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《ある逃亡兵の告白〜逃亡と脱獄の果てに》
中国秘密結社
結社入会に際しての注意や、一に天を拝して父となし、二に地を拝して母となし、天と地の同一な父母のもとに生まれたものはは皆兄弟であるという言葉や宣誓など、略式ながら厳重な儀式が患部たちの居並ぶ前で進行した。
中国には様々な結社や組織があると聞いてはいたが、幹部は馬賊の群盗や無頼漢たちの塁だと思っていた私は、認識を恥じなければならなかった。立派な紳士や学者、一目で分かる高級将校の軍人もいる。患部はひとかどの人物ばかりである。朝鮮系の李もそうだ。
大幹部ではないが英語、仏語、日本語、朝鮮語を話しロシア語も少しできる。身体は細いがいつもきちんと支那服をまとい、映画に出てくる貴公子のような男で頭が抜群にいい。
その李長春から儀式に入る前、私は大きな風呂敷包みを渡された。中には真新しい支那服が入っており、胸に張現三と書かれた名札が付いていた。その服を着て私は入会式に立ったのである。
結社の暗号や隠語などを同士の李から教わることになち…。
当時の中国には秘密結社のような組織が多く「公党」とか「〇会」と呼んだ。歴史は明や清の時代からからと古い。各地の結社が国策で統合されたらしく、藍衣社という大組織の配下にあった。
【丹野吉一】
大正8年生まれ。急死した妻への対応やたび重なる暴力行為から軍隊の実情に疑問を抱き逃亡。
満州に渡り官憲から逃れるために昭和18年、抗日秘密結社・藍衣社に入って活動。
【出展】ある逃亡兵の告白/丹野吉一・恒友出版‘89年
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