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2021年7月15日 07時36分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/116823?rct=eldercare
末期がんの父に娘が自分の結婚式をプレゼント−。横浜市の上野美佳さん(25)と夫の晋さん(39)が、肺がんで終末期をホスピスで過ごす父、歯朶山(しだやま)孝男さん(63)のために、市内のチャペルで結婚式を開いた。歩くこともままならない孝男さんを医師や看護師が終始会場でサポート。娘の幸せな様子を見守る父の目に光るものがあった。 (中村真暁)
「来てくれてありがとう。かっこいいね、お父さん」
純白のウエディングドレスを着た美佳さんは、ホスピスから式場に到着した孝男さんの手を握り、優しく語りかけた。黒の礼服に身を包んだ孝男さんは、がんで先月六日に亡くなった妻のみどりさん=享年(60)=の遺影を膝に置き、「うん」と言って目を潤ませた。
「二人で頑張ろう」と病と闘ってきた孝男さんとみどりさん。みどりさんが亡くなると、孝男さんの気持ちがふさぎこんだ。美佳さんも落ち込んだが、「本当に仲のいい夫婦でした。お父さんを励ましたい」と挙式への思いを強めた。
美佳さんは三年前に結婚したが、式は挙げていなかった。亡くなる直前のみどりさんから「結婚式をしてほしい」というメッセージが来たのに、コロナ禍などで「今のタイミングは厳しい」と答えてしまった。
それがとても心残りだった美佳さん。医師らが患者の外出をサポートする「トラベルドクター」(東京都港区)を知り、代表の伊藤玲哉医師(32)に相談。伊藤さんは「全力でサポートします」と背中を押してくれた。
孝男さんの体調を考慮してわずか一週間で結婚式を準備。衣装の用意や式の段取りなどは保険外の訪問看護サービス「かなえるナース」を提供する「ハレ」(同)が担い、革製の特注の車いすやブーケはハレの協力企業が無償提供した。看護師が孝男さんの髪形を整え、礼服を着せた。
式で美佳さんは「お父さん、お母さんのように、自分よりも相手を思いやれる夫婦になりたい」と父への手紙を読んだ。孝男さんは美佳さん夫妻を見つめ続けた。日の光が柔らかく差し込む式場で、家族、友人ら十人の小さな結婚式は祝福と笑顔に包まれた。
式では音楽好きな孝男さんのためにバイオリンやハープのミニコンサートが披露された。美しい音色が響き渡る中、美佳さんは孝男さんの隣で、手を握り続けた。父の手から「言葉が出なくても、気持ちが伝わった」と美佳さん。
式が終わり、車に乗り込む孝男さんを見送った美佳さんは「いろんな人が協力してくれて、安心できました。本当によかった」と笑顔で語った。
◆生きがい創造 諦めないで
孝男さんが式場に滞在したのは1時間15分。伊藤医師やハレの医療スタッフら6人が孝男さんの血圧や体内の酸素量を測りながらサポートした。孝男さんはホスピスに戻ると、式の写真を見つめながら「いい日だった。感激した」としみじみと話した。
ハレ代表で看護師の前田和哉さん(34)は「コロナ禍により結婚式が開きにくくなっており、高齢者はさらに出席が難しい」と言う。
「病気の進行は待ってくれず、病気によっていろいろなことを諦めている人たちがたくさんいる。医療、看護の視点で自己実現を支援し、生きがいを創造していきたい」
療養中の家族が結婚式に出席できなかったり、コロナ禍などで式を諦めたりする人もいる。ハレは現在、そんな家族のために写真撮影などをプロデュースするなど、結婚祝いのサポートを美佳さん夫婦を含めて10組限定で無償で行っている。詳細は同社ホームページへ。
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