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製薬大手ファイザーが開発中の新型ウイルス経口治療薬「パクスロビド」について、米国バイデン大統領は18日、1000万回分を購入したと発表し、規制当局FDA(食品医薬品局)が緊急使用許可をすれば国民にすみやかに提供するとしている。
この経口治療薬は、新型コロナのゲームチェンジャーとなり得るかも知れない。素人目だがそう思われる理由は、下記の通りである。
●同じく経口治療薬であるメルク(MSD)社が開発した「モルヌピラビル」は、入院・死亡リスクを半減させるが、「パクスロビド」はそれらを89%減少させるとしている事。また患者1人の治療にあたる費用が、前者が700ドル程度、後者が500ドルと多少安価な事。
●「モルヌピラビル」はウイルスの遺伝子コードにエラーを引き起こさせるRNAポリメラーゼ阻害剤であり発ガン性や催奇性リスクが皆無とは言い切れぬ一方、「パクスロビド」はウイルスの増殖に必要なタンパク質分解酵素を阻害するプロテアーゼ阻害剤であり副作用リスクは低いと思われる事。
●経口治療薬であることのメリット。ワクチンがウイルスの変異対して徐々に効き難くなるのに対してそれが少なく、また基本的に感染・発症時のみに飲むため副反応・副作用の機会自体が少ない事。なお、点滴薬に比べ自宅での治療に適している事。
参照:新型ウイルスの飲み薬「パクスロビド」、入院・死亡リスクが89%減 米ファイザー(BBCニュース2021年11月6日)
https://www.bbc.com/japanese/59173070
もし、「パクスロビド」が期待通りであれば、新型コロナは文字通り「普通の風邪」に近づいて行く。
またファイザーは16日、「パクスロビド」について、95の発展途上国での製造・販売を認める契約を国連が支援する特許団体と結んだと発表した。
このライセンス契約により、世界人口の53%がパクスロビドを利用できるようになる。対象の多くはアフリカやアジアの国々。同社は低所得国において、パクスロビドの製造ライセンス使用料を受け取らない方針という。
10月にはメルクも「モルヌピラビル」について同様の措置を発表しているものの、これは最新技術のm-RNAワクチンで大収益を上げたファイザーの大きな転機を示すものとなる。
ではあるが、そこは生き馬の目を抜く製薬業界。これらはファイザーによるメルクの「モルヌピラビル」潰しの手であり、潰した後は「パクスロビド」を先進国で大幅値上げし、ワクチンのサブスク(定期購入)ビジネス・モデルに軸足を置いたまま末永く続けて行く戦略である事等も考えられ、新型コロナを抱えた社会の未来と共に予断を許さぬ所である。
佐藤総研 http://blog.livedoor.jp/ksato123/
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