http://www.asyura2.com/21/hasan135/msg/357.html
Tweet |
前月比マイナスで雇用情勢好転?完全失業率低下のカラクリ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/289374
2021/05/20 日刊ゲンダイ
雇用環境が大きく改善しているとはいえない(C)共同通信社
総務省が4月30日に発表した3月の労働力調査では、完全失業率は2・6%(季節調整値)と前月に比べ0・3ポイント低下した。1月(0・1ポイント)、昨年11月(0・1ポイント)に続く前月比マイナスだが、悪化する雇用情勢が好転したとみるのは早計なようだ。同時に公表された数字を追っていく。
就業者数は6649万人と前年同月比で51万人の減少と、12カ月連続で減少。就職しておらず、かつ就職活動をしている失業者である完全失業者は188万人で、前年同月比12万人増加と14カ月連続の増加だ。一方、就業しておらず、求職活動の意思のない非労働力人口は4203万人で、前年同月比5万人増加し、5カ月ぶりの増加だ。
コロナ禍の影響で雇用情勢の悪化が続いていることが、公表された数字から改めて分かる。そのなかで失業率は悪化せず0・3ポイント下がったことは、職探しをしている失業者で仕事に就く人が増えてきたということだ。
しかし、新型コロナ関連の経営破綻は増え続け、2月122件、3月139件、4月154件と3カ月連続で月間最多件数を更新、5月も高水準で推移し昨年2月からの累計で1472件となっている(5月17日現在、東京商工リサーチ調べ)。同社の友田信男情報本部長が失業率の低下をこう分析する。
「コロナの影響の長期化で、就職するあてのなかった人たちが、いよいよ生活を維持するために条件にかかわらず働き始めた結果でしょう。しかし、就職先は情報通信や金融、不動産など業種は限定されています。また、インターネットやリモートワークの普及で、フリーランス形態や好きな時間に働けるギグワーカーが増えたことも影響していると考えられます」
失業率の低下は一部の業種に限られることや、新たなビジネスとして注目されているギグワーカーは収入の保証や社会保障が不整備なこと。また、失職者がフリーランス形態で1日でも働けば統計上就業者にカウントされるなど、雇用環境は決して喜べるほど改善してはいないということだ。
さらに、仕事を持ちながら仕事をせず給与をもらっている休業者は220万人(21年3月)という数字がある。第一生命経済研究所の星野卓也主任エコノミストが言う。
「昨年4月(597万人)からは大きく減少しています。しかし現行の失業率の数字には影響しないものの、休業者が高年齢者に多いことから職場復帰できない失業予備軍が増える可能性がある」
さらに、今後の失業率についてこう懸念を示す。
「雇用調整助成金をはじめとした政府の政策が企業を支え、失業率の上昇を抑えています。しかしコロナが長期化、また経済の回復期に入れば企業を支えてきた資金繰り政策はなくなります。今度は融資を受けた資金の返済が待ち受け、今後、経営が苦しくなる企業が増えることが心配です」
失業率が下がったからと喜ぶわけにはいかない。
(ジャーナリスト・木野活明)
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民135掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民135掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。