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「『安全性や有効性は確かめたいが、自分は治験に参加したくない』
新型コロナワクチンや治療薬、タダ乗りしたい日本人の本音」
(家永直子 BuzzFeed 2022/1/13)
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-nakada-2
新型コロナの流行以来、アビガンやイベルメクチンなど効果が証明されていない薬への誤った期待が高まりました。未承認の薬の臨床研究をどう捉えるのか、自分は参加する気があるか。意識調査からは日本人の「わがままさ」が見えてきました。
新型コロナウイルスの再拡大で、流行を抑える切り札として注目されているワクチンのブースター接種や治療薬。
一時は、アビガンやイベルメクチンなど、効果や安全性が証明されていない既存薬の適応外使用がリーダーたちからも前のめりに推進されていたが、国民の意識はどうなのだろうか?
BuzzFeed Japan Medicalは、コロナワクチン接種が始まる直前、一般市民を対象に意識調査をした国立がん研究センター、がん対策研究所生命倫理・医事法研究部研究員の中田はる佳さんに話を聞いた。
■ 臨床試験が終わる前の薬の利用「危険の方が大きい」4〜5割
この調査では新しいワクチンや薬の臨床試験の重要性や、承認前の薬を使うことに対する考えも聞いている。
「新しい感染症が流行しているとき、新しい薬 / ワクチンが使用できるまでの時間が長くかかったとしても、薬 / ワクチンの効果を確かめる臨床試験を行うことは重要だと思いますか?」という質問をした。
「とてもそう思う」「まあそう思う」という回答が9割前後だった。
また臨床試験が終わる前の薬を使うことについての考えも聞いた。
2〜3割が「利益の方が大きいと思う」と回答し、「危険の方が大きいと思う」と回答した人が最も多かったものの、4〜5割にとどまった。「わからない」と答える人も3割いた。
「この『わからない』を減らす努力が大事だと思います。臨床試験の大事さには気づいているのに、試験で検証が済んでいない薬の危険性についてわからないと答えるのはもったいないことです」
「臨床試験が失敗する可能性があることもあまり知られていないのかもしれません。世に出てくるのは基本的に成功した研究だけです。研究途中で頓挫してダメになったことは、よほど皆が期待している薬しか公表されません。臨床試験完了前の薬の安全性が判断できない理由の一つだと思います」
新型コロナの流行に便乗し、試験管レベルの研究や、研究デザインがいい加減な研究結果に基づいて、特定の食品や成分がコロナ予防に効果があるかのようにうたう発表文を大学や企業が出し、それをメディアが人間に効果があるかのように伝えた例がいくつもあった。
「大阪府のイソジンもそうでしたね。人に効果があると証明するまではたくさん失敗するのだと伝えた方がいいですね」
新型コロナの流行では臨床試験で効果が証明されていないアビガンやイベルメクチンなどの適応外使用を熱心に主張する医師や国民がいる。
「アビガンに関してはある種、政府もお墨付きのようなものを与える発信をしてしまいました。科学的な裏付けがあるワクチンのような薬と、政治的な思惑で前に出されたアビガンのような薬が、両方とも同じように前に出されてしまって混乱を招いたように思います」
■ 臨床試験「おそらく参加しない」が6割
一方、薬の安全性や有効性を確認するための臨床試験に自分は参加するか尋ねたところ、臨床試験の内容にかかわらず、「おそらく参加しない」が最も多く、6割近くを占めた。
臨床試験で安全性は確認したいけれど、自分は参加せずに他の人がリスクを引き受けた結果に「タダ乗り」したいとでもいうような人間像が思い浮かぶ結果だ。
「人間ですからそれはそうかなという気もしますね。どこかで誰かが調べてくれればいい、ということですね。できればリスクは引き受けたくない」
今回、コロナワクチンはmRNAという新しい技術を使ったことで、未知の副反応を恐れた人も多かった。
「今回は一般論として『新しい感染症が流行した時にワクチン接種の臨床試験に研究対象者として参加しますか?』と聞いています。おそらく感染の状況や自分の年代がどれぐらい感染リスクが高いか、病気やワクチンの性質によっても参加の意向は変わるでしょう」
ただし、海外では臨床試験への参加意欲/日本より高いことが様々な研究で示されている。新型コロナワクチンの臨床試験もそうだった。「なぜ日本で低く、欧米では参加意欲が高いのかはもう少し検討したいと思います」と中田さんは言う。
一方、ワクチンの研究開発に関して患者や市民が、臨床試験参加以外の形で協力する活動については、約半数がなんらかの活動に協力してもいいと答えた。
年代別にワクチンの臨床試験への参加意向を見たところ、どの年代でも「おそらく参加しない」が4〜6割と最も高かった。ただ「絶対に参加しない」と答えた人は、年齢層が高くなるにつれて減っていた。
「『おそらく参加しない』『おそらく参加する』という人たちの意思は、今後この人たちが接する情報や臨床試験の条件、感染の流行状況の変化によって変わる可能性があります」
■ 「誤った期待(False hope)」と研究開発の関係
こうした調査結果から、日本人でも薬に対する「誤った期待(False hope)」を抱く可能性が高いと中田さんは指摘する。
「臨床試験の重要性は広く認識されている一方、試験完了前のものを使うことに対する考えは半数に認識されるにとどまりました。この『誤った期待』を抑えるための対策を検討することが必要です」
またワクチン臨床試験への参加をどう促すかがこれからの課題だという。
「特に接種順位が上位の集団の人たちがどのような参加意向を持っているのか。どうすれば参加してくれるのかを精査する必要があります」
さらに一般国民の意向を反映させるためにも、感染症流行時にも市民が研究開発に参画できる仕組みも必要だと訴える。
「オンラインを活用した市民参画やその評価を積み重ねると共に、潜在的に協力したいという市民は多くいるので、そういう人と研究者や医療者をつなぐ仕組みを作ることが必要です」
■ ワクチン接種が進んだ理由 質の高い情報が悪い情報に対抗できた?
ワクチンや治療薬を使う意向や臨床研究への参加意向を聞いたこの意識調査の直後から日本でもワクチン接種が始まった。そして、驚くべきスピードで8割の接種率に達した。
「最終的にはみんなうつのだろうとは思っていたのですが、こんなに早くうつとは思いませんでした」
「みんながうっている影響もあったのでしょうけれど、情報が色々なところからたくさん出ていたのは良かったと思います。質の悪い情報に負けないぐらい良い情報がたくさん出て、それが迷っている人によく働いた可能性があります」
「HPVワクチンの時は正しい情報を言おうとするとものすごく叩かれる状況がありました。コロナワクチンでもあったかもしれませんが、HPVワクチンほどではなく、質の高い情報が対抗できていたと思います」
「また、良いかどうかは別として、『ワクチンが足りない』とか、『予約が取れない』というのが、『早くうたなければなくなる』という背中を押したところもあったと思います。そういう情報はどちらでもいいと考えている人に有効だと思います」
この研究結果をどのように役立ててほしいだろうか?
「ワクチンに関しては導入前に行った調査なので、人の意識や接種行動がどのようなことによって変わっていったかを調べる時のベースにしていただきたい。もう一つは、迷っている人がたくさんいるので、その層を)う動かすかを考えるための材料にしていただきたいですね」
「臨床試験に関しては『どちらでもいいけれどやめておこう』と思っている人が、少し前向きに参加できるようになるための働きかけがほしい。健康な人の体に入れるワクチンはハードルが上がるので、参加者がなかなか集まらなければ、ワクチンの恩恵を受けるのも遅れてしまいます。そのことが伝わればと思います」
(終わり)
------(引用ここまで)------------------------------------
さすが御用メディアのBuzzFeedだけあって、メチャクチャな議論である。
製薬会社は、ボランティア、あるいは有料で治験参加者を雇って新薬の安全性を確認する。
政府はその結果は検証して承認する。
それを我々患者は、金を払って使うのである。
がん患者が新薬の治験に参加するなどの例外を除けば、一般人が治験に参加することは
まずあり得ない。
治験に参加したくないことがタダ乗りであり、治験に参加しないのなら薬を使うなというのなら、
医療は成立しない。
自動車メーカーが、消費者に安全性が確認されていない試作車を渡して、
「これに乗ってテストしろ。いやなら買うな」
と言っているようなもので、そんなものを買う客はいない。
当たり前の話である。
今回は、緊急承認ということで、ろくに治験が行われていないワクチンを一般人に接種した。
そして、案の定、とんでもない健康被害が出ているのである。
半強制的に不特定多数の一般人を治験に参加させることは、絶対にあってはならないことであり、
それを前提とした議論自体がおかしいのだ。
われわれは、製薬会社のモルモットではない。
ふざけるな、いい加減にしろ、と言いたい。
(関連情報)
「コロナワクチン効果の「ただ乗り問題」にご用心 (Newsweek パトリック・ハーラン)」
(拙稿 2021/7/23)
http://www.asyura2.com/21/iryo7/msg/114.html
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