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小児へのワクチン接種の是非 医師も「全員に接種させるべきか“わからない”」
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2022.04.08 11:00 週刊ポスト NEWSポストセブン
小児へのワクチン接種に医師はどう考えているのか(写真/共同通信社)
3月から全国で小児(5〜11歳)に対する新型コロナワクチンの接種が始まっている。首相官邸のホームページによると、4月4日の時点で約65万2541回(うち2回接種は8万8161人)の接種が完了している。対象となる小児は約741万人で、割合で言えば1回接種は約7.6%、2回接種は約1.2%。出足は鈍い。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師はこう語る。
「ほとんどの自治体が個別接種のみで対応していることもありますが、接種率は想定より低いですね。米国やカナダ、フランス、イスラエルなどでも先行して始まっていますが、海外でも小児接種は成人接種と比べて低調です」
懸念されるのが接種による副反応だ。3月18日、厚労省がワクチン分科会副反応検討部会に提出した資料によると、2021年2月17日の接種開始から1571件の死亡が報告されている。
この部会において、小児接種についても初めて報告が上がり、3月11日時点で2件が確認されている。
1件は5歳の女児で、症状は「嘔吐」。もう1件は10歳の女児で、症状は「胸痛、腕の痛み(接種と反対側)、痙攣、倦怠感」。いずれも重篤度は「重くない」という。5歳の女児はアレルギー性鼻炎で抗ヒスタミン薬のオロパタジンを服用していたが、2人とも基礎疾患はない。
この2件について検討部会は、「情報不足等によりワクチンとの因果関係が評価できない」としている。また、副反応が起きる頻度も成人の接種と比べて頻度が高いとは言えないと報告されている。
それでも、親の不安は募る。都内で10歳の女児を持つAさん(男性・45歳)はこう語る。
「子供の副反応は出にくいと言われていますが、こうした報告があるとどうしても心配になってしまう。今回の調査は接種開始からまだ日が浅いので、これから副反応の報告は増えていくと思う。当初接種させる予定でしたが、オミクロン株の症状は軽いようだし、なかなか踏ん切りがつかない。ママ友の間でも“どうしようか”と話題になっています」
小児ワクチンの集団接種の現場に立つ帝京大学大学院公衆衛生学研究科の小児科医・高橋謙造医師はこう語る。
「集団接種の会場に来られた保護者からは、“打った後に熱が出たらどうするか”とか、接種後の副反応への対応を熱心に聞かれることが多いです。診療の現場でも、『受けたほうがいいと思っているけど、副反応が心配』という声が一番多いですね」
独自調査で分かった小児接種の副反応
医師も「わからない」
国は今回の小児接種において、心筋炎の発生頻度が低いとされるファイザー製ワクチンを推奨し、投与量も成人の3分の1にしながら、予防接種法に基づく「努力義務」を外している。
その理由について、厚労省は「新型コロナワクチンQ&A」のサイトで、「小児については、現時点において、オミクロン株に対するエビデンスが確定的でない」ことを挙げ、「今後の最新の科学的知見を踏まえ、改めて議論することが適当である」としている。
努力義務が外されたことで、大阪府泉大津市では、南出賢一市長が「5〜11歳の接種の安全性やワクチン効果などに関する十分な情報やデータがそろっていない」として、ワクチン接種券を一律送付せず、希望者のみが申請して受ける方式とした。同様の対応をする自治体は複数存在する。
そして、判断を難しくするのは、小児への感染率は高いが、重症化率が低いことだ。
厚労省によると、3月29日の時点で10歳未満の新型コロナ陽性者は累計約80万9000人で、同日時点での重症者は6人(回復した者は除外されている)、累計死亡者は3人(うち基礎疾患があった児童は2人)だ。
国も自治体も、小児接種について対応が揺れるなかで、子供を持つ親は自ら判断を下さねばならない。はたして、どう考えればいいのか。上医師は、こう答える。
「小児全員に接種させるべきかと訊かれたら、『わからない』と答えるしかない。成人や高齢者の場合は、接種のリスクよりメリットのほうが大きいので打つべきと言えますが、小児は家庭環境によって答えが分かれます。ただし徐々にではありますが、研究が報告され始めているので正しい情報を元に判断すべきでしょう」
多くの保護者が懸念しているワクチンの副反応については、米医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)』に、米国の小児2268人を対象に調査した論文が掲載されている。副反応は、「接種部位の痛み」が71〜74%、「発熱」が8.3%、「疲労」が0.9%、「頭痛」が0.3%、「悪寒」が0.1%、「筋肉痛」が0.1%で発生していた。死亡例はもとより、心筋炎、心膜炎、過敏症、アナフィラキシーの報告はなかったという。
小児に成人用のワクチンを接種してしまったミスも報じられている(時事通信フォト)
「この結果は許容範囲内だと考えます。発熱や痛みといった副反応は報告されていますが、薬で対応でき、重篤な副反応は報告されていません。少なくとも現段階では接種で大きなリスクはないと考えてよいでしょう」(高橋医師)
ただ、体格差や人種差もあるので、日本の小児にそのまま当てはまるかどうかは不明だ。
そこで、函館市の深瀬医院では、小児の副反応について独自に調査を実施している。同院で1回目のワクチンを接種した5〜11歳の小児327人(男児167人、女児160人)に聞き取り調査をしたところ、副反応が発生したのは、男児48%、女児58%。接種部位の痛みを訴えた男児が40.7%、女児が50.6%。37度以上の発熱が男児6.0%、女児5.6%。頭痛が男児4.2%、女児3.8%。倦怠感が男児3.0%、女児1.9%だったという。同院の二木克明副院長が語る。
「昨年、当院で接種した成人の1回目接種における副反応の調査だと、男性41.3%、女性46.6%で、今回の小児接種と大きな差はありませんでした。特徴的なのは発生率は変わらないものの小児接種の副反応はかなり軽微で済んでいます。男児女児ともに発熱率においても非常に低く、発熱した子もほとんどが37度台でした。2回目接種については、まだ回答が少ないですが、現時点で重篤な副反応は確認していません」
※週刊ポスト2022年4月22日号
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