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米英軍によるイラク攻撃が今週内にも決断される可能性が強まるなか、空爆のカギを握るのは「JDAM」など精密誘導爆弾だ。衛星利用測位システム(GPS)を搭載し、ボタンを押せば、48時間以内に3000発のミサイルが攻撃目標をピンポイントで殲滅する。これらを搭載したB2ステルス爆撃機が17日までに、出撃拠点のインド洋・英領ディエゴガルシア島に到着。B1爆撃機も、イラク南部の飛行禁止空域で同爆弾をプレ投下するなど、約25万人強を配置した米軍は“開戦前夜”に突入した。
【B2ステルス爆撃機が出撃態勢】
今回のイラク攻撃で先陣を切って首都バグダッド周辺などを攻撃するとみられるのが、米軍のB2ステルス爆撃機だ。
同型2機が17日までに、出撃拠点のディエゴガルシア島に到着。今後、配備数はさらに増える見込みだ。
ステルスはレーダーに探知されにくく、防空網をすり抜け、攻撃目標に近づける利点がある“秘密兵器”となる。
レーダーを散乱させるため、カイト(洋凧)のような異様な形をしており、真っ黒に塗られた塗装は敵の電波を吸収する特殊塗料を使用している。特に、夜間は発見されにくく、91年の湾岸戦争では優れた爆撃能力を発揮し、その威力を全世界に知らしめた。
【B1爆撃機は、すでに出撃】
B2ステルス爆撃機より一足早くイラク周辺に配備済していたB1爆撃機は、B2より大型の爆撃機で、大量の爆弾が積めるのが特徴。
精密誘導爆撃の主力を担うと目される“暴れ馬”で、AP通信によると14日、ヨルダンとの国境から数キロ離れたルワシンド付近を精密誘導爆弾で爆撃した。
米中央軍司令部は、イラク軍が標的探知レーダーを飛行禁止区域下に移動したことへの制裁としている。
B1の投入は1998年、イラクが国連大量破壊兵器の査察を拒否したことへの懲罰措置として、4日連続で米英軍が集中空爆して以来だ。
「これまで飛行禁止空域での爆撃は、F16などの戦闘機が使われていた。B1使用は開戦へのデモンストレーションだろう」(米軍事筋)
B52爆撃機の後継機として開発されたB1は長距離の飛行距離を持つ超大型爆撃機で、核爆弾、通常爆弾など最大約5万6000キロを搭載可能とされる。
【JDAM弾を投入】
B1などの戦略爆撃機が使用するのが、「JDAM」と呼ばれる精密誘導爆弾だ。GPSで標的の位置をインプットし、発射すれば、自動的に指定地点に投下されるという優れもの。
「この爆弾の開発によって、米空軍の攻撃力は湾岸戦争時の約1000倍になる」と予測する軍事関係者もいる。
こうした先制空爆と並行し、米英軍は開戦数時間後には首都バグダッド郊外にある最大の空港サダム国際空港を空てい部隊で急襲する準備を進めている。英紙サンデー・テレグラフは「攻撃開始から72時間で首都攻略を目指す」と伝えた。
同空港の急襲は、敵陣のド真ん中に乗り込む、かなり危険な作戦だが、軍事評論家は「成功すれば、フセイン体制の中枢部を攻撃する拠点となり、B1などによる圧倒的な空爆力を背景に、イラク軍の反撃から部隊を守れると判断したのだろう」とみる。
米英軍は、開戦と同時にイラク全土の重要拠点を巡航ミサイルで波状攻撃。数時間後には、米軍機がサダム国際空港周辺のイラク軍の兵舎、戦車、地対空ミサイルなどをJDAMで破壊する計画とされる。
【米の精鋭部隊が地上戦を展開】
クウェートに展開中の米英軍の精鋭「第101空てい師団」がこれに続き、事前に偵察で決めた空港内の数地点に、輸送機やヘリコプターから降下。米軍の攻撃ヘリ・アパッチが空港に潜むイラク兵をけん制しながら、輸送機で装甲車両、砲兵部隊などを運び込み、制圧した空港の防備を固める作戦だ。
同作戦の成否を握る精密誘導爆弾は、湾岸戦争時に比べ、命中精度が格段に向上している。
B2などによる空爆緒戦で、開戦後、48時間以内に、約3000発を投下する戦術とされ、緒戦でイラク側の指揮命令系統を徹底的に破壊することも目指す。
こうしたなか、ペルシャ湾地区には強烈な“砂嵐”が来襲。視界はほぼゼロで、地上部隊はレーダーや精密機器に大きな影響を受け、M16ライフルなどライフル銃すら撃てない状況だ。
3月半ばから本格発生する砂嵐によって地上戦では気象条件に慣れたイラク軍に対し、米英軍が不利になるのは必至。
このため、ブッシュ大統領は一連の空爆作戦で、サダム国際空港を拠点にし、市街戦に持ち込まれないよう、大統領府や軍事施設を次々に制圧し、フセイン体制の生命線である精鋭部隊「共和国防衛隊」の壊滅を狙う構えだ。
ZAKZAK 2003/03/17