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(回答先: 米開戦2日で誘導弾3000発 [共同] 投稿者 ファントムランチ 日時 2003 年 3 月 06 日 04:02:34)
2003/03/05
「B29約百三十機、昨暁帝都市街を盲爆。約五十機に損害、十五機を撃墜す」
昭和20年3月11日付け朝日新聞一面の見出しである。その記事はさらにこう続く。
「大本営発表、本三月十日零時過より二時四十分の間B29約百三十機主力を以て帝都に来襲市街地を盲爆せり。右盲爆により都内各所に火災を生じたるも、宮内省主馬寮は二時三十五分、其の他は八時頃迄に鎮火せり。現在迄に判明せる戦果次の如し。撃墜十五機、損害を与えたるもの約五十機」
さらに2面をみると、「汚れた顔に輝く闘魂、厳粛・一致敢闘の罹災地」、「戦ひは これから、家は焼くともくじけぬ罹災者」、「消防陣気力が武器、火点へ必死の放列」などの見出しが踊っている。軍部にコントロールされた敗戦間近の新聞記事である。
実際には334機のB29が1,667トンの焼夷弾を落とし、死者8万3,000人以上、傷害者10万人以上、焼失家屋約7万戸との事であった。もちろん死傷者のほとんどは非戦闘員である。当時のヨーロッパも悲惨な状況にあり、ハンブルグ大空襲の規模は東京を上回ったという。
この状況をバグダッドに置き換えて見たらどうであろう。GDP300億ドル前後のイラクの国力では、アメリカを中心とした戦力に勝てる訳がない(日本のGDPは5万5000億ドル前後)。1990年の湾岸戦争終結後に課せられた安保理決議による経済制裁は未だ解けておらず、また、イラクは関連諸決議を履行していない。フセイン独裁政権はプロパガンダを通し国民の戦意高揚を煽り、一方各家庭は生活物資の備蓄買い貯めをしていると聞く。まさにかっての軍国主義下の日本と共通した状況がある。
湾岸戦争の時、国連事務総長をはじめ各国の人がフセインを説得しようとしたが不成功に終わっている。中曽根元首相も「太平洋戦争突入の原因は日米間のパーセッション・ギャップの存在であった。慎重に考えた方が良い」とアドバイスしたという。
歴史を繰り返さぬために査察を厳しく徹底し、兎も角、戦争を避けるべきである。イラク一般市民の悲劇を見ぬために…。
3月10日が「東京都平和の日」である事は案外知られていない。
(市川嘉紀)
転載元
http://www.janjan.jp/government/0303041828/1.php