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「スシロー」が景品表示法違反…回転寿司トップはなぜ“おとり広告”に手を染めたのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/306537
2022/06/10 日刊ゲンダイ
約9割強の店舗で在庫不足だった(C)日刊ゲンダイ
回転寿司チェーンの「スシロー」が9日、消費者庁から「景品表示法違反」(おとり広告)で再発防止を求める措置命令を受けた。スシローは昨年の9〜12月、実際には在庫がないのにウニやカニを激安で販売しているかのように宣伝していた。
違反とされたのは「濃厚うに包み」(110円)、「うに3種盛り」(528円)、「豪華かにづくし」(858円)の3商品。全国で展開する約600店舗のうち約9割強で在庫不足になり、販売初日から提供できない店もあったという。販売不能だったのにテレビCMを継続したことが問題とされた。
日刊ゲンダイの取材に対してスシローは、「想定以上に人気商品となり在庫不足になってしまった」(広報部)と答えた。しかし、消費者庁は、最初から適切な在庫を用意していなかったと疑った可能性がある。当時からネット上では、高級ネタが激安で食べられると話題になる一方、「ウニはまた売り切れ」「だまされた」「あんなにCMしているのにひどい」と落胆と批判の声が上がっていた。
熾烈なシェア争い
「回転寿司」市場は、この10年間で1.6倍に拡大している。2021年度は7400億円を超える見通しだ。店舗数も、大手5社(スシロー、くら寿司、はま寿司、かっぱ寿司、元気寿司)だけでも2200店と10年間で1.6倍に増えている。
その中でもスシローは、業界トップだ。なぜ、「おとり広告」と判断されるようなことをしたのか。外食ジャーナリストの中村芳平氏がこう言う。
「スシローの強みは、圧倒的な商品力です。一流の職人をスカウトしていることもあって味がいい。ただ、回転寿司業界は過当競争です。日々、熾烈なシェア争いをしている。スシローも客をつかむために、1カ月に2回もフェアをやっています。今回の一件も、他社との激しい競争が背景にあるのは間違いないでしょう。問題は、恒常的に“おとり広告”のようなことをやっていたのかどうかです」
シェア争いが、消費者に還元されるなら大歓迎だ。
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