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【ウィーン福井聡】セルビア・モンテネグロのジンジッチ・セルビア共和国首相暗殺事件で、共和国政府は13日、大掛かりな犯罪組織「ゼムン(地名)・ギャング」メンバー8人を含む計56人を事件関与の容疑で逮捕したと発表した。同組織は旧ミロシェビッチ政権の元秘密警察幹部ら約200人で作るセルビア最大の犯罪組織。政府は「ゼムン・ギャング」メンバーが過去数年に50件以上の凶悪事件に関与していたことも明らかにしており、旧ミロシェビッチ時代につながる「セルビア社会の暗部」が浮き彫りになる可能性が出てきた。
発表によると、逮捕された56人は、12日の首相暗殺と2月21日に首相を乗せた車がトラックに衝突されそうになった暗殺未遂事件に関与した証拠があるという。12日の暗殺実行犯はいずれも青の作業服を着た3人で、2人が旧ユーゴ軍製ライフル、1人がピストルを所持し、政府庁舎向かいのビル2階、約200メートル離れた位置から狙撃したとみられ、現在も逃走中という。
政府は、同組織が今回の首相暗殺のほかに(1)00年のスタンボリッチ元セルビア共和国幹部会議長誘拐殺人事件(2)00年のドラシュコビッチ・セルビア再生運動党首暗殺未遂事件(3)ベオグラードなどで過去数年に50件以上の殺人事件ーーなどに関与し、12日の首相暗殺直前に逮捕状が出る予定だったとしている。同組織のボス格のルコビッチ元司令官は先月、メディアを通じ「首相は非愛国的だ。命の残りの日数は限られている」と脅していた。
ジンジッチ氏は00年秋のミロシェビッチ元ユーゴスラビア連邦大統領追放の際に同組織の協力を得たが、01年2月の首相就任後は犯罪組織弾圧を進めたほか、元大統領らの国連旧ユーゴ戦犯法廷への引き渡しを主導し、同組織の反感を受けていたとみられる。セルビア国内では今回の暗殺事件の動機を「民族主義者とマフィアと旧政権の複合体」とする声が強い。
[毎日新聞3月14日] ( 2003-03-14-16:03 )