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習近平主席が3期目突入…強まる中国の覇権主義に日米欧は“中逃印向”経済へまっしぐら 経済ニュース 深読み・先取り
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/319985
2023/03/14 日刊ゲンダイ
インドはいまや世界5位の経済大国(首都ニューデリー)/(C)ゲッティ=共同
先週10日、中国で国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が開催され、習近平国家主席の3選が決まりました。予想されたこととはいえ、3期目入りは異例です。
覇権主義的な色合いはますます強くなり、ビジネス面から考えても一層やっかいな存在になりかねません。商習慣や知財戦略が一人の判断で、一夜にして覆される……そんなリスクを中国ビジネスに感じる経営者は少なくありません。
米中対立やウクライナ戦争によって、日欧米は中国へのスタンスを変化させています。極端な言い方をすれば中国依存からの脱却、中国の必要性を感じなくなっています。
インドはGDP世界3位も視野の経済大国に
そこで急浮上してきたのがインド。その存在感は高まるばかりです。2022年の国内総生産(GDP)は旧宗主国の英国を抜き、世界5位の経済大国にのし上がりました。日本の約8割の水準に成長しているのです。
23年のGDP成長率を見ても、中国が全人代で5%前後を掲げたのに対し、インドは7%近くに達するとの読みも出てきました。
中国は民間企業への締め付けが強まる一方ですが、インドは曲がりなりにも民主主義国で、公正性や財産権の確実性(代金遅延や契約履行などの法体系の近代化)があります。インド政府・議会が賢い政策を打ち出せさえすれば、中国を超える市場経済の道が開かれると思っています。27年にはGDPで日本を抜き、世界3位に躍り出るともいわれます。
今月上旬に脱中国をにおわす投資家の記事を米FOXビジネスで見かけました。著名投資家のモビアス氏の発言で、「中国の資本規制のため資金を国外へ持ち出すことができない」という内容です。中国当局はすぐに「海外への資金送金に関する政策に変更はない」と否定してみせましたが、投資家の不安は解消されたとは言い難いでしょう。
まさに“中逃印向”(中国から逃げインドへ向かう)の時代です。実際、米アップル「アイフォーン」の約4割を受託生産する台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)は、インド南部のチェンナイ近郊にある既存工場でのアイフォーン製造台数を、24年までに2倍以上となる年間約2000万台へ引き上げる計画を発表しています。従業員は約3倍の10万人規模です。
また、フォックスコンはインドの複合企業「ベダンタ」と共同で、インド西部グジャラート州に半導体生産施設を新たに立ち上げる予定もあるようです。
インド政府も動き始めました。携帯電話や半導体、EV(電気自動車)メーカーを誘致するため数十億ドルの支援策を打ち出しています。
先週は米国のレモンド米商務長官が米企業のCEO10人とともにインドを訪れ、半導体産業の活性化策を調整する覚書に調印しています。
インドの人口は今年中にも中国を抜き、20歳前後の若い労働者数は30%近く(中国の倍近く)になると推測されます。
世界の投資マネーは“中逃印向”。そんな印象を強く持ちます。
(IMSアセットマネジメント代表・清水秀和)
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