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ウクライナ侵攻が日本のサラメシを直撃! 輸入小麦高騰で「立ち食いソバ」も“高嶺の花”に
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/302297
2022/03/10 日刊ゲンダイ
「サラリーマンの味方」にも戦禍の影響が…(C)PIXTA
ロシアによるウクライナ侵略の余波が「サラメシ」を直撃しそうだ。両国は世界有数の穀物の産地。とりわけ小麦の輸出量は両国だけで世界全体の約3割を占める。
戦闘の長期化や欧米などの経済制裁の影響で世界的な需給バランスが大きく崩れる懸念から、小麦の国際価格は先週1週間だけで40%超も高騰。国際指標である米シカゴ商品取引所の小麦先物(5月物)は7日、1ブツシエル=12.94ドルを付け、2008年2月の過去最高値を更新した。
今や小麦は日本人の“主食”だ。毎年パンや麺類など小麦関連製品の1世帯あたり消費支出はコメを上回り続けている。国内消費量の約9割は輸入頼み。財務省の貿易統計によると、輸入相手国は米国46.9%、カナダ36.5%、豪州16.2%と、この3カ国でほぼ全量をまかなっている。
そのため、いきなり小麦不足に陥ることはないとはいえ、価格暴騰の影響は避けられない。日本では輸入小麦を政府が計画的に買い付け、国内の製粉会社などに売り渡す仕組みだ。「政府売り渡し価格」は相場変動の影響をならすため、直近6カ月間の価格に基づいて算定し、毎年4月と10月の年2回改定。その額が小麦関連製品の値段に直結する。
そして農水省が9日に発表した4月期(4〜9月)「政府売り渡し価格」は、前期比で平均17.3%の値上げ。3期連続の上昇で、20年10月期(10月〜21年3月)の約1.5倍に。現行の算定方法になった07年以降、08年10月期に次ぐ2番目の高値だ。
「算定期間におけるウクライナ情勢の影響はわずかですが、この間の小麦価格は昨年夏に起きた北米の干ばつの影響を引きずり、前期の6カ月平均より上昇しています」(農水省貿易業務課)
4月以降に幅広い小麦関連製品の大幅値上げへと波及し、そのインパクトは働く人の昼飯に襲いかかるのが確実。外食でラーメン・ギョーザのセットはおろか、立ち食いソバ・うどんすら“高根の花”となりかねない。家から持参した握り飯でしのぐランチタイムはもうすぐだ。
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