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居酒屋の仕入れ減で打撃 “千住の魚河岸”足立市場の苦境
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/287776
2021/04/16 日刊ゲンダイ
足立市場は千住大橋からほど近い(C)日刊ゲンダイ
「ここで何十年も商売しているところが多いですが、こんな事態は初めてですよ。店(仲卸)によって違いますが、昨年1年間の売り上げは、前年比で半分から3分の2程度まで落ちているところがほとんどだと思います。出しても売れないので、どこも売り上げが減っている分、仕入れを減らしていますね。だから、漁師さんへの打撃もかなり大きいと思います」
こう話すのは、東京の卸売市場の1つで“千住の魚河岸”と言われる、都内で唯一水産物を専門に取り扱う東京都中央卸売市場足立市場の関係者だ。
2度目の緊急事態宣言が解除された後、人の移動や新型コロナウイルス変異株の拡大で、新規感染者数が増加。まん延防止等重点措置の適用で、飲食店は再び時短営業を強いられ、状況は振り出しに戻った。
しかし、苦境に立たされているのは飲食店だけではない。食材を居酒屋などの飲食店に供給している生産者や卸売業者も同様だという。
◇ ◇ ◇
足立市場は、京成本線・千住大橋駅から徒歩3分ほどのところにある。駅から隅田川方面に歩いて千住大橋が見えてくると、左手に姿を表す。都心から30〜40分ほどでアクセスは悪くない。一般の人が市場内に入る機会は極めて少ないが、足立市場は仕入れをする小売店や飲食店のほか、一般客も仲卸売場で購入できるため、敷居の高さを感じない。
市場といえば、2018年に築地から移転した豊洲が有名だが、都内には豊洲を含め、食肉(品川)、大田、豊島、淀橋、足立、板橋、世田谷、北足立、多摩ニュータウン、葛西と11の市場がある。
一般客で賑わう土曜日。狙い目は平日(C)日刊ゲンダイ
飲食店のように協力金はもらえない
野菜や果物の青果のほか、マグロなどの水産物を専門とするところ、青果と花きの両方を扱っているところなど、取り扱い品目は市場によって異なる。国内外から届く肉や魚、青果、花きは市場でセリにかけられ、商品を仕入れた仲卸業者から小売業者や飲食店が購入。市場を通して、消費者のもとに日々さまざまな形で届けられている。
「コロナによる影響はここのような水産物だけでなく、肉や青果などを取り扱っている市場も同じような状況ではないでしょうか」(前出・足立市場関係者)
水産物専門の足立市場では、マグロ類が約8%、鮮魚が約30%、干物や明太子などの冷凍品や塩干加工品が残り約62%という取り扱い構成になっている。
2019年は1日あたり5600万円ほどの取り扱い額があったが、コロナ禍で2020年は3400万円ほどと4割減。飲食店が頼りにするプロが目利きした上質な鮮魚を取り揃えているが、当然、コロナ以前のような賑わいにはほど遠い。
足立市場の仲卸売場で鮮魚や貝類を取り扱う兼長の専務取締役、篠田浩治さんに話を聞いた。
「緊急事態宣言が解除されて、飲食店の営業時間が9時まで延長された途端に、お客さんが戻ってきましたが、また振り出しに戻ったので、売り上げはコロナ以前の少なくても30%減という感じです。仕入れも7割程度まで減らしてます。パーテーションなどに補助金が出る程度で、飲食店と違って(営業時間短縮に係る感染拡大防止)協力金は出ません。うちは従業員が8人いますが、給料の減額やこれまでの蓄えでなんとかしのいでいます」
緊急事態宣言に伴う外出自粛の影響を受けた法人は、一時支援金などの制度を受けられるが、売り上げが前年もしくは前々年比で50%以上の減少という該当条件に当てはまると、倒産してしまうところがほとんだという。そのため、融資で事業を継続しているところも少なくない。
敷地内にある食堂では市場飯が楽しめる(C)日刊ゲンダイ
新鮮なものが安価に買える
仲卸売場は、セリが終わり、商品の管理や陳列が終わる早朝の5時30分ごろから営業がスタートし、ピークは7〜9時ごろ。11時ごろまで営業している店もある。9時台で店じまいをしているところが多いが、その時間帯に営業を続けている店でも、マグロや金目鯛、ズワイガニ、カレイ、アジ、サバ、イカ、カキなど新鮮な魚介のほか、辛子明太子やウニなども豊富だった。
店や商品によっては一定量の購入が必要な場合もあるが、一般客でも買い求めやすい切り身や、魚をさばいて柵にした商品を揃えている店もある。なにより、産地から直送された新鮮な魚が市価よりも安く購入できる。再び巣ごもりが強いられている状況だが、家飲みにピッタリな魚が買うのに迷うほど、たくさん売られている。
市場内の建物は外との仕切りがなく、常に空気が入れ替わっているため、安心して買い物ができる。
「一般の方にも来てもらえるように、土曜日は特売をしたり、SNSで宣伝をしたりと工夫をしています。時間にゆとりがあるときでしたら、自宅ですぐに食べたり料理できるように、貝の殻を外したり、魚をさばいてお持ち帰りいただくこともできますので、一度、足を運んでいただけるとありがたいですね」(前出・篠田さん)
市場内には、水産物以外にも青果や食肉を扱っている店もあるほか、数件ある食堂では海鮮丼や刺身定食、焼き魚定食といった“市場飯”が食べられるので、土曜日には家族連れやカップルの姿も。市場内を見て回り、食事をするだけでも十分楽しい。開場日は足立市場のホームページで確認できるが、一般客の多い土曜より平日が狙い目だ。
スーパーではなかなかお目にかかれないおいしい魚も手軽に買い求められるので、気軽に訪れてほしいと市場関係者は話す。
(取材・文=伊藤洋次/日刊ゲンダイ)
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