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※2021年12月14日 日刊ゲンダイ3面 紙面クリック拡大
英国で「オミクロン株で入院者激増」の衝撃報告書! 死者は5カ月で7万5000人の最悪試算
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/298714
2021/12/14 日刊ゲンダイ
「津波が来る」と、ジョンソン英首相(C)ロイター=共同
「これからオミクロン株の津波が来る」ーー。ジョンソン英首相は12日、国民に警戒を呼び掛けた。これまでのところオミクロン株の感染者は無症状や軽症が目立っているが、侮るのは危険だ。英国は入院者、死者が激増すると試算しているが、13日には同国でオミクロン株による初の死亡者が出た。第6波が迫る日本も対岸の火事ではない。
再感染力はデルタ株の5倍
英国のオミクロン株の感染者数は5日の246人から12日は3137人へと1週間で13倍になった。感染警戒レベルは5段階の「3」から、医療逼迫の恐れがある「4」に引き上げられた。
英保健当局によると、オミクロン株の再感染力はデルタ株の約5倍。英国では過去にコロナに感染した人やワクチン接種完了者が次々とオミクロン株に感染している。今月中旬にはオミクロン株が感染者全体の半数以上を占める見通しだ。
オミクロン株は重症化リスクが低い可能性がある。WHO(世界保健機関)は9日、南アフリカの初期データから「感染しても重症化しにくい傾向が示された」とコメントしている。ほとんどが軽症、無症状なら、医療への負荷も少なくて済みそうだが、実際はそうではないようだ。
英政府の報告書によると〈感染拡大の高止まりが続けば、重症度がわずかに低下しても入院者の大幅な増加を抑えることにつながらない〉〈入院者数は、重症度よりも感染性と免疫回避の影響が重要である可能性が高い〉と指摘している。重症化しにくくても入院者は減らないというのだ。
英国はこれまでに約14万人が死亡 |
オミクロン株感染アウトブレイクのなか、朝の通勤ラッシュアワーでキングス・クロス駅を歩く人々=英ロンドン(C)ロイター
医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏はこう言う。
「報告書はその通りだと思います。例えば、オミクロン株が従来株に比べて、発症、重症化、死亡リスクが半減しても、感染者数が2倍になれば、入院者、重症者、死者の実数は同じになります。オミクロン株はワクチンの感染予防効果が低いとされ、市中に流入すればこれまで以上に感染拡大する可能性があります。入院者が増え、高齢者が重症化、死亡しかねません」
衝撃の試算もある。ロンドン大衛生熱帯医学大学院は査読前論文で、オミクロン株の免疫回避能力が高く、ブースター接種の効果が低い場合、来年4月末までにイングランドだけで感染者3420万人、入院者49万人、死者7万5000人と予測している。
英国はこれまでに約1070万人がコロナに感染し、約14万人が死亡している。累計の3倍もの感染者が出れば、7万人以上が死亡してもおかしくない。
最悪の事態を想定した対応が要だ。
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