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(回答先: Re: ブッシュ対フセインの論戦絶対 「全世界に生中継すべき」 投稿者 朝まで生テレビ地球版 日時 2003 年 2 月 26 日 05:28:14)
もし、ブッシュ大統領対フセイン大統領の公開討論が実現すれば見ものですが、ブッシュは応じないでしょう。この時期に、全世界生中継で公開討論をすれば、明らかにブッシュにとって不利だと思われます。
フセイン側は、開戦する理由と根拠についてブッシュを追及するでしょう。これは国家観・国連の権威・国際法・人道主義などの原則的かつ抽象的な議論となり、質問する側に易く、答える側にかなり難があるでしょう。戦争を仕掛ける正当性を理論的に主張することなど無理があります。ブッシュはシドロモドロになること必定です。たとえ巧く立ち回ったとしても、公開討論の場で殺戮を伴う戦争について弁舌を振う姿は、見る者の賛同を得るどころかおぞましい印象を与えるだけです。
ブッシュ側は、かつてのクウェート侵攻やテロ組織支援疑惑と関連付け、何処にまだ大量破壊兵器を隠しているのかと査察官めいた追及をする以外にありません。
最近、開戦支持国は盛んにイラクが能動的に大量破壊兵器を申告すべきだと言っていますが、これはやはり戦争というアクションを起こす側が証拠を示すのが筋というものであり、疑惑が消えないというのなら査察の継続で済むはずです。
観客=一般大衆の側は、繰り返し行われてきたイラクへの追及よりも、ブッシュが、開戦する理由と根拠についてどう答えるかに関心が集まるはずで、ブッシュ不支持の世論の中、矛先はブッシュに向かう形となり、それに対して明解に回答できるはずはありません。
そもそも公開討論で和解や解決が導き出されるはずも無く、自己主張と相手の追及に終わるだけ…。
とすれば上記の理由から、終わってみればブラウン管を通して観客に伝わるイメージは、「ブッシュがフセインに圧倒された」というものになりがちで、テーマが戦争であるだけに、まさに論戦で勝った負けたの評価が飛び交うことになるでしょう。
ブッシュ敗北の印象により、世論は「ブッシュ不支持」が一歩進んで「フセイン支持」にまでなりかねません。特に、アラブ諸国の一般大衆への影響は大きく、イスラエル問題を引き合いに、宗教対立とイスラムの大義を持ち出されたりしたら収集がつかないことになります。
そんなメリットの無い、危険な討論会にブッシュ側が応じるはずがありません。フセインは「ブッシュ氏が戦争をしたいなら、世界を説得する機会になるだろう」と言っているらしいですが、ブッシュが挑発に乗って出てゆけば恥をくだけで、さらに支持を失うことになります。
アメリカはフセインの提案を、「たわごと」として一蹴する態度をとりつつも内心ヒヤヒヤで、無視することで早々にこの提案を揉み消したいというのが本音でしょう。
まるで昔の合戦に付き物の、大将どうしの一騎討ちを思わせますが、今回はフセインの一騎討ちの申し込みがあり、ブッシュが臆して逃げまわっている事と何らかわりありません。アメリカは、「容疑者」イラクが「裁判官」アメリカに公開討論を求める立場ではないというような態度をとっていますが、公開討論を始めれば立場は逆転するでしょう。
公開討論の是非はともかく、フセインの提案は正論ではあり、アメリカの痛いところを突いていると思います。公開討論は実現しないでしょうが、このフセインの提案とアメリカ側の拒否によって、改めて強調されたことがあります。それは、
*結局アメリカの開戦は「問答無用」だということ。
*一国の政権を外部から転覆させる正統な根拠などを示せるはずがないということ。
*開戦が近付くに連れてブッシュを始め、開戦支持国の首脳は表立った発言や議論を避け、裏に隠れて説得工作を巡らしているということ。
*言論の自由やメディア規制はアメリカにおいても、独裁国と大差ないということ。
*自由と民主主義を守るための戦争という大義は矛盾だらけだということ。
*世界中を巻き込み、事を複雑化させているが、突き詰めればブッシュ対フセイン(ブッシュ政権対フセイン政権)というシンプルな見方もできるということ。
*アメリカは、国際社会対イラクだと言っているが、思えば最も国際社会の意向を無視しているのはアメリカだということ。
*イラクの安保理決議違反を攻撃材料にしているが、思えばアメリカは安保理に圧力を加え、さらに安保理決議違反でも開戦する構えであるということ。
いずれにしても、正面突破が出来ないブッシュ政権に、フセインが正面から一撃食らわした、公開討論提案だったと思います。