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(回答先: 「子どもたちがより複雑な生き物になることを支援するのが教育の目的だ」 投稿者 中川隆 日時 2021 年 10 月 01 日 17:23:45)
旭川のイジメ加害者だと思われている少年・少女もこれからまともに生きれば「旧悪が露見する」事はなくなる。
旧悪は露見するか?
五輪開会式にかかわったクリエーターの二人が、民族差別といじめについての「過去の言動」を掘り返されて職を解かれた。こんなふうに簡単に昔のことを掘り出して炎上させることができる時代になると、誰でもがプライバシーを侵害されるリスクがある。
僕の行ってきたイジメや名誉棄損的な発言を批判したいなら、僕の過去のコメントのうちから何であれ「名誉棄損的」な発言を取り出して、批判することは理論的には可能である。ただその場合に、その人はとりあえず手に入る限りの僕のコメントを通読し、かつ過去十年分のコメントすべてを読まなければならない。
たぶんすべてを探せば「名誉棄損的な発言と解釈できなくもない」コメントは見つかるとは思う。だが、私のコメントからそれを探しだすのは「干し草の山から針を探す」作業に近い。おそらく数週間にわたり、朝から晩まで私のコメントを読み続ける(場合によって、その挙句「何も見つからなかった」ということもあり得る)という地獄のようなタスクをこなさなければならない。
どれほどの苦役であろう。
だから、「ネットで検索すれば簡単に旧悪がばれる」という考えそのものに僕は同意しない。「ネットで検索すれば簡単に旧悪がばれる」人がいたとしたら、それはその人にとって「旧悪」ではなく、頻繁に更新され、上書きされてきた「新悪」だからである。今もなお「いかにもそういうことを言いそうな人間」だから、過去のテクストをサルベージしたら「すぐ」にお目当てのものが出てくるのである。
二十年前に「言わない方がいいこと」を言ってしまい、それを消去する手立てがないという場合には、それから後「そういうことを言いそうもない人」たるべく自己陶冶するはずである。
ジャン・バルジャンだって、別に「旧悪が露見した」わけではない。起業して成功し、人望篤い市長になっていたのである。彼の旧悪が明らかになったのは彼が無実の罪を着せられた人を救おうとしたためである。ふつう、心を入れ替えて「よい人」になろうと思って日々努力している人の身には「旧悪が露見する」ということは起こらない。もしかしたら、こいつ「ろくでもないやつ」じゃないのか・・・という疑惑を周囲に抱かせるからこそ「旧悪」を調べるようという気になるのである。
だから「ネット時代になれば、誰でも過去の失言を咎められるリスクがある」というのは事実ではない。仮に過去に恥ずべき失言をなしたことがあったとしても、その後反省して、「そういうことを言いそうもない人」なるべく努力を重ねていれば、その人について「恥ずべき過去があるに違いない。いくら時間がかかっても構わない。徹底的に調べてやろう」という人は出てこない。
ネットというテクノロジーを駆使するのは生身の人間である。生身の人間においてある人物の「旧悪」を探す意欲がむらむらと湧き上がることがなければ、仮に恥ずべき過去があったとしても、それはいずれ忘れられる。それでいいと思う。
旭川のイジメ加害者だと思われている少年・少女に関しても全く同じである。
イジメが事実だったのか、単に被害者の覚醒剤障害による被害妄想だったのかは今となってはもう判断できない。
そもそも被害者が自殺したのはイジメ事件の2年も後なのだから、因果関係すら疑わしい。
少なくともイジメ加害者だと思われている少年・少女がこれからまともに生きれば「旧悪が露見する」事はなくなる。
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