http://www.asyura2.com/21/ban10/msg/668.html
Tweet |
(回答先: 政府や保守・右翼が救済しようとしている弱者と言うのは中小企業や零細経営者の事で、 投稿者 中川隆 日時 2022 年 10 月 25 日 07:55:05)
橋洋一は相場の事が全くわかっていない
サマーズ氏: 為替介入でドル円が急落したらドル円は買い場 2022年9月24日
9月22日、日本の財務省と日銀は為替介入を行なった。取り上げる価値もないニュースであるため特にここで記事を書くこともなかったが、アメリカの元財務長官で経済学者のラリー・サマーズ氏がBloombergで面白いことを言っているのでそちらは取り上げたい。
ドル円上昇と為替介入
ドル円は長らく上昇している。それは円に対してだけでなく、ドルは様々な通貨に対して広範囲に上昇している。今年ドルよりも上昇しているのはロシアのルーブルくらいではないだろうか。日本政府も参加している制裁のおかげである。
ロシア、西側の制裁でルーブルが上がりすぎて困り始める
しかしドルは特に円に対して上昇している。その理由は1つにはアメリカがインフレ抑制のために金融引き締めを行なっている一方で、日本が物価上昇にもかかわらず未だに紙幣印刷を行なっているからだろう。
奔放な金融緩和と現金給付の結果、アメリカ経済と米国株は窮地に陥っているのに、嬉々として同じ道のりを後から進もうというのだから日本人の先見性は流石である。
さて、背景はともかくとしてドル円は上昇している。そこで財務省・日銀は為替介入を行なったわけだ。
為替介入は22日17時頃、ドル円が146円に近づいた辺りで行われ、ドル円を140円65銭まで一気に押し下げた。
為替介入は効くのか?
日銀の自業自得で上がり続けるドル円に対して為替介入は効くのだろうか? それともドル円の下落は短命に終わり、ドル円は元の上昇トレンドに次第に戻ってゆくのだろうか?
この議題について意見を聞くならば、アメリカの財務長官として為替介入の責任者を務めた経験のあるサマーズ氏に尋ねるのは当然だろう。
サマーズ氏はどう考えているか? 彼は次のように述べている。
日本の為替介入のような場合、つまり為替介入が金融政策の方向に反するものである場合、それが為替レートの道筋を本当の意味で変える可能性と同時に、投機家に絶好の機会を与える可能性も考えるべきだろう。
皮肉な言い方だが、要するにファンダメンタルズに反して意図的に安くされたドル円は短期トレーダーにとって買い場になるくらいの意味しかないということである。
為替介入は何故効かないのか?
為替介入は何故効かないのか。まず第一には、為替介入がそもそも日銀が自分で行なっている緩和政策の道筋に反するからである。
日銀は毎月莫大な量の円を刷っている。刷られた円はあらゆる場所に流入し、一部は当然ながら為替市場にも流れてゆく。刷られた円がドルやユーロと交換されることで円が下落する。
日本政府は自分で円を下落(ドル円を上昇)させているにもかかわらず、一時的にドル円を反対の向きに進めようとしたところで、量的緩和による円安トレンドの方が大きい以上、意味のないことである。そもそも日本政府はドル円をどちらに進めたいのか。彼らのやっていることは支離滅裂である。
第二に、日本政府は円をいくらでも下落させることは出来るが、円を自由に上昇させることは出来ない。何故ならば、為替介入とはドルなどの外貨を売って円を買う行為であり、要するに介入には外貨が必要なのである。しかし日銀は円は刷れてもドルは刷れない。
ちなみに現在の食糧危機などのインフレの原因は、中央銀行が食料は刷れないのに紙幣ばかり刷りまくった結果である。
EU、食料価格高騰の最中、代替食品としてトノサマバッタを推奨
ドイツの政治家、カーボンニュートラルのために風呂に入らないことを推奨
インフレは人災であり、各国政府は自分で引き起こした人災の後始末を行なっている。
サマーズ氏は日本政府による為替介入の直前に以下のように述べていた。
サマーズ氏、ドル円上昇で日銀の為替介入が効くかどうかを語る
為替市場は当局が利用できる資金量に比較してもあまりに巨大で、現代において為替介入が円の価値を維持するために継続的で大きな効果を発揮できるとすれば驚きだ。
では日本政府はどれだけの資金量を持っているのか。それは外貨準備と呼ばれ、その量は196兆円である。
これが日本政府の弾薬なのだが、円相場の1日の取引量は50兆円程度と言われるため、要するに弾薬は4日分ほどしかなく、外貨準備を使い切ればヘッジファンドにとってはその国の通貨は絶好の空売り対象となるため、使い切ることも出来ない。
要するに、日本政府に大した弾薬はない。だから意味のないことだと筆者は言っているのである。ドル円は既に為替介入による急落分の半分程度を取り戻している。筆者も安いところで少し買った。美味しい短期トレードである。
結論
日本の財務相である鈴木俊一氏は今月6日に次のように述べていた。
為替相場はファンダメンタルズに沿って安定的に推移することが重要。
だが彼が行なった為替介入によって皮肉にもドル円のチャートは日銀の紙幣印刷というファンダメンタルズに反した急降下となった。
しかし為替介入にはそれでもやらなければならない理由があったのだろう。インフレで物価が上がり、国民は生活に困窮しているから、日本政府は短期トレーダーへの給付金で経済を活性化しようとしたのである。親切なことである。
ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/28554
- 紙幣をばら撒けばインフレになるという単純な事実が多くの人々には難しすぎて理解できない 中川隆 2022/10/26 09:40:33
(2)
- 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる 中川隆 2022/11/09 07:31:23
(1)
- ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない 中川隆 2022/12/15 08:54:18
(0)
- ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない 中川隆 2022/12/15 08:54:18
(0)
- 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる 中川隆 2022/11/09 07:31:23
(1)
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。