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株価30年ぶり2万8000円台 異常な「バブル相場」の落とし穴
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/283660
2021/01/10 日刊ゲンダイ
悪材料にも見向きせず（Ｃ）日刊ゲンダイ
大発会から５日で、あっという間の２万8000円突破である。
日経平均は８日大幅続伸し、終値が２万8139円03銭（前日比648円90銭高）となり、バブル経済期の1990年８月以来、約30年５カ月ぶりに２万8000円台となった。トランプ米大統領がツイッターでバイデン次期大統領の勝利を認め、次期政権による大規模な財政出動が実現する可能性が高まったことを好感。米経済が回復に向かうとの期待感から大幅高になったと解説されている。
実体経済を反映しないコロナ禍の株高には首をかしげるしかないが、市場はコロナ禍だからこそ、財政出動と金融緩和が継続すると見越して、イケイケドンドン。「３万円は時間の問題」「いや３万2000円だ」などという威勢のいい声まで出ている。
「ビットコインが2017年に過去最高値（当時）を付けた時に似ています。どんなにリスクが浮上しようがお構いなく、『今買わずして、いつ買う』という状態です」（ロータス投資研究所代表・中西文行氏）
米国のニューヨークダウも連日の高値。６日に米議会をトランプ支持者が一時占拠し、４人が死亡する前代未聞の事件が発生したのに、７、８日と続けて史上最高値を更新した。日本も同様で、７日緊急事態宣言が再発令されたうえ、円高も加速しているのに市場はこうした悪材料には見向きもしない。
異常なバブル相場に落とし穴はないのか。
「ワクチン接種が進むことで米経済は最悪期を脱すると期待されていますが、副作用や接種後の再感染などが問題化すると、その見通しは吹っ飛びます。また、今月20日に大統領に就任するバイデン氏が、米中貿易戦争についてトランプ時代と同様の考え方を示せばリスクになります」（中西文行氏）
金融緩和への期待が外れる恐れを指摘するのは経済評論家の斎藤満氏だ。
「バイデン氏はバックに国際金融資本がいるので、金融機関が十分利ザヤを取れる状況にするため、追加緩和ではなく、縮小に動く可能性がある。それに、FOMC（連邦公開市場委員会）の議事録を読むと、既にFRB（連邦準備制度理事会）は『資産買い入れを弾力的に考える』としています。バイデン政権の大規模な財政出動に任せ、これ以上の金融緩和は必要ないと考える可能性があり、市場の期待とのズレが出た時が怖い」
さて、３万円は現実となるのか。
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