葬儀屋は向こう数年バブル景気。

介護予備軍は接種組中高年。

後に控える接種組若年層。

ジェネレーションごとに民間介護サービス登場。

ゆえに介護ビジネスは衰退産業ではなく基幹産業。

全世界が市場。

その成り手はAIとロボット、

＆　オペレーションルームの一握りの非接種組エスタブリッシュメント。

生産性のない人々と職業は社会から合法的に退場してもらう。

家畜のように人間も間引かなければ成り立たない新自由主義。

その価値観に染まった官邸。

そういう連中に一票を投じたのは他ならぬわれわれ国民。

AIに問えば、斯様な最適解。

コロナ禍を装ったシンギュラリティが到来しているとも言える。

それに薄々気づく人なら少なくとも○種はしない。

かつて社会福祉法人の異常さ、非常識ぶりには何度も言及してきた。
第617回「福祉経営者にもライセンス制度を（2）」
第616回「福祉経営者にもライセンス制度を」
第343回「社会福祉法人の腐敗」
第342回「施設経営者の質の低さ」

これ以外にもまだまだ書いたことがあるが、余りにも長いので割愛する。

これらを読むと社会福祉法人はやりたい放題でもある程度経営できる。儲かるのではないか？不正な搾取をしているのではないかと思う人が多いかも知れない。社会福祉法人の多くが腐敗していて、不正な搾取をしているのは正しい。でも、これだけ言っておくが、社会福祉法人にしろ、営利法人にしろ、福祉は儲からない。

嘘でしょ！？安定して介護保険報酬があって、要介護老人はまだまだ増える。どうして儲からないの？と思うかも知れない。

俺もそういった思い込みに冷や水を浴びせたことが一度ある。
第345回「社福の理事長は蟻地獄」

どうせ社会福祉法人は身内ばかりで固めて、馴れ合いで緩みきっているからだろ。ちゃんと民間企業のシビアさで経営すれば、健全なビジネスになるに違いないという考えで多くの民間会社が経営に参加してきた。その中には特養や老健も営利法人に任せるべきだと主張した人もいる。でも、そんな舐めきった算用をしてきた民間会社はたちまち消えていった。俺は営利法人に施設サービスをやらせなかった厚労省や国の判断は慧眼だったと賞賛したい。なぜなら、ろくに下調べもせず、自惚れと自我肥大だけした民間企業に施設サービスをやらせればどうなるのか？それはアミーユやワタミの介護を見れば明らかだ。他にも問題を起こしていない有料老人ホーム・グループホーム・サービス付き高齢者住宅で有名どころは存在しない。だが、社会福祉法人も同じように、経営難が起きるようになっている。

社会福祉法人は簡単に名前が変わるわけではないので目立たないが、実質的に経営者が変わってしまった法人は結構多い。それまで経営権を持っていた理事長一族が問題を起こしたり、経営能力がないため、経営交代をしている例が多いのだ。

先日朝日新聞の夕刊を読んでいると、こんな事が書いてあった。その内容を要約した物を紹介したい。
あのニチイ学館やツクイが外資に買収され、企業価値を5倍にすることを目指しているという。介護が必要な高齢者は増える一方で、介護報酬は取りっぱぐれがない。大手のスケールメリットを活かして、高収益体質を意図している。こうして外資ファンドが日本の公金で大儲けをする。問題なのは、財務省も厚生労働省も介護事業の収益構造を把握していない事である。だから、適切な介護報酬が決められない。介護報酬をデータに基づくものにする必要がある。

俺は正直これを読んで、なんて勉強不足なんだろうと思ってしまう。大丈夫か？朝日新聞。だから赤字になるんじゃないかと譴責したい。
保険者（この場合、都道府県や中核市）はもうどのぐらい介護施設が儲けがあるのか把握している。今は社会福祉法人はインターネットのHPに収支報告書をPDFで掲載しているところが多い。そうじゃない法人にしても、実地指導などで毎年会計報告を出す義務があるから隠しようがない。営利法人にしても同じ事で、IRで財務は白日の下にさらされている。会計を誤魔化す可能性はないわけではないが、殆ど無理。粉飾してもいつかはばれる。

しかし、会計知識がないとどのぐらいの売り上げがあって、利益はどのぐらいなのかが分かりにくいだろう。今回は実例で説明しよう。
例えば200人ぐらいの特養と30人ぐらいのデイ、そして包括支援センター（居宅介護支援事業所）、居宅サービス（訪問介護、訪問看護）を持っていると、年間の売り上げが12億円ぐらいだろうか。いろんな経費、職員の人件費、送迎車のメンテナンス、給食サービスの外部委託費、消耗品など引くと粗利は1億あるかないかだろう。一億あれば儲かるんじゃと思っているなら、それは早計過ぎる。一億あっても、そこから将来の施設の修繕費積み立てをしておかないといけない。前にも言ったが、入居施設は24時間フル稼働で休みなしのため、痛むのが本当に早い。他にも機械浴や介護用トイレ、パソコン、乾燥機、洗濯機、エレベーター修理など長い年月使ってくると補修や交換が必要なところが必ず出てくる。そして今の施設を作ったローンの金利と元本の支払い。そういうのを入れると、純益なんか殆ど期待できない。こんなことは、行政は全部知っている。そこから、生かさぬよう殺さぬように介護報酬を調整しているのだ。

ここから、また新しい施設を建てるなど狂気の沙汰だが、それをやっちゃうのが介護施設なのだ。だから、新しい施設を建てまくる施設は、職員が獲得できないのに、箱物だけ作るから借金が嵩む。強欲な法人になると、自分の身内を特別待遇で訳の分からない顧問職にしたり、お手盛りで勝手に報酬を増やすため、ますます金がかかる。タコが自分の足を食っているのと同じなのに。でも一番可哀想なのは、そこで働く介護職員達だ。自分達のペイが低いのは、経営者の強欲か無能さとしか言い様がないからだ。こんな状態では、利用者介護など誰も真剣にやらない。だから、腐敗が末期になるとこんな事態があり得る。

第575回「虐待事件が起こるプロセス（5）」

社会福祉法人の腐敗は、やがて虐待事件や介護報酬の詐取などメディアの注目を集める事態に発展する。そして、財政的にも運営できなくなってしまう。
外資が入っても、上手くいかないのは同じ。福祉のなんたるかも知らないまま来ても、他の撤退に追い込まれた営利法人や社会福祉法人と同じ道を歩む。社会福祉を経営するには、福祉に対する造詣と完全なコミットメントが必要になる。腰掛け程度の外資では迷惑なだけだ。