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高級ホテルの価格崩壊止まらず…リッツ、アマンも大幅値引き、ハイアットは1万円切りも
https://biz-journal.jp/2021/06/post_232857.html
2021.06.22 05:40 文=田口るい Business Journal
緊急事態宣言の度重なる発令や延長で、大打撃を受けたホテル業界。価格競争が激化し、中には昨年の「Go Toトラベル」キャンペーンの半値適用価格よりお得なところも……。(画像はGetty Imagesより)
長引くコロナ禍で、さまざまな業界が変化している。緊急事態宣言の発令によって不要不急の外出を控える動きが大きくなり、レジャーを自粛するようになった人が増えたことから大きな打撃を受けた旅行・ホテル業界も、そのひとつだろう。
そんななか、ホテル業界では価格競争が激化しているという。今回、ビジネスジャーナル編集部では、ツイッターでさまざまな旅行情報を発信し、3万人以上のフォロワーを誇る「Halohalo/お得トラベラー」(@halohalo_travel)氏に、旅行業界の現状について話を聞いた。
■Go Toトラベルの半値適用価格よりも、今の定価のほうがなお安い
――現在、旅行業界はどのような状況なのでしょうか?
「以前は日本の旅行業界はインバウンドでおおいに潤っていましたが、ご存じの通りそれがコロナ禍で完全にストップしてしまいましたよね。そのため国内のホテル業界や航空業界は国内需要に頼るしかない状況となり、しかしこの状況で当然お客さんは少ないですから、価格を下げるしかない。というわけで、全体的に低価格化が進んでいます。
例えば、昨年の『Go Toトラベル』キャンペーンでは、ホテル代が35%割引で、併せて配布された『地域共通クーポン』を含めて正規料金の半額程度で宿泊可能でしたが、現在はそもそもの元の価格がそれよりも安くなっています。4月に3回目の緊急事態宣言が発令されたときは、『Go Toトラベル』時と同程度になるくらいの値下げ率だったのですが、5月末に宣言が延長されたことで、さらに価格が落ちています。この流れは、特に東京のホテルで顕著ですね」
――では、東京以外の観光地でも同じような傾向はあるのでしょうか?
「東京以外だと、箱根周辺や京都も安くなっている印象です。沖縄も一時期価格低下傾向にあったのですが、沖縄観光が本格化する夏に向けて、値段は回復してきているようです。東京の場合は1泊10万円前後もするような超高級ホテルの割引が目立っていて、京都の場合は大浴場付きで1泊1〜2万円程度のホテルが半額程度で泊まれるようになっているケースがよく見られます」
東京・六本木に位置する、いわずと知れたラグジュアリーホテル、ザ・リッツ・カールトン東京。5つ星の高級ホテルにお得に泊まるなら、コロナ禍の今がチャンスだ。(画像は同ホテル公式サイトより)
■リッツ・カールトン、アマンがディスカウント、ハイアットリージェンシーは1万円切りも
――では、今お得に宿泊できる東京の高級ホテルをいくつか教えてください。
「『ザ・リッツ・カールトン東京』(東京都港区赤坂)は通常1泊2名6万円以上でしたが、現在は、朝食のほかにホテル内で使える1万円の食事券が付いて1泊2名4.6万円前後で泊まれます。『アマン東京』(東京都千代田区大手町)は通常であれば1泊2名で12万円以上でしたが、現在は7万円台から泊まれるプランも。また、『ハイアットリージェンシー東京』(東京都新宿区西新宿)は1泊2名で1万円を切っています。
いずれも『一休.com』や『楽天トラベル』といった予約サイトで出ているプランで、サイトの会員ランクによってはポイントが10倍になったりと、かなりお得。また、『ウェスティンホテル東京』(東京都港区三田)や『シェラトン・グランデ・トーキョーベイ』(千葉県浦安市舞浜)などマリオット系列のホテルは、『SPGアメックス』というクレジットカードの入会や利用額に応じて最大7万5000ポイント還元というキャンペーンを6月30日まで行っているので、ポイントを使って持ち出しゼロで宿泊することも可能ですね」
――それ以外に、安さで注目しているホテルはありますか?
「池袋の『ホテルメトロポリタン』(東京都豊島区西池袋)と『サンシャインシティプリンスホテル』(東京都豊島区東池袋)ですね。池袋駅をはさんで真反対に位置するこの2つのホテルはお客の取り合い状態になっているようで、『メトロ』が1泊2名で4500円から、『プリンス』が1泊2名で4300円からという激安価格。ただ、『プリンス』は7月18日までの初夏キャンペーンで1名につきホテルで使える1000円分のチケットがつくので、今のところは『プリンス』が一歩優勢というところです。
サンシャインシティプリンスホテルは、池袋の「複合都市サンシャインシティ」内に位置する38階建ての高層ホテル。「IKEPRI 25」は国内外のアニメやマンガなどのサブカルチャーファンに向けたコンセプトフロアで、2019年に登場した。(画像は同ホテル公式サイトより)
また、6月にオープンしたばかりの『ザ ロイヤルパーク キャンバス 京都二条』(京都市中京区西ノ京職司町)は、大浴場やラウンジ、ジムも利用できて、なんと1泊1名1200円から。この『ロイヤルパーク』は、1カ月6.6万円という超お得プランを出して旅行好きの間で話題になっていたのですが、発売直後に即完売。9月にも、2名で2週間宿泊して3.8万円から、さらに3800ポイントのポイントバックというプランを『楽天トラベル』などで出しているようです。
ちなみに変わり種でいえば、福岡の『クインテッサホテル福岡天神
Comic & Books』(福岡市中央区天神)がおすすめ。このホテルは7000冊あるマンガライブラリーが読み放題で、1泊3000円前後。予約サイトなどで発行されるクーポン使うと2000円代になることもあります。マンガ喫茶とそこまで変わらない値段でホテルに宿泊し、マンガを思う存分楽しめるわけです」
天神駅から徒歩2分の、クインテッサホテル福岡天神
Comic & Books。ホテル内”MANGA Library”では7000冊のマンガが読み放題で、ラインナップは3か月に一度のペースで入れ替えているそう。宿泊者はもちろん無料で利用できる。(画像は同ホテル公式サイトより)
画像のように、ホテルの公式サイトでは「公式サイトからの予約が最安値」などと謳われていることも多い。しかし、楽天トラベルなどの予約サイトでクーポンやポイント還元を駆使すれば、実質的には公式サイトよりも安く泊まれることが多いようだ。(画像はプリンスホテル公式サイトより)
■公式で「最安値保証」とあっても、予約サイト経由のほうが安いケースが多い
――最近はホテルの公式サイトで「公式サイトから予約すれば最安値保証!」などと謳われていることも多いですが、それでもやはり予約サイトを使ったほうがお得なのでしょうか?
「確かにそういう場合、純粋な宿泊値段だけを見れば公式サイトからのほうが最安値なのですが、楽天トラベルやヤフートラベルなどの予約サイトにはクーポンやセール、ポイント還元などがあるので、それらを使えばやはり、実質的には公式サイトよりも安く泊まれることのほうが多いようです。ただ、公式サイトも各種予約サイトに負けないようにと、朝食やドリンクのプレゼントなど、特典を充実させるところも増えていますね」
――6月21日以降、地域によっては緊急事態宣言が解除となるケースも出てくると思われますが、今後もリーズナブルにホテルに宿泊するためには、どうすればよいのでしょうか?
「ここ数カ月は、緊急事態宣言が発令されたり延長されたりするたびにホテル全体の宿泊価格が下がっていたので、宣言解除となった場合は、やはり少しずつ本来の価格に戻すホテルが増えていくのではないでしょうか。すでに東京や大阪では、6月21日以降は価格を上げているホテルも出てきています。
なるべくお得に宿泊したいという場合は、複数ある予約サイトの会員ランクによる特典の違いや、セールやクーポン情報をチェックして、どのタイミングでどのサイトから予約するのが一番お得なのか見比べることがポイントです」
コロナ終息の鍵を握るのはワクチンと治療薬ともいわれているが、一方で感染力の強い変異種によってより強力な措置を取る必要ありとの見方もある。そんな厳しい状況のなか、生き残りをかけてさまざまな取り組みを行なっているホテル業界だが、低価格傾向はいつまで続くのだろうか。
(文=田口るい)
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