個人的には,それは、第二次大戦後、家族が一つの屋根と塀の中で一緒に暮らす大家族主義が崩壊して、小家族や独身者が独立する流れが多数派となったためである。そして三代目には革命直接体験者はゼロになってきたからである。 政治と経済レベルは、それぞれ独立した利己的なシステムをもっているため、戦後の8節目には、指導者層は分裂し、自壊することを避けるのは難しいからである。 マルクスが資本論を書いた英国や明治の日本では、女子供の重労働は当たり前だった。そして、参政権は金持ちに限定されていた。だが、女子供の重労働は禁止され、参政権は婦人にまで拡大される。戦後の政治革新は福祉厚生制度の採用だった。三百年以上の長期政権も、40 年ごとに改革され80 年ごとに革新されたが、最後は停滞し自己崩壊するとは避けられない。 個人と企業と国家の愛国心愛社心が君主に「馬前で死す」と忠誠を誓ったサムライと同じように、君主の身代わりとなる思考と行動が労使の御用化により機能不全となったからである。 戦後の政治革新は福祉厚生制度が企業の福利厚生・終身雇用・年功序列・企業独自の専門学校制賃金体系などであり,追いつき,追い越せをスローガンに経済成長し飛躍してきた。しかし御用化により福祉厚生制度がなくなり,派遣化が進み,労使による共同経営などの目標地点が無くなり既得権益を失いたくないからである。 こうして資本主義制度の存続に成功してきた。だが、ライバルの社会主義国家が自壊すると改革を停滞させてしまうのです。 しかも一党独裁下の国家・企業・個人が、利己的に防衛思考し行動する法則の作用から逃れることはできない。資本主義国家でも、官僚支配するビジネスに参加するにはコネと賄賂と癒着が絶対必要である。社会主義政治体制は官僚支配なので、どんな開放政策にも認可権がつきまとう。そのため、自由経済システムそのものも腐敗堕落が避けられない。 一票を投じる国民も,それによって選ばれる政治家も,個人の運命は「偶然」にゆだねられている。だが,社会や国家のレベルでは,人間集団の運命は「必然」となる。 人間集団の歴史は,社会的ルール破壊が多数派になる時代と,ルールの厳守が多数派になる時代が交代するイミングによって,多くの運命は左右される。 2020年まではルール破壊される時代なので,靖国参拝式の復古的軍国カリスマが活躍し信用・流通の垣根が破壊され,格差が助長させてしまった。 2021年からは,ルール厳守時代である確信的平和的な時代になっている。しかしルール破壊のマジックにかかり夢見る輩が25%もいることになる。そのために交代期の背反事象で,100年ぶりのコロナワクチンや80年ごとの世界恐慌が起きている。 これを沈静化させるには,複数通貨制や新金融システムによる金本位制や医療改革や産業革命が人類を救うことになる。こうしてアダムスミスが推奨した国際分業の結末を迎える 。
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