暴落した「ビットコイン」と「ゴールド」の微妙な関係　富を拡大するインテリジェンス2.0
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/289796
2021/05/29　日刊ゲンダイ


ビットコイン価格はどう動く？（Ｃ）日刊ゲンダイ

　暗号資産のビットコインも米電気自動車メーカーのテスラ社株も、現在のバブル相場の先行指標ともいわれています。

　米国でロビンフッダーと呼ばれるバブル的な買い方をする個人投資家たちが、テスラのイーロン・マスクＣＥＯの言動で売買してバブルをつくり出しています。

　先日、このバブルの先行指標ともいわれるビットコインが暴落しました。

　イーロン・マスクが「ビットコインが環境に悪いからテスラ車購入にビットコインの使用を停止した」という発言がビットコイン暴落のトリガーを引きました。

　ビットコインは、マイニングに先進国１カ国が使用する電力に匹敵するほどの大量の電力を使うのが問題であることは以前から分かっていたことです。

　そもそも電気自動車が排ガスを出さないので環境に良いという主張も、発電所が火力発電や原子力発電であり、送電ロスもあるので環境に良いとはいえません。

　最近、あちこちで論理破綻が酷いのですが、ビットコインにしてもテスラ社株にしても、危うさが常にあるということを意味します。

今後、価値が高まるのは…

　ビットコインの暴落ではイーロン・マスクの発言の後、中国が「仮想通貨は通貨ではないので金融機関が取り扱ってはいけない」としたことが下落に拍車をかけました。

　ビットコインが暴落したことから追従して上昇していた暗号通貨イーサリアムなども暴落しました。

　そもそもビットコインが上昇していたのは中央銀行が無制限の金融緩和（量的緩和）をすることで、通貨価値が下がっていることが理由とされていました。

　しかし、少し前まではビットコインが上昇する一方で、本来は上昇しているはずの金（ゴールド）は下落していたのです。

　金の下落の理由は、金は金利がつかないから米国金利上昇のために下げたと解説されていました。

　金利がつかないのはビットコインも同じなので、理由は後付けであることが分かります。

　今まで金の代わりにビットコインを上昇させてきた感がありますが、このビットコインが金の代替という位置付けが変わってきたように見えます。

　不安定なビットコインより、そのものが価値を持つ金（ゴールド）の方が上昇する可能性が高いので、いよいよ金の出番となりそうです。

　１０年以上前から金融資産の半分を金にしておくことをお勧めしてきました。

　今後も中国は金本位制ではないものの、金を買って世界覇権を握ろうとしている様子なので、金はかなり上昇していくと思います。

　最終的には各中央銀行が金の取り合いになる可能性が高いと判断しています。



松島修　投資助言会社社長
１９６０年東京生まれ。９４年投資助言会社エフピーネットを設立し代表取締役に就任。メルマガ「イーグルフライ」で投資アドバイス。２００８年からの金融危機前に各相場のピークを予測し「全ての投資をやめる時」と事前に警告したことで知られる。テレビ東京、日経新聞などメディア出演多数。無料メルマガ「リアルインテリジェンス」で最新情報を提供中。

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