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2023年6月14日 12時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/256488
長崎市の爆心地公園で13日朝、原爆犠牲者を慰霊するために供えられた千羽鶴や花が燃やされた事件。過去にも、長崎や広島、沖縄の慰霊施設で若者による器物損壊事件が起きている。なぜ、平和への冒涜ぼうとくとも言える事件は繰り返されるのか。(宮畑譲)
◆「そこに折り鶴がある理由が分かっていない」
現場は、被爆した旧浦上天主堂から移設された遺壁や、原子爆弾落下中心地碑の近くで、千羽鶴などを置いた献花台も焼けた。長崎県警は近くにいた県職員の男(23)を器物損壊容疑で現行犯逮捕。ライターで火を付けたと認めているという。
動機は分かっていないが、公園を管理する市の担当者は「平和を発信する場所であり、鶴を折ってくれた人の思いを踏みにじる行為。大変残念だ」と憤る。
5歳のとき、爆心地から約3キロの自宅前で被爆した長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会議長の川野浩一さん(83)も「鶴は全国の修学旅行で来た子どもたちが持って来たものも多い。平和に対する祈り、願いを燃やした。そのことへの理解、想像がない」と話す。
「どういう心情か分からないが、そこに折り鶴がある理由が分かっていない。平和に対する思いが理解されていない」とショックも隠せない様子だった。
同じような行為は、過去に何度も起きている。
◆「むしゃくしゃ」「肝試しだった」
長崎市の平和公園では昨年4月、「長崎市原子爆弾無縁死没者追悼祈念堂」の焼香台で、肉を焼いたような形跡があり、供え物に火が燃え移っていた。祈念堂には、引き取り手のいない原爆犠牲者の遺骨約9000柱が納められている。別の時には、公園内の折り鶴が切られたり、燃やされたりしたこともある。
広島市の平和記念公園では2003年、関西学院大(兵庫県西宮市)の学生が「原爆の子の像」にささげられた折り鶴約14万羽を燃やし、器物損壊の疑いで逮捕された。学生は「留年が決まり、就職できず、むしゃくしゃしてやった」と供述した。
17年には、太平洋戦争末期の沖縄戦で住民が集団自決に追い込まれた沖縄県読谷村の自然壕ごう「チビチリガマ」で、千羽鶴や平和を願う歌が書かれた看板などが壊された。少年4人が逮捕され、「肝試しだった」などと話したという。
◆「共感する気持ちを育む教育を続けるしかない」
こうした事件の背景に何があるのか。
思想家で神戸女学院大の内田樹名誉教授は「戦争被害・加害を受け継ぎ平和を希求する、戦後日本のスキームが有効性を失っている。むしろ、若い人たちはそうしたことを偽善と感じ、いら立つ空気がある」と感じている。
その上で「事件を起こした若者が明確に言葉では説明できないかもしれない。ただ、漠然としたいら立ちと個人的な不満が結び付き、象徴的な施設に向かうという心情は共通しているように思える」と読み解く。
一方、中学生の平和教育について、海外や日本で調査した経験がある京都教育大の村上登司文名誉教授(平和教育学)は「日本は広島、長崎での被爆体験は大事なこととして一定程度、根付いている。国外と比較して平和教育が緩くなっているとは思わない」と指摘。教育現場だけでなく、社会全体で取り組む必要があると話す。
「戦後80年近くたち、戦争の実相を伝え切れない、カバーできない若者がいるのは確かだろう。戦争はいけないといった平和教育に加え、社会や人へのやさしさ、共感する気持ちを育む教育を学校現場以外にも広げる。そうした地道なことを続けるしかない」
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