中国新聞デジタルによると、市民の声として、〇「余るなら高齢者以外にも打ってほしい」 〇遠くの集団接種会場より、近所のかかりつけ医を選ぶ高齢者は少なくない。 〇「送迎する家族も大きな会場で一緒に打ってくれたらいいのに」 〇「日々、緊張しながら訪問介護をしている。空きがあるなら私たちに接種を」と望む。 --- 「かかりつけ医が安心」“大規模接種”ガラガラ・・・(2021年6月12日) - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=Hcm7zpObZlg 大規模接種、なぜガラガラ 予約・移動…80代会場遠く 【こちら編集局です】 | 中国新聞デジタル https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=762873&comment_sub_id=0&category_id=1060
広島市が12日に開設する2カ所の予約も低調だ。「なぜ?」「余るなら高齢者以外にも打ってほしい」。編集局には疑問や不満の声が相次ぐ。どうすればいいのだろう。 平日の昼前、広島市西区のクリニックでは、80代の男女6人が午前の診療が終わるのを待ち構えていた。近所の男性は「気心の知れた先生だし、カルテもある。集団接種で初対面の人に打ってもらうより安心」。初回の接種を終え、ほっとした表情を見せた。 遠くの集団接種会場より、近所のかかりつけ医を選ぶ高齢者は少なくない。85歳の佐伯区の男性もその一人。運転免許証を返上し、移動が難しいという。予約の電話は混み合うし、ウェブ予約はハードルが高い。「集団接種は私たち高齢者には何かとそぐわんです」と打ち明ける。 ■「もったいない」 「もったいない」との声も上がる。「送迎する家族も大きな会場で一緒に打ってくれたらいいのに」とは、福山市の50代の会社員女性。広島市の介護士女性は「日々、緊張しながら訪問介護をしている。空きがあるなら私たちに接種を」と望む。 大規模接種の多くは、対象を高齢者に絞っている。今はまだ、高齢者にしか接種券を配れていない自治体が多いからだ。一方、政府は21日に始まる大学・職場での接種は「接種券がなくてもいい」としている。自治体でも同じ対応ができないのだろうか。 「まず無理。混乱が生じる」。広島県内の市町の職員は声をそろえる。接種券には個人の番号が振ってある。いつ、どこで、どのワクチンを打ったのか、システムで管理するためだ。不特定多数の人が集う場で記録があいまいになれば、ワクチンの種類を間違えたり、2度でいいのに3度打ったりしかねない。また接種券を貼った書類がないと、自治体は国に費用を請求できない。 ならば接種券の配布を早く、幅広くできないのか。実践する自治体もある。広島市と同じ政令市の福岡市は4月、65歳以上に一斉に送った。大規模接種は開始日からほぼ毎日、予約で埋まっているという。「個別接種も人気だが、一人で動ける元気な高齢者は集団に流れている」と担当者。 県が福山市に設けた会場でも、劇的な変化が起きた。市民の対象が80歳以上に限られていた開設初日の7日、接種した高齢者は88人。急きょ対象にした高齢者施設の職員や保育士を入れても238人と、定員1800人の13%にとどまった。ところが65〜79歳も受け付け始めた10日、予約が殺到。直近の13日は1800人分が高齢者だけで埋まった。 ■急加速に戸惑い ワクチン接種は当初、重症化リスクの高い人から順番に進める方向だった。しかし、ワクチン確保の見通しが立ち、国は接種のスピードアップにかじを切って大規模会場の設置を促す。急なアクセルに市町は戸惑いを隠せない。「計画の前倒しは膨大な作業を伴い、限界がある」との嘆きも聞こえてくる。 だが大規模会場を設けるからには、ガラガラでは貴重な医療人材の無駄遣いになる。広島市医師会の堂面政俊常任理事は「対象者を広げれば予約は増えるはず。年齢に関係なく打てる体制を整えてほしい」と提言する。(田中美千子、衣川圭)
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