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かっぱ寿司・社長が告訴される、“古巣”はま寿司の営業秘密を不正入手…5年で5人社長交代か
https://biz-journal.jp/2021/08/post_246828.html
2021.08.25 06:00 文=編集部 Business Journal
かっぱ寿司の店舗(「Wikipedia」より)
回転寿司チェーン「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイト(東証1部上場)の田邊公己社長が、同業大手「はま寿司」から不正競争防止法違反の容疑で告訴された。告訴を受けて6月28日、不正競争防止法の営業の秘密の侵害の疑いで警視庁による捜査が行われた。横浜市西区のカッパ・クリエイトの本社や田邊氏の自宅が家宅捜査を受けた。田邊社長が「はま寿司」の日次売り上げデータなどを個人的に受け取っていた疑いが持たれている。はま寿司はゼンショーHDの子会社である。
不正競争防止法は営業の秘密を不正な手段で取得して使用したり、第三者に開示したりすることを禁止している。違反した場合は、10年以下の懲役など、法人の両罰規定がある。法人の罰金の上限は5億円である。
田邊氏は1998年、東海大学開発工学部を卒業、ゼンショー(現ゼンショーホールディングス)に入社。経営企画室ゼネラルマネージャー、14年に、はま寿司取締役。17年にファミリーレストラン、ジョリーパスタ(旧サンデーサン)代表取締役社長、18年にファミリーレストラン・ココスジャパン社長になり、出世コースを歩んできたとされる。
だが、ゼンショーHDではオーナーである小川賢太郎会長兼社長が健在である限り、田邊氏が社長になる目はない。カッパ・クリエイトの親会社コロワイドの創業者、蔵人金男会長からヘッドハンティングされ、最終的に同業他社の社長の椅子に座った。
20年11月にカッパ・クリエイト顧問、同12月に執行役員副社長に就任。21年2月の臨時株主総会で代表取締役社長に就任。21年6月22日に開催した定時株主総会で再任された。「長年にわたり外食事業会社で取締役を歴任し、経営者として豊富な経験と知見を有している」ことが再任の理由である。取締役選任の賛成率は95.05%だった。
田邊氏は、ゼンショー時代に傘下の業界3位の「はま寿司」の取締役を経験している。カッパ・クリエイトの顧問になった20年11月から12中旬に、元同僚から「はま寿司」の売り上げデータなどを受け取っていたとされる。カッパ・クリエイトの聞き取りに対して田邊氏は「売り上げに関してメールで受け取った。違法とは思わなかった」と話している。
田邊氏は、なぜ「はま寿司」の売り上げデータを欲しがったのか。一般的に外食産業の売り上げデータは、立地ごとの売り上げ状況や、売れ筋商品の情報、客数や客単価が網羅されている。出店戦略を立てる際やメニュー開発などに役立つといわれており、こうした生データは、寿司にたとえるなら主役のネタに相当する重要なものだ。
コロナ禍という特殊な状況下では、こうした生のデータの重要性が増していたという。自社と「はま寿司」のデータを突き合わせれば、売れ筋の食材やキャンペーンの成果の違いが一目瞭然となるからで、特に「どの地域の店舗を退店するかの意思決定をする時の切り札になる」(外食産業の動向に詳しいアナリスト)というのだ。
田邊氏は21年2月にカッパ・クリエイトの社長に就任して、早急に成果を出したかったのか。その焦りが、古巣の「はま寿司」の売り上げデータを脱法的に入手するという禁じ手に手を染めた理由なのだろうか。
■カッパ・クリエイトの社長は相次ぎ交代
社長名 経歴 就任期間
五十嵐茂樹 牛角のレインズインターナショナル社長 14年12月〜16年6月
四方田豊 コロワイドMD(バックヤード業務)社長 16年6月〜17年4月
大野健一 バンノウ水産社長 17年4月〜18年2月
小澤俊治 ステーキなどのアトム社長 18年6月〜21年2月
田邊公己 ゼンショー出身。はま寿司取締役 21年2月
かつて回転寿司業界で最大手だった「かっぱ寿司」は現在、スシロー、くら寿司、はま寿司に次いで業界第4位。上位3社に水をあけられている。安価のネタを提供することで成長してきたが、「安かろう、まずかろう」(同業他社の若手幹部)のマイナス・イメージが定着したことが、成長を阻害した。
2013年、米穀卸の神明と資本提携し、栃木県にある元気寿司との合併を目指したが、カッパ側の赤字が大きいことから破談になった。14年、焼肉店「牛角」などを運営するコロワイドが300億円を投じてカッパを買収した。「創業者の蔵人会長が主導した、居酒屋主体から総合外食産業に転換するための社運を賭けた買収だった」(コロワイドの関係者)。現在、コロワイドの持ち株会社SPCカッパが発行済み株式の50.48%を保有し、筆頭株主である。
コロワイドが買収してからの6年半に5人の社長がチャレンジしたが、成果を挙げるには至っておらず、経営は迷走した。カッパの絵柄のキャラクターを赤と金の皿を重ねたデザインのロゴを刷新したが、これが昔からのカッパの顧客が離れていく原因になった。
業を煮やした蔵人会長は17年4月、水産食材の調達の手腕を買って大野健一氏を社長に据えた。大野氏は、まず来店してもらえることが先決と考え、同年6月、回転すし業界では珍しい食べ放題に踏み切った。だが、既存店の売り上げは前年に比べて20%近く落ち込んでしまい、食べ放題もヒットしなかった。
後任社長の小澤氏はコロナ禍の逆風にさらされた。新型コロナで客足が減少、持ち帰りを強化するも、店内の飲食のマイナスを補うことはできなかった。21年3月期の連結決算の売上高は13%減の648.8億円、営業損益は15.7億円の赤字(20年3月期は10.6億円の黒字)、最終損益は10.6億円の赤字(同2.7億円の赤字)と2期連続の赤字に沈み、小澤氏の首が飛んだ。
蔵人会長は外部から社長をスカウトすることに方針を変更した。外食最大手ゼンショーHD出身の田邊氏をヘッドハンティングして社長に起用した。田邊氏の使命は22年3月期の最終損益を黒字(目標は14億円の黒字)に転換させることである。ところが、田邊体制はスタート直後に、「はま寿司」の売り上げ内部データを受け取った容疑で告訴される事態となった。
カッパ・クリエイトは「ご迷惑とご心配を掛けたことを深くおわびする。捜査に全面的に協力し、進展を踏まえ、対象者への処分も厳正に対処していく」という内容のコメントした。コロワイドは「このような事態が起きて大変遺憾である。こうした事態を二度と起こさないよう、コンプライアンスに関して役職員に対する定期的な研修の機会を設け、再発防止に努める」とした。
コロワイドはM&Aを軸に、スピード重視の経営で知られる。スピード重視の姿勢が不正を生む土壌になっていないのか、根本的に見直す必要があるのではないのか。親会社コロワイドの責任は重い。
カッパ・クリエイトはまたもや社長が交代することになる。田邊氏が社長を辞めれば5人目になる。
(文=編集部)
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