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(回答先: トルコ新内閣が発足 対米支援案改めて提出の方針 (朝日3/15 ) 投稿者 YM 日時 2003 年 3 月 15 日 17:12:29)
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030315k0000m030162000c.html
米軍トルコ駐留へ着々 国会承認見越し、物資の陸揚げ開始
【キジティッペ(トルコ南東部)で山科武司】対イラク武力行使を巡り揺れるトルコでは、今月初旬、米軍の国内駐留を求めた政府案が国会否決されたにもかかわらず、米軍はすでに「貨物」扱いで軍用車両や軍事物資の陸揚げを開始している。新たな補給「基地」も建設中で、兵員の一部も上陸したとの情報もある。政府は来週にも米軍駐留の国会承認を取り付けたい意向で、承認後、開戦に向けた準備が急ピッチで進むとみられる。
3月9日、トルコの南部のイスカンダル港から軍用のジープ、トラックが、貨物トラックの荷台に乗せられ、次々と運び出されていった。一部のジープの車体には白地に赤の「赤十字」のマークがあった。それはトルコ軍の車両ではなかった。暗緑色の車両が運び出されていく光景はテレビでトルコ国内に放映された。その後、米兵らしき外国人が多数、バスで移動する姿も映し出された。
トルコ国会は先月6日に、米軍受け入れを前提に基地の改修工事を承認した。だが、米軍受け入れは今月1日、僅差で否決され、米軍上陸計画は宙に浮いたかにみえた。
だが、トルコ軍のヒルミ・オゾック参謀総長が5日、の発言から流れが変わった。オゾック将軍は国会決議に敬意を表しながらも「トルコだけでは戦争を避けられない。我々の選択は”悪い”か”より悪い”かのどちらかなのだ」と、米軍の受け入れを支持した。翌日から米軍車両が陸揚げされ、南東部の基地へ搬送され始めたという。
トルコ政府は、2月6日の国会承認を受けた基地改修の一環だと説明しているというが、具体的にどのような軍事物資や兵員が”上陸”しているのかは不明だ。
国会での駐留受け入れ承認を見越して、米軍はトルコ南東部の9カ所で民有地を借り上げ、補給「基地」とする準備を進めている。
その一つ、キジテッペの街では、市東郊外の街道沿いにある食用油工場が借り上げられた。1キロ四方ほどの工場敷地内に、米軍のジープや装甲車両100台が既に整列し、入り口で黒人兵がブルドーザーで地面をならしていた。写真を撮ろうとすると、青いベレー帽のトルコ兵が「撮影は500メートル離れろ」と息巻いた。その後ろで、西欧人らしき兵隊がこちらに向かって手を振った。
キジテッペの地元住民によると、既に米兵が多数、私服で近くの都市、マルディンに滞在しているという。「国会が承認すると彼らは軍服に着替えるのさ。皆知っているよ」。住民がささやいた。
キジテッペから1キロ北方の工業団地の一角では、トルコ兵が見守る中、米兵の指導で病院の建設工事が進んでいた。ここにも米軍のジープやトラックが駐車中だった。
トルコでは今も米軍駐留に反対するデモが続いている。だが、国内政治に絶大な影響力を持つ軍の参謀総長発言後は、その規模が急激に小さくなった。キジテッペの人々はもはやあきらめ顔だ。広場で茶を飲んでいたナスレットさん(73)は「戦争はいやだが、我々にはどうしようもない。湾岸戦争以後、悪くなり続けた暮らしがまた、悪くなるのか」と首をすくめた。
[毎日新聞3月15日] ( 2003-03-15-00:06 )