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銅の価格が史上最高値更新 「脱炭素」政策との深き関係
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/289047
2021/05/13 日刊ゲンダイ
EV普及も追い風(C)ロイター
自動車や家電をはじめ幅広い製造業に使われ、主要工業用金属となっている「銅」。その需要や価格は景気の動向を映し出す鏡ともいわれ、「ドクター・カッパー」の異名を取る。
そんな銅の価格がここにきて急上昇している。指標となるロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物価格は4月29日(日本時間)に1トン1万ドルの大台を突破。先週末7日には終値で前日比3%超高となる1万400ドル台に乗せ、2011年2月に記録した史上最高値1万190ドルを約10年ぶりに更新した。
年初来からは30%強の値上がりで、新型コロナウイルスの感染急拡大を受けて一時4300ドルまで下落した20年3月の直近底値と比べると2倍を超える上昇となる。
銅価格高騰の背景にあるのは、言うまでもなく世界経済の回復に伴う需要増への期待だ。強力な都市封鎖が奏功して昨年半ばには中国の製造業がいち早く活動を再開。大規模な財政拡張策や金融緩和効果にワクチン接種の普及も加わり、米英などの経済指標が軒並み好転した。
もう一つ追い風になっているとされるのが「先進国をはじめとした各国の脱炭素政策への傾斜の流れ」(非鉄金属業界筋)だ。大量に銅を使うとされる電気自動車(EV)向けなどに「今後も需要が膨らむのでは」との観測が高まり、銅価を押し上げているというわけだ。
実際、太陽光パネルに使う銀やプラチナ、電池材料となるニッケルといった金属の価格もこのところ上昇傾向が顕著。さらにバイオエタノールへの需要増期待から、とうもろこしなど農林産物の価格も上昇しており、「脱炭素」は国際商品相場の動向を占う上での大きなテーマになりつつある。商社関係者の一人は「EVの普及が加速していけば銅価は遠からず1万500ドルにまで上がる」と言い切って憚らない。
もっとも価格高騰には大規模金融緩和で膨らんだ投機マネーの流入が影響している側面も少なくない。原材料価格の上昇というコスト高を受けて企業が製品価格への転嫁に乗り出せば、耐久消費財などの値上げにもつながる。消費者心理としては複雑だ。
重道武司 経済ジャーナリスト
1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。
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