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[私はこう考える]イラク問題とニッポン 在米ジャーナリスト・堀田佳男さん
◇ブッシュ政権に「ノー」突き付けよ
「日本は(玉突きの)キューを持たない。こう突きたい、と考えているだけ」。夕飯をともにしたブッシュ政権高官が本音を漏らした。日本が世界政治の舞台でほとんど何も力を発揮出来ていないことのたとえだ。
米国はイラク問題で日本政府の後方支援努力に一応感謝の意を表すが、日本は相変わらずリアリティーある手立てを何も提示出来ない国とあきらめられている。日本の憲法上の制約を熟知してもいるが、日本は何年たってもそれ以上踏み込めない。
そうかといって、反戦活動で力があるわけでもない。米国では、日本はことあるごとに「世界第2位の経済力」と形容される。しかし、経済力をテコに諸外国をまとめて米国の意を翻した経験はない。
半数以上の日本人がイラクへの武力行使に反対しながら、その声はほとんどワシントンまで届かない。世界中の反戦運動を取りまとめ、ブッシュ政権の政策を揺り動かすだけの外交力を備えるべきだ。日本が主軸になって米国へ「外圧」を加えるくらいの勢いがあってもいい。それでない限り、日本はキューのない玉突きしか出来ない。
イラクへの先制攻撃は暴挙であると、ブッシュ政権に「ノー」を突きつけるべきだ。一度「ノー」と言っただけで日米関係が崩れるほど両国関係はやわではないはずだ。
多少のギクシャクを誇るくらいの外交上の独立性があっていい。それでないと、イラク戦争終結後、12年前の湾岸戦争で拠出した130億ドル(約1兆5000億円)よりはるかに高額なカネを支払わざるを得なくなるのは目に見えている。
(2003年3月4日毎日新聞朝刊から)
http://www.mainichi.co.jp/news/article/200303/04m/022.html