウンは感染の封じ込めなどではなく、政治だ」と言い切る市民もいる。もとより、上海市の実力者でもある江沢民・元国家主席(上海閥)と習近平国家主席(太子党)の間には根深い政治的対立があり、今回の督査組の派遣も「コロナに乗じて上海閥を抑えつけたい習の意向だ」とささやかれている。
督査組がかけた圧力で、上海市は何の準備もないままにロックダウンに突入した。春節前に行われた武漢市のロックダウンは、長い休暇を家族や親戚と過ごすために大量の食料備蓄があったという点で大きく異なる。もっとも76日間も続いたロックダウンで、配給の食料の量や質に不満を訴える住民がいたのは武漢も同じだった。
上海市のロックダウンは「5日間で終わる」として開始されたが今なお解除されず、全面封鎖前から外出規制を受けてきた住民は、ほぼ1カ月間幽閉されていることになる。これも政治だというなら恐ろしい。「お上に盾突く上海の場合、武漢の76日では済まされないかも」という悪い冗談さえある。(つづく)
姫田小夏 ジャーナリスト
上海財経大学公共経済管理学院・行政管理学修士(MPA)。中国ウオッチは25年超、うち約15年を上海で過ごす。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観」(集広舎)。
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