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田舎からぽっと出てきてアメリカあたりサ、留学すると、
とんでもない幻想やら錯覚を抱え込んで帰って来るという
文化的貧困の見本です。↓
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日経 IT Pro 「米国最新IT事情」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/ITPro/USIT/20030309/1/
[2003/03/10]
開戦間近――民主主義が育んだハイテクが,民主主義国家を迷走させる皮肉
開戦まで秒読みに入った。英国も参戦するだろうが,事実上は米国対イラクの戦争である。査察団の報告や国連決議がどう転ぼうとお構いなし。最初から,やることに決めていたのは誰の目にも明らかである。
米国がなぜ,ここまで強引な姿勢を押し通せるかというと,それはひとえに抜きん出た軍事力のためだ。ペンタゴン(米国防省)の高官たちは,「どうせ多国籍軍は米軍の足手まといにしかならない」と陰口をたたいている。純粋に軍事力だけを考えると,米国にはどの国の助けもいらないのだ。今回の対イラク戦争も事実上は「戦争」というより,単なる「攻撃」と呼ぶのが相応しいだろう。これほど両国の軍事力に差がある以上,まともな戦いになるはずがない。
ハイテク兵器が米国の圧倒的な軍事力を支える
米軍はベトナム戦争での敗退を最後に,その後はほとんど負け知らずである。特に1991年の湾岸戦争以降は,ハイチ,ボスニア,コソボ,そして一昨年のアフガニスタンまで,あらゆる局地紛争を圧倒的な武力で短期間に制圧している(旧ユーゴ紛争はNATO軍の空爆によって鎮圧されたが,主力は米軍である)。
米軍は戦うたびに強さを増している感があるが,実は,軍隊の規模は年々縮小している。第二次世界大戦当時,米軍兵士の数は約1200万人に達したが,今では140万人。あまりに少なくなってしまったので,最近は「徴兵制を復活させろ」という声も,一部議員から出ているが,今のところ実現する気配はない。単に軍隊の規模だけを比較するなら,北朝鮮(120万人)と大差ない。
また主力兵器も軒並み老朽化している。たとえば空母の平均使用年数は37年,爆撃機や輸送機では22年に達しているという。確かベトナム戦争で使われた爆撃機が,今も現役で活躍しているはずだ。つまり,これら通常兵器では他国より優れているわけではない。
さらに核兵器なら,常任安保理事国のみならず,今ではインドやパキスタン,恐らく北朝鮮までもが手に入れている。すなわち軍隊の規模,通常兵器の性能,核兵器の有無など,伝統的な指標で計った軍時力では,米国は必ずしも抜きん出た存在というわけではないのだ。
では米軍と他国の軍隊との大きな違いは何かというと,それはハイテク兵器である。レーザー光線や軍事衛星からの信号によって弾道を調整できる高精度ミサイル,GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を使って味方と敵を識別し戦闘状況を正確に把握するシステム,無人偵察機,敵の電子設備を麻痺させる指向性エネルギー兵器(Directed Energy Weapon)など,軍事力の精度と制御能力,指揮系統のスピード,情報戦における優位性で,米国は他国を圧倒的に引き離しているのだ。
90年代の国防費削減が逆に軍備のハイテク化を促進した
こうしたハイテク・システムの開発に結びついたのは,主に90年代に起きた民生技術の軍事転用である。それまで「ネジ一本が数百ドル」という非常識な受注価格がまかり通った軍需産業を改革するため,ペンタゴンは兵器や設備を発注する業者を,従来のRaytheonやBoeingといった伝統的な軍需企業から,シリコン・バレーの新興ハイテク企業へとシフトさせた。
例えば陸軍が発注した「Land Warrior」と呼ばれる,ゲリラ戦用の通信システム設計を,Raytheonに代わってPacific Consultantという新興ハイテク企業が受注したケースがある。Pacific Consultantは Raytheonの,約4分の1の受注価格を提示したという(関連記事 http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/ITPro/USIT/20020421/1/ )。90年代,米国の軍隊はクリントン政権による国防費削減を耐え忍ぶために,あえて民生技術の導入に踏み切らざるを得なかったが,それがかえって軍備の合理化とハイテク化を促したのである。
民生技術の導入による軍備ハイテク化は,ある意味で民主主義と市場主義の賜物である。その証拠に,民主主義と市場主義の発達が遅れたロシアや中国は,ハイテク兵器の開発で米国に大きく遅れをとってしまった。民主主義は意外にも「軍事的な強さ」を証明したのである。
ところが,もっと意外なのは,その民主主義が好戦的な国家を生み出した,ということである。従来の常識では,民主主義と平和主義はほぼ同一視されてきた。選挙で選ばれた指導者は,国民を苦しめる戦争を嫌うはずだ。実際,アメリカはつい最近まで,決して自分から戦争を仕掛けたことはなかった。
しかし,民主主義と市場主義の育んだハイテクによる圧倒的な軍事力が,アメリカを傲慢で好戦的な国家に変えてしまった。これは実に皮肉な現象である。ハイテク兵器によって世界を圧倒する米国は,手に入れた高度な武器を使うに相応しい「良識」を無くしてしまったのだ。
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(小林 雅一=ジャーナリスト)
■著者紹介:(こばやし まさかず)
1963年,群馬県生まれ。85年東京大学物理学科卒。同大大学院を経て,87年に総合電機メーカーに入社。その後,技術専門誌記者を経て,93年に米国留学。ボストン大学でマスコミの学位を取得後,ニューヨークで記者活動を再開。2002年9月に帰国。著書に「グローバル・メディア産業の未来図」(光文社,2001年12月発行),「スーパー・スターがメディアから消える日----米国で見たIT革命の真実とは」(PHP研究所,2000年),「わかる!クリック&モルタル」(ダイヤモンド社,2001年)がある。
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(関連記事 http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/ITPro/USIT/20020421/1/ )
[2002/04/22]
無人の戦争――ハイテクへの傾斜強める米軍需産業
人間同士が殺し合う戦争に,兵士を必要としないハイテク戦争マシンが徐々に浸透しつつある。アフガニスタンにおける対テロ戦争では,本来は無人偵察機(Unmanned Aerial Vehicle: UAV)として開発されたPredatorが,今年2月に初めて無人爆撃機として使用された。
アフガンの山岳地帯を行く男性グループを発見したPredatorは,その映像をCIA(米中央情報局)のエージェントに電送した。数マイル離れた地上からPredatorを無線操縦していたエージェントは,その映像の中に「背の高いアラブ人男性」がいることに気付き,これをフロリダのCIA支部に連絡。そこからの命令を受けて,アフガンのCIAエージェントはPredatorにミサイル発射指令を出した。
ミサイルは命中し,「背の高い男性」を含めた3人が死亡したが,結局彼はビンラディンではなかったことが分かった。またCIAは,この男性グループが「アルカイダの一味だった」と主張したが,この点もいまだに確認されていない。
このミッションに対する批判は当然聞かれるし,本来偵察用に開発された無人機を,攻撃に転用することへの懸念も残されている。
しかしPredatorそのものに対する軍関係者の評価は極めて高い。今回のアフガン戦争でも偵察用に多用され,現場の兵士達から「もっと作ってくれ」という要求が,引きも切らないという。やはり命を危険にさらす恐れが減るというのは,兵士達にとって抗しがたい魅力となるようだ。
40種以上の戦場用ロボットの開発が進む
Predatorは元々,ペンタゴン(米国防総省)の予算で開発された。ペンタゴンはこれ以外にも,様々なハイテク戦争マシン(ロボットと呼んでもいいだろう)を開発中で,実用化に近づいている物もある。
2001年9月11日に破壊された世界貿易センター・ビルの瓦礫の下から,被害者の遺体を収容するためにロボットが使われたが,あれもペンタゴンが戦場用に開発したTMR(Tactical Mobile Robots)と呼ばれるロボットである。このロボットは結局7人の遺体を収容したが,元々は戦場で負傷した兵士を救出するために開発された。
これ以外にも,敵の陣地に放り投げて使う手榴弾型のスパイ・ロボットや,囮(オトリ)として敵の銃撃を引きつける人間型ロボットなど,40種類以上の戦場用ロボットの開発が進んでいる。
こうしたロボット開発プログラムは,RMA(Revolution in Military Affairs)と総称される,ペンタゴンの兵力改革計画の一環をなしている。この計画では,戦車や大型爆撃機,トマホーク巡航ミサイルなど従来型兵器に代わり,PredatorやPrecision-guided missileなど,新たなハイテク兵器の開発に力点を移すことを主眼としている。
発注先は新興ハイテク企業が増え,部品も既成品の応用が進む
また「ネジ一本が数百ドル」という非常識な受注価格がまかり通った軍需産業を改革するため,兵器を発注する業者を,従来のRaytheonやBoeingといった伝統的な軍需企業から,シリコン・バレーなどの新興ハイテク企業へと転換することも推奨している。
一例としては陸軍が発注した「Land Warrior」と呼ばれる新通信システムの設計を,Raytheonに代わってPacific Consultantという新興企業が受注したケースがある。Pacific Consultantの提示した受注価格は,Raytheonのわずか4分の1だったという(ただ,RMA全体で見ると新旧の転換があまり進んでいないのが実情で,いまだに大型プロジェクトの多くは伝統的な軍需企業が受注している)。
戦争ロボットを開発しているのも,その多くが新興ハイテク企業だ。シリコン・バレーの企業に加え,マサチューセッツ州ケンブリッジにあるDraper Laboratory,同じ地域にあってMITから分離独立したiRobotなども参加している。
彼らはロボットの部品としてパソコンなどに使われる既成品を採用しているので,従来の兵器に比べて各段にコストを節約できる。たとえばiRobot社が開発中のPackBotと呼ばれる戦場汎用ロボットは,700MHzのPentiumIII,256バイトのDRAM,さらにUSBポートやビデオ・カードなど既製部品を採用している。
これを含め,ペンタゴンは現在40種類以上の戦争ロボットの開発を民間企業や大学に委託しているが,そのための初期投資はわずか5000万ドルだ。年間3000億ドルを軽く超える国防費全体から見れば,雀の涙である。米国のIT業界が全体としてスランプから脱し切れない中,こうしたハイテク軍需企業の業績は好調で,IPO(Initial Public Offering:株式公開)の準備をしているところもある。
戦争はどう変わるのか
それにしても将来,こうした無人戦闘機やロボットが多用され始めたら,戦争はどう変るのだろうか。
兵士が民間人を攻撃することは,現在の戦争では原則として禁じられている。従ってロボットが攻撃するとすれば敵方の兵力ということになるが,その敵もロボットを使ったとしたら,ロボット同士の戦いになる可能性すらある。
血の流れない戦争は,もはやゲームあるいはシミュレーションに近くなる。もしかしたら,実際に戦闘を開始する前に,お互いの兵力を分析して勝負がついてしまう,ということさえ起きるかもしれない。
一方,民間人を無差別に攻撃するテロへの対策として,テクノロジはどこまで力を発揮するのだろうか。この点については,複数の政府機関にまたがって個人情報を一元管理可能とするシステムの是非を巡る「National ID論争」が米国内で巻き起こったことが記憶に新しい(関連記事)。
テクノロジが,人間同士が血を流しあう戦争を抑止する――というのはあまりにも甘い期待ではあろう。冒頭で示したアフガンでのPredatorを使った軍事行動やNation IDに対してそうであったように,テクノロジに依存することへの批判や懸念も多い。そしてもちろん,テクノロジは戦争という極めて複雑な問題のほんの一面でしかない。だが少なくとも,多くの人々がテクノロジと戦争の関係について注意深くウオッチし,考え,主張を述べることは重要なことだと思う。
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(小林 雅一=ジャーナリスト,ニューヨーク在住,masakobayashi@netzero.net)
■著者紹介:(こばやし まさかず)
1963年,群馬県生まれ。85年東京大学物理学科卒。同大大学院を経て,87年に総合電機メーカーに入社。その後,技術専門誌記者を経て,93年に米国留学。ボストン大学でマスコミの学位を取得後,ニューヨークで記者活動を再開。著書に「グローバル・メディア産業の未来図」(光文社,2001年12月発行),「スーパー・スターがメディアから消える日----米国で見たIT革命の真実とは」(PHP研究所,2000年),「わかる!クリック&モルタル」(ダイヤモンド社,2001年)がある。
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