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2022年2月7日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/158645
<取材ファイル>
東京都渋谷区幡ケ谷のバス停のベンチで2020年11月、男に頭を殴られて死亡した大林三佐子さん=当時(64)=と、自らの境遇を重ね、動き始めた女性(53)がいる。昨年11月の追悼集会で、女性は「殺すな」と書いたプレートを持ち、「彼女は私だ」と声をからした。その言葉にどんな思いを込めたのか。(中村真暁)
東京・渋谷の女性傷害致死事件 2020年11月16日午前4時ごろ、東京都渋谷区幡ケ谷のバス停で一人で座っていた大林三佐子さん=当時(64)=が、近所に住む男に石の入った袋で頭を殴られ、死亡した。派遣会社に登録し、スーパーで試食販売担当として働いていた。家賃を滞納し、アパートを出ていた。
◆「事件が忘れられていくようで悔しかった」
「時間がたち、事件が忘れられていくようで悔しかった。あの事件は私のことだと思い、勇気を出してここに来た」
事件から1年が経過した昨年11月、新宿区で開かれた大林さんの追悼集会。さまざまな人たちがスピーチをする中、そう強く訴えた女性が気になり、その場で声をかけた。
◆暴力、貧困、頼れる人なく…
女性は福岡県出身。12歳で母が亡くなると、家事や祖母の介護は女性である自分と姉の仕事となった。家族関係が悪化した10代後半は、13歳年上の男性から継続的に性暴力を受けた。抵抗してもかなわず、「恋愛」だと勘違いしたまま苦痛を封じ込めた。
今思えば、そのころからうつ症状が続く。20代で結婚したが、36歳ごろに離婚を経験。娘を育てながら会社員として働いた職場では、上司と折り合いが悪く、精神面で不調を来した。2017年ごろに退職し、精神科病院への入退院を繰り返した。
求職活動をするも、新型コロナウイルス禍でなかなか決まらず、障害年金や大学生の娘のバイト代でやりくりする。生活費に充てた借金が130万円あり、ガス代などは払えていない。
そうした生活を続ける中で起きたのが、あの事件だった。大林さんは路上生活をしていた。「現場は以前の職場の近くでよく知っていました。大林さんが最後に見た風景が、私にも見えるようでした」。頼れる人がどこにもおらず、「助けて」を言えない自分の姿が、大林さんと重なった。
◆「いろんな女性と連携し、こぼれ落ちない社会つくりたい」
事件を受けて感じるのは、女性だからこそ直面する課題だ。特にコロナ禍は、非正規雇用が多い女性の就労状況が悪化し、家庭内暴力が深刻化した。大林さんの死も、女性が弱い立場に置かれがちな社会の姿を表していると感じた。「人生のどのステージでも女性たちが孤立し、犠牲に遭う。大林さんも、そうした社会の機能不全で路上に放り出されたのでは。その状況と、自分自身が1本の線でつながって見えた」
夢がある。精神障害を患う女性たちが、女性としての苦しみから解放される居場所をつくることだ。集会ではこうも叫んだ。「黙ってはいられない。いろんな女性と連携し、こぼれ落ちない社会をつくりたい」
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