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NHKが放送した「アゾレス首脳会議記者会見」を見た。
ホスト役のポルトガル・ドゥランバロゾ首相が進行をつとめ、米国ブッシュ大統領と英国ブレア首相に挟まれるかたちでスペインのアスナール首相が演壇に立っていた。
ブッシュ大統領→アスナール首相→ブレア首相の順にまずしゃべり、安保理でそれぞれの国の外相がしゃべった内容を繰り返してフセイン政権の“悪”を述べ立てた。
(別に目新しい内容があるわけではない)
スペイン・ポルトガル・英国・米国と並んだ姿を見て、それにオランダが加われば、「大航海時代」そのままのプレイヤーじゃないかとつい考えてしまった。
雑駁に言えば、スペイン→英国→米国というのが、「近代史」における覇権国家の変遷である。
今回の首脳会談は、「近代500年」の悪行で中心的地位を占めていた国々が勢揃いするという他には考えられない舞台設定で行われたのである。
それだけに、フセイン政権の15年の悪行を空虚かつヒステリック(ブレア首相だが)に述べ立てる3首脳に傲慢不遜を感じるとともに、滑稽さを感じてしまった。
記者会見の内容から推察すると、明日(17日)いっぱい外交努力を行い、新決議案の採決は行わず、明後日(18日)にイラク向け最後通告を行いほぼ同時に攻撃が始まるようである。
新決議案の採決は行わずという見方は、BBC記者の「どういう状況であれ決議案を採決にふすのか?」という質問にブレア首相は答えず、その記者がブッシュ大統領に対して発した「国連の今後はどうなるのか?」という質問に答えたことや、3首脳が揃って、イラクに対する武力行使の正当性を1441号決議に求め、外交努力は明日だけだと限定したことによる。
これは、新決議案への賛成は4ヶ国どまりで、反対が最低でも5ヶ国あるという構図が切り崩せないまま米英日西の外交努力が終わったことを示唆している。
5対5や6対5といった引き分けや単純多数派までこぎつけていれば、絶好の正当化ネタに使えるのだから、そこまでも到達しなかったということである。
決議案が4対5で否決される現実を世界に曝すよりは、空虚で恥知らずな「フセイン政権=悪」のプロパガンダで攻撃を正当化したまま攻撃に移ったほうがいいと判断したはずだ。
(恥知らずというのは、この記者会見でも述べ立てていた化学兵器の使用だが、それらの製造に英国が政府の建前の禁止を政府が自ら破って深く関わっていたことや、イラク軍の化学兵器実戦使用を衛星まで使ってサポートしたのが米国であったという“衆知”の事実をおくびにも出さずに、自分たちは「正義の盟主連合」であり「無実の者の集まり」だと叫んでいたからである)