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政府は13日、北朝鮮の弾道ミサイル「ノドン」が日本に向けて発射された場合の対策について総合的な検討に入った。
具体的には、〈1〉当面は、今夏に配備を開始する地対空誘導弾パトリオット・ミサイル(PAC2改良型)で、日本領空内での迎撃を目指す〈2〉首相が自衛隊に防衛出動を命令する前でも迎撃できるように、自衛隊法を改正し、対領空侵犯措置にミサイル防衛の規定などを加える――ことが柱となる。さらに、ミサイルが日本領土内に着弾した場合は、一発目から災害派遣でなく、防衛出動で対応する方針だ。
弾道ミサイルの迎撃をめぐっては、米国が、ミサイル防衛(MD)システムの一環として最新鋭のミサイル迎撃システム「PAC3」を開発中で、2004年からアラスカ州などへの実戦配備を計画している。
政府も2005年度以降にPAC3を導入する方向で検討しているが、北朝鮮情勢の緊迫化でミサイル発射の可能性が高まったと判断。首相官邸、防衛庁、外務省の幹部らの13日までの非公式協議で、既存の防衛力の装備でのミサイル迎撃態勢の整備に最優先で取り組むことにした。
航空自衛隊が現在保有しているPAC2は、射程600キロ程度の弾道ミサイルにしか対応できない。しかし、今年7月から2007年度にかけて27基配備する計画のPAC2改良型は、射程約1000キロの弾道ミサイルに対処できるとされる。このため、政府関係者は「射程1300キロのノドン・ミサイルの場合、地上近くでの迎撃は可能」と見ている。
さらに、弾道ミサイル迎撃を迅速化するための法整備にも取り組む。
現行の自衛隊法は、首相が防衛出動を命じない限り、飛来するミサイルを迎撃できない。対領空侵犯措置に関する84条が、「外国の航空機」だけを対象に「着陸」または「日本上空から退去させるため必要な措置を講じる」としているためだ。このため、84条へのミサイル防衛の規定の追加や、76条の防衛出動の要件の一部緩和などを検討する。
相手国の攻撃の意図が明確でないまま、日本領土内にミサイルが着弾した場合の初動態勢については、政府は自衛隊を「災害派遣」名目で出動させることを検討していた。しかし、災害派遣による対応では不十分と見て、防衛出動で対応する方向で再検討する。また、防衛出動決定までの時間を短縮するため、ミサイル着弾時の対応を事前に安全保障会議と閣議で決定しておくことを検討する。
◆パトリオット・ミサイル 米陸軍が開発した地対空誘導弾。日本は1985年に導入を開始し、現在、航空自衛隊の全24高射隊などに27基を配備している。今夏から配備するPAC2改良型の次世代型で、米国のミサイル防衛(MD)構想の一翼を担うPAC3の導入も検討している。
(2003/3/14/03:00 読売新聞 無断転載禁止)