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※女性セブン 2022年3月10日号 各紙面、クリック拡大
※女性セブン 2022年3月10日号 紙面抜粋
5人に1人が「ワクチン接種に圧力感じる」今求められるリスクに関する情報提供
https://www.news-postseven.com/archives/20220225_1728680.html?DETAIL
2022.02.25 19:00 女性セブン NEWSポストセブン
ワクチン接種の同調圧力を感じる人は少なくない(時事通信フォト)
「どんどん打っていただきたい」「安定的に1日100万回打てる体制づくりを整えている」。堀内詔子ワクチン担当大臣が3回目接種を推進する一方、後遺症に苦しむ患者がいる。その中には「打ちたくない」と言えずにやむなく接種した人も少なくないのだ──。新型コロナウイルスワクチンを取り巻く状況や問題点について、ジャーナリストの鳥集徹氏と女性セブン取材班がレポートする。
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これまで本誌・女性セブンでは3回にわたり「新型コロナワクチン後遺症」をめぐる問題を取り上げてきた。ワクチン接種後に長期間にわたり、胸痛や動悸、呼吸困難感、頭痛、ブレインフォグ(脳の霧)、倦怠感、筋力低下、手足のしびれ、痛みといった症状に苦しみ続けている人たちが数多くいる。
しかし政府はまだ、こうした患者の存在のほとんどを公には認めていない。そのため、多くの人が医療的・経済的支援を受けられずに追い詰められている。そもそも接種した人たちの中には自分のためだけでなく、政府が求めたように、社会や家庭に自分が感染を広げないよう、「周りのため」に打った人も多いのだ。彼らを救済せず放置するのは、あまりに冷たすぎはしないだろうか──。
女性セブン1月20日発売号の特集「コロナより恐ろしいワクチン後遺症」で紹介した東北地方在住の女性Cさん(40代)も、接種にためらいがあった1人だ。しかし、仕事のために周囲のことを考えると打たざるを得ない状況になり、昨年10月初旬に集団接種会場で接種したという。
「私は飲食店で働いていました。会社から『絶対に打て』と言われたわけではありません。ですが、お客様商売なので『打った方がいいよね』という雰囲気になり、周りにも接種を受ける人はどんどん増えていきました。
ただ、私はアレルギー体質なので、ワクチンを打つのに不安があったんです。大丈夫かどうかネットで調べたら、厚生労働省の公式ページに《接種後にもしアナフィラキシーが起こっても、すぐに対応が可能なよう、予防接種の接種会場や医療機関では、医薬品などの準備をしています》とありました。それで、大丈夫だろうと自分に言い聞かせて打ったんです」
ところが1回目の接種直後から、手足のしびれ、喉の詰まり、胃の激痛といった症状に見舞われ、4時間後に救急外来を受診。発熱に首や目のかゆみといった症状も加わり、「アナフィラキシーだろう」という診断を受けた。しかし、症状はこれだけでは終わらず、接種3日目から猛烈な吐き気、胸痛、動悸、息切れなども加わり、4日目には足の筋肉にも違和感が出始めた。
ワクチン接種推進のために視察を行う岸田首相(時事通信フォト)
4か月経った現在も、強い疲労感や高熱、リンパ節の腫れ、ふらつき、腕や肩のだるさ、強い関節痛、背部痛、抜け毛など、さまざまな症状に苦しめられている。小学校低学年の子供を育てながら仕事を続けるために打ったワクチンで、Cさんは健康な体も仕事も失った。「治療費がかさみ、家計も苦しい」とCさんは訴える。
親子で症状や接種への不安に苛まれるケースもある。女性セブン2月17日発売号の特集「ワクチン後遺症患者をさらに苦しめる厳しすぎる現実」で紹介した女性Jさん(40代)は、昨年5月末に2回目を接種後、両手両足に15cmにもなる大きな紫色の内出血が起こり、血小板が減少していると診断された。吐き気や息苦しさ、発熱、食欲不振などの症状にも苦しめられ、3か月で4回も入退院を繰り返した。
自分が後遺症に襲われたワクチンを、中学3年生の娘には打たせたくなかったとJさんは話す。血のつながった娘が打つと、同じような症状が出るかもしれないと恐れたからだ。家族で意見が割れたものの、結局、娘は2021年10月と11月、2回接種を受けた。Jさんが話す。
「学校から『ワクチンを打った人だけ部活や行事に参加していい』という通知が来たんです。それに娘は受験勉強を頑張っているのに、コロナにかかったら試験を受けられなくなる。家族からそんな意見も出て、結局、娘は自分で打つと決めました。
幸いなことに1回目も2回目も副反応は発熱くらいで済みましたが、娘に何かあったらと、私は心配で心配でたまりませんでした」
5人に1人が圧力を感じた
CさんやJさんのように、「本当は打ちたくない」「子供に打たせるのは不安」と思ったのに、職場や学校で無言のプレッシャーを感じて、打たざるを得なくなった人も多いのではないだろうか。
子供たちへの新型コロナワクチン接種の停止を求める活動を行っている「岡山・倉敷新型コロナウイルス感染対策市民審議会」が、昨年11月2〜5日にかけて、全国の18〜24才の大学生、短大生、専門学生に、ワクチン接種に関するアンケートを実施した(有効回答数1098人)。
その結果、5人に1人以上(22.6%)が、「新型コロナワクチン接種において、圧力を感じている」と回答した。
理由として挙げられたのは、「接種に参加しないと実習に参加できず、単位が取れない」「バイトのシフトに入れない」「採用が取り消しになる」といった回答だ。特に医療系の学生や、医療機関や介護施設で働く人の場合、「接種しないと働かせない」「配置転換をさせる」といった、強制に近い圧力を受けた人も多かったと示唆された。
まだ予約が取りにくい接種会場も多い(時事通信フォト)
確かに、患者や入所者に感染させない配慮は必要だ。だが、現実を見るとワクチンを打ったのに、医療現場や介護施設では、ブレークスルー感染やクラスター発生が相次いでいる。なかには3回目を打ったのに、感染したというケースも出ている。
そもそもこのワクチンの接種は決して「義務」ではない。事実、厚労省ホームページの「新型コロナワクチンQ&A」には、次のように示されている。
《今回の予防接種は感染症の緊急のまん延予防の観点から実施するものであり、国民の皆様にも接種にご協力をいただきたいという趣旨で、『接種を受けるよう努めなければならない』という、予防接種法第9条の規定が適用されています。この規定のことは、いわゆる『努力義務』と呼ばれていますが、義務とは異なります。接種は強制ではなく、最終的には、あくまでも、ご本人が納得した上で接種をご判断いただくことになります》
したがって、もし本人が嫌がっているのに接種を迫るのは不法行為であり、損害賠償責任を負う恐れがあるのだ。ワクチンをめぐる法的なトラブルの解決に取り組んでいる弁護士が解説する。
「たとえ医療機関や介護施設であっても、『接種を受けない』という自己決定権を侵すようなルールを従業員に強制することは権限を濫用したものとして違法・無効な解雇・配置転換命令であると裁判所に認定され、病院や会社が損害賠償責任を負う可能性があります。
また、このワクチンの導入にあたって改正された予防接種法の附帯決議には、ワクチン非接種者に対する差別やいじめ、職場や学校などにおける不利益な扱いは決して許されない旨が明示されています。本人に接種の意思がないのに、『打たないと試合に出さない』『修学旅行で別の部屋にする』といったことをすれば、やはり自己決定権を不当に侵害する不利益取り扱いということになる。クラブや学校の責任者が民事上の不法行為責任を問われることになります」
今後、政府は3回目の追加接種や5〜11才の接種を本格化させるつもりだが、本人や保護者が嫌がっているのに接種を迫るようなことは、絶対にしてはいけないのだ。社会全体としても、同調圧力をかけるような言動は避け、「接種するもしないも本人の選択に任せるべき」という共通認識を徹底させることが大切だ。
また、本人や保護者が適切な選択をするためには、接種によるメリットとリスク両方の情報をしっかりと把握する必要がある。しかし、政府も医療界も接種を推進しようとするあまり、リスクに関する情報を充分に提供してこなかったのではないだろうか。
後遺症に長く悩まされる人も(PIXTA)
反ワクチンの炎上が恐ろしい
さらに、それを指摘して情報を補うべきテレビや新聞も、リスクについてはほとんど報道してこなかった。地方のテレビ局の中には、ワクチン後遺症の問題を積極的に取り扱っているところも一部あるが、在京のキー局や全国紙は、ワクチンのリスクを報じることに消極的だ。一体なぜなのか。ニュース番組を担当する在京キー局のディレクターが語る。
さらに、それを指摘して情報を補うべきテレビや新聞も、リスクについてはほとんど報道してこなかった。地方のテレビ局の中には、ワクチン後遺症の問題を積極的に取り扱っているところも一部あるが、在京のキー局や全国紙は、ワクチンのリスクを報じることに消極的だ。一体なぜなのか。ニュース番組を担当する在京キー局のディレクターが語る。
「番組スタッフたちも取材で県境を越えることが多いので、『打たなくてはいけない』という空気があり、みな打ちました。そのなかでも、やはり副反応が長引き、体調を崩す人もいて、『ワクチンは危ないのでは……』と感じている人が多いのは事実です。
また、いまの情報番組はSNSから話題を拾って取り上げることが多いのですが、そのなかで『ワクチン反対』の意見に関心が高いのは把握しています。現実の生活の中でも、近所にワクチンを打って健康を害した人がいるという話を家族や知人から聞いていて、報道しなくてはと思っているのも本当です。
それでも事実として、ほとんど報じていません。それはワクチンが原因と確信できる充分なエビデンスがない状況で報道したら、『反ワクチン』とみなされて炎上するかもしれないからです。それを懸念しています」
接種のメリットとともに、デメリットが生じる可能性を指摘することは、前述の通り、メディアの当然の使命だ。だが、少しでもデメリットに触れるだけで「反ワクチン派」のレッテルを貼り、「非科学的なトンデモ論」と切り捨てて、炎上させる風潮は、それこそまったく非科学的で、異様で異常なことだ。これこそが「打ったら危ない」と大きな声で言えない言論封殺の正体ではないか。
別のテレビ局の報道部員は、ワクチン後遺症の問題を取り上げるべきだと考え、何度か企画書を出したという。しかし企画が通ることはなかった。
「接種後の症状とワクチンとの因果関係は認められていないケースがほとんどですが、『もしかしたら、ワクチン接種後にこういう症状が出る可能性もある』という情報を提供することは必要だと思ったんです。
しかし、すべて却下されました。上司に聞くと、放送時間が限られている中ではコロナを予防することや早期に受診することの大切さ、重症化しやすい人に対する注意喚起の方が重要だということでした。もう1つは、なかなかコロナの特効薬が出てこない中で、現時点でコロナのまん延を防止する手段としては、ワクチンしかないのに、接種推進に水を差す情報を出すのはどうかという意見もありました」
ワクチンの安全性に疑問を呈することなく、テレビや新聞が政府と一体になって接種を煽ったことは否定できないのではないか。先のディレクターもこう話す。
「やはりワクチンのリスクを報じられないと感じるいちばんの理由は、国の方針が『ワクチン接種推進』だからです。ご存じの通り、テレビの管轄は総務省です。国の意向を無視するわけにはいかない。それに、あれだけ『コロナは危険だ』『ワクチンの接種を早急に』と報じておきながら、いまさらそれに慎重になるような報道が、軽々にできると思いますか?」
しかし、多くの人がテレビや新聞の情報を頼りにして、ワクチンを打つ判断をしたはずだ。女性セブン1月27日発売号の特集「子供へのワクチン接種 本当に必要なのか」で紹介した関東地方のHくん(13才)は、昨年9月に1回目を接種して以来、重い倦怠感と発熱の症状が治まらず、もう5か月も満足に学校に通えていない。Hくんの母親が話す。
「息子がこうなるまで、このワクチンを疑ったことはまったくありませんでした。共働きで忙しく、家事の合間にテレビを見るくらいで、自分から情報を得ようとはしていなかったのです。ニュースで子供のコロナ感染後遺症があるというのを見て、『怖いな』と思うくらいで……。
でも、息子の治療に関する情報を調べるためにSNSやネットを検索したことで、ワクチンに慎重な意見があることや、息子と同じような症状で苦しむ人がいることを、後になって知ったんです。もっと自分から情報を得る努力をすべきだったと後悔しています。マスコミにも、ワクチンにリスクがあり得ることを、ちゃんと伝えてほしかった」
政治家や医療界、マスコミ関係者たちに、ワクチン後遺症に苦しむ人たちの声が届いただろうか。
※女性セブン2022年3月10日号
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