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「コロナの専門家『信頼していい人』『ダメな人』の差 突飛な主張をする『非専門家』には要注意」
(東洋経済 2022/2/26)
https://toyokeizai.net/articles/-/511519
「本当は新型コロナウイルスなんてない」「新型コロナワクチンで遺伝子組み換えにんげんになる」など、新型コロナウイルスが流行して以来、じつにさまざまな驚くような流言やデマが飛び交っている。そこで、非専門家である私たちがデマや流言に踊らされないためにはどうしたらいいのか、昨年12月に新刊『新型コロナとワクチン 私たちは正しかったのか』(日経BP、山中浩之氏との共著)を出版した医師で薬剤師の峰宗太郎氏に詳しく話をうかがった。
■ なぜ「デマ情報」が拡散するのか?
──新型コロナウイルスが流行してから、さまざまなデマが飛び交っています。マスクやワクチンを嫌がるだけでなく、明らかなファクトそのものを否定する人も。これはどうしてでしょうか?
やっぱりリスクを直視すること自体がつらいから、そこから逃げたいという心理が働くのだと思います。「新型コロナウイルスは存在しない」「新型コロナワクチンは製薬会社の陰謀だ」と信じ込めば、つらい状況は見えなくなるわけです。
それにデマは「デマを流す人」「デマを広める人」「デマを信じる人」がいて成り立ちます。デマを流す人と広める人は、自らのお金儲けやエゴのために行うことが多いだろうと考えられます。そこに不安が強かったり、信じやすかったりする人が引き寄せられ、同じような人ばかりで集まることによって違う意見が見えなくなる「フィルターバブル」が起こり、同意見だけを目にすることで信念が深まる「エコーチェンバー」に陥るんです。そして残念ながら「デマを信じる人」になってしまう。
──本の中にあった「ワクチンにはリスクが高いと思わせる要素が多い」という部分が、納得でした。
リスクコミュニケーションの教科書にも載っていることなんですが、人はこのような要素があると、実際よりもリスクを大きく見積もってしまう傾向があるんです。まさにワクチンに当てはまりますね。
また近くにあるリスクは大きく、遠くにあるリスクは小さく見積もってしまう傾向もあります。だから「今すぐの新型コロナワクチン」のリスクは過大評価し、「いつかの新型コロナウイルス感染」のリスクは過小評価してしまうんです。
いずれにしても生きることはつねにリスクを伴う行為をしていくことなので、本当はどちらのリスクがより小さいかを客観的に見て評価しないといけません。
──ワクチンの長期的な影響のリスクに不安を感じている人が多い気がしますが、これはどう考えたらいいでしょうか?
ワクチンは、持病などの飲み薬と違って、毎日のように体内に入れるわけではありません。多くの飲み薬は、ある程度の量を摂って血中濃度を維持することで効果を発揮するもの。それに対してワクチンは、わずかな量を接種して免疫系に反応を起こさせることで、体に抗体を作らせるもの。
mRNAワクチンなら、その成分自体は反応を起こした後にすぐに分解されてしまいます。ですから、成分自体による長期的な影響の心配はほとんどないと言っていいでしょう。それに目の前の新型コロナウイルスの感染リスクのほうが圧倒的に大きいので、多少のリスクはあっても接種したほうがいいという状況でもあります。
■ 「免疫力を高める食品」の嘘
──「ワクチンは怖い、でも新型コロナウイルスも怖い」……そういった心の隙間に「免疫力を高める」みたいな商品がつけ込んでくるのでしょうか。でも、免疫をアップする効果を持つ食品なんてありませんよね?
大抵の医者や研究者たちは「とにかく人を助けたい」「新しく効くものがあれば使いたい」、つねに貪欲なほどそう思っています。感染の危険にさらされながら新型コロナウイルスの治療に尽力している医師が無数にいることからも、よくわかるでしょう。
ですから、本当に感染症予防につながるほど「免疫力を高める」食品などがあれば、すぐに医薬品になりますし、ガイドラインにも載ります。これは間違いありません。けれども「免疫力を高める」みたいな商品は、残念ながら不十分な研究をもとに「免疫アップ」をうたっているだけです。一部のメーカーや研究者の倫理観が問われていると思います。
──研究といえば、本の中にはまだ査読を受けていない、つまり本当に正しいかどうかわからない論文「プレプリント」が報道されてしまうことで不正確な情報が広まるという話がありました。なぜ不確定な論文が報道されるようになってしまったんでしょうか?
一部の研究者や研究機関やメーカーが資金集めや宣伝のために、そういう情報をプレスリリースで流すようになっているからだろうと思います。それをリテラシーのない報道機関が「話題性」だけを考えて速報として広めてしまうというわけでしょう。まったく意味のない研究でも、です。
──先日、イベルメクチンに関してロイターが不確かな研究を報じました。もともと「イベルメクチンが新型コロナウイルス感染症に効く」という誤情報を信じていた人が、確信を深めたと思います。
そうですね。インターネット上でも、ロイターの記事には多くの人たちが異議を唱えていました。が、一度広まったフェイクニュース・誤情報を訂正するのは難しいので、非常によくないことだと私も思います。イベルメクチンは寄生虫には効果がありますが、新型コロナウイルス感染症に効果があるという質の高い証明はありません。これは明らかな事実なんです。
■ 「信者」になってはいけない
──こうした状況があると、一般の私たちは論文などを読めないし、正しい情報を得るにはどうしたらいいのかと考え込んでしまいますね。
論文というのは、前提条件や背景までわかる専門家にしかきちんと読むことができません。外国の言葉がまったくわからないとき、通訳を雇いますよね。それと同じでいちばんいいのは、信頼できる専門家を見つけておいて「翻訳」された内容を知ることです。
そして人間は間違うことが多々ありますから、誰か一人の意見を信じて、いわゆる「信者」になってしまってはいけませんね。必ず複数の専門家の意見を参考にしましょう。同時に公的機関である厚生労働省、日本ウイルス学会、日本ワクチン学会、日本小児科学会などの見解を確認してください。
──どんな専門家を選んだらいいのでしょうか?
医療のことに関してであれば、少なくとも医師であることは最低条件と考えてみてはどうでしょう。それから、できれば臨床経験がそこそこあり、疫学の基礎を知っていて、学会などのネットワークにしっかりつながっている人がいいと思います。
例えばですが、町のクリニックの医師だと、新型コロナウイルス感染症の初期の状態しか知らないことが多いでしょう。一方、大病院のコロナ病棟にいる医師は中等症から重症しか知らないかもしれません。疫学者やウイルス学者は、疫学やウイルス学には詳しいですが、臨床を知らないことが多々あるでしょう。だからこそ、さまざまな医師や研究者がネットワークを通じて情報を共有し、検討しあう必要があるのです。集合知ですよね。
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──反対にどんな専門家は信頼できないでしょうか?
逆に言えば、これだけ専門分野が細分化されているなかで、さまざまな専門家が所属するネットワークに入っていない「一匹オオカミ」的な医師や研究者が言うことはあてになりません。そして科学がエビデンスに至るまでさまざまな角度から議論や検証を積み上げていくことを考えると、常識をひっくり返す研究結果というのが簡単には出てこないことは明らかです。つまり、突飛な主張ばかりをする専門家は信頼できません。
──峰先生は、専門家に頼ることと同時に、自分で勉強することも大事だとされています。
車にたとえるなら、しっかり走るためには、やはり両輪が必要なんです。専門家に頼ればOKかというと、それだけでは危険でしょう。一般的な知識くらいは身につけておいたほうが安心なので、余力があれば、ぜひ少しでも学んでみてください。
-------(引用ここまで)------------------------------------------
コロナの専門家「信頼していい人」「ダメな人」を、よりによってデタラメばかり言っている
峰宗太郎医師に聞くとは、悪い冗談としか思えませんね。
(関連情報)
「専門家に聞く「ワクチン接種後死亡」「2回でも感染」「3回目の必要性」の真相
接種率上げるには“アメとムチ”が必要 米国立研究機関博士研究員・峰宗太郎氏 (zakzak)」
(拙稿 2021/9/9)
http://www.asyura2.com/21/iryo7/msg/362.html
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