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03/04 15:00 宙に浮く水輸入計画 イスラエル、トルコから 外信408
慢性的な水不足に悩むイスラエルが水資源の豊富なトルコから水
を輸入する計画が、宙に浮いたままになっている。
海水淡水化のコストが低減、タンカーなどを使った水輸入よりも
安上がりになったことに加え、戦略資源である水をイスラム教国の
トルコに依存することへの不安も根強いからだ。
両国は軍事協力関係を結び、良好な関係にあるはず。計画は水資
源を介した中東全体の協力拡大などにも道を開くと期待されたが、
その将来は必ずしも明るくない。
計画は一九八○年代に浮かび、イスラエルで水不足が深刻化した
九○年代初め、水資源を戦略的な輸出品と位置付けたトルコとの利
害が一致。初期調査でトルコ南部マナブガト川から取水して輸送す
ることが「実現可能」との結論を得て、計画が一気に具体化した。
昨年八月にはシャロン・イスラエル首相がトルコを訪問、今後二
十年間で五千万立方メートルの水を輸入することで基本合意。トル
コ側は既に取水施設の建設を完了した。
だが、問題は輸送方法。風船状の特殊容器を船でえい航する方法
も検討されたが、適当な素材がなく断念。タンカーの利用が現実的
とみられるが結論は出ていない。
価格面でも折り合いがついていない。イスラエル外務省当局者に
よると、水の価格は一立方メートル当たり一ドル前後になりそうだ
が、同国南部アシュケロンに建設中の海水淡水化施設では、ほぼ半
額で水を供給できる。
計画輸入量は国内消費量のわずか3%。イスラエル財務省や水道
行政関係者からは、コスト面から計画自体を破棄すべきだとの声も
出始めた。
協議に加わったこともあるイスラエル政府関係者の一人は「賛成
派はトルコとの外交・軍事関係を重視する外務省や国防省。純粋な
ビジネスというより政治的な計画だ」と指摘する。
昨年十月にはイスラエルの水がめ、ガリラヤ湖に注ぐレバノン南
部のワザニ川でレバノン政府が取水を開始。イスラエル側は「一方
的な取水は過去の取り決めに反する」と厳しく非難した。レバノン
やシリアなどとの包括的な和平が達成されない限り、イスラエルが
安定した水資源を確保するのは難しそうだ。(エルサレム共同=島
崎淳)
(了) 030304 1500
[2003-03-04-15:00]