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2022年9月14日 17時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/202104
2002年9月、当時の小泉純一郎首相が初めて北朝鮮を訪問し故金正日キムジョンイル総書記と会談、日朝平壌ピョンヤン宣言に署名して17日で20年になる。金総書記は、北朝鮮がかたくなに否定し続けていた日本人の拉致を認めて謝罪。両首脳は国交正常化を早期に実現するため、あらゆる努力を傾注すると誓い合った。
「戦後日本の外交史の中で、日本がイニシアチブをとって進めることができた貴重なケースだ」。「北朝鮮外交回顧録」(ちくま新書)を今春発刊した山本栄二・前駐ブルネイ大使はこう「小泉訪朝」を高く評価する。山本氏は1990年から14年間、日朝交渉に関わってきた朝鮮半島通の元外交官だ。一方で「拉致のインパクトがあまりに大きく、日本世論が逆ブレしてしまった」と惜しむ。
実際、首脳会談が終わって、田中均アジア大洋州局長(当時)が拉致被害者について「5人生存、8人死亡」と北朝鮮の説明を明らかにすると、平壌で取材中の日本人記者団から、どよめきが起こったものだ。私もその中の1人だ。
会見室の空気が重苦しいものに暗転するのを実感した。私は急いで本社に電話をかけ、日朝関係の進展を念頭に置いて準備していた予定稿について「全部使えなくなりました」と叫んだことを覚えている。
拉致問題は2002年10月に曽我ひとみさんら5人が帰国してから、その後はほとんど進展がない。「死亡」とされた横田めぐみさんらの安否に関する再調査は、手詰まり状態。核・ミサイル実験を繰り返す北朝鮮に対し、日本が制裁措置を強めたことで、関係改善どころか悪化に拍車をかけた。
もっとも、北朝鮮の立場では、日本は過去の清算を盛り込んだ平壌宣言の履行に積極的に取り組んでいないと映り、不満を抱き続けた20年だっただろう。北朝鮮当局者は数年前、「日本は裏切ってばかりだ」と憤まんを漏らしていた。
金正恩キムジョンウン政権は近年、中国、ロシアとの関係を強化する半面、日本や米国との対立姿勢を強める。北朝鮮との交渉は難しくなる一方にみえる。
前出の山本氏は「膠着こうちゃく状態から脱するには、(日朝互いの)人が接触し、外交を含めて意思疎通を図ることが重要だ」と指摘。日朝連絡事務所の開設も提案する。気心が通じた人間同士の接触を重ねて、信頼を構築するところから始めることが大切だ、ということだろう。
氏の考えを聞いて、北朝鮮政府筋が3年前、日朝関係改善のためには「日本がまず、人的往来を認めるべきだ」と話したことを思い出した。北朝鮮側も人的交流の重要性は認識しているのだろう。北朝鮮担当として北京に駐在した19年までの4年間、多くの同国関係者と会った。中には気が合う人物も現れた。
核・ミサイル開発などには毅然きぜんと対応すべきだ。ただ、不信と対立ばかりが目立つ外交に、前進を期待することは難しい。(城内康伸)
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