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(回答先: あっしらさん、なぜスペイン首相はここまで米政権の腰ぎんちゃくなんですかねえ。あまりに唐突な擡頭だとおもうんですが。 投稿者 青葉城 日時 2003 年 2 月 26 日 05:20:10)
青葉城さん、こんにちわ。
スペインのみならずイタリアのイラク攻撃支持は、賄賂(経済支援を含む)や経済的要因と言うより、政権党の価値観に強く影響されたものだと考えています。
(スペインの相対的に好調な経済の支えは、ドイツを中心としたEU諸国の投資とEU圏への輸出です。米国支持に傾いている東欧諸国も、スペインに似た経済構造ですから、経済的要因で米国支持を決めたとは思われません。東欧諸国の米国支持は、ソ連支配の反動というか、米国の絶対的な力を信じ、それに自国の“安全保障”(過去に戻りたくない)を託すべきという気持ちがベースだと思っています。米国の経済支援にもそそられてはいますが...)
今回スペインが目立っているのは、従来ならばドイツあたりがその地位にあったものが、フランス・ドイツの“反乱”で自動的に押し上げられてしまったからだと思っています。
(安保理理事国になっているので目立つということもありますが、仏独が米国支持に回っていたら、スペインがこれほどの脚光を浴びることはなかったはずです)
欧州のほとんどの国(米国以外の世界中どの国と言ってもいいのですが)の世論は、イラク攻撃に反対しています。
そして、フランスを除く欧州のほとんどの国の主要保守政党(右派&中道右派)は、イラク攻撃を支持しています。(極右と言われる非主流右派は反対しています)
英国は保守党政権であってもブレア政権と同じかもっと強硬な協力姿勢を示していたと予測できるし、ドイツも昨年秋の総選挙でCDU+SDUが勝利していていれば、スペインやイタリアと同じような対応になっていたと思っています。
スペインとイタリアについては、地中海圏ということで、長年にわたってイスラム世界と対峙する位置にあった歴史地理的経緯も影響していると思っています。
スペイン(イベリア半島)は15世紀まではイスラム世界で、いわゆる「レコンキスタ」でムスリムを放逐してできた国ですから、反イスラム意識は他の西欧諸国よりも根強いものがあると推察しています。
(イタリアのベルルスコーニ首相は、9・11後にイスラム世界に対するキリスト教世界の優越性を公言して物議をかもしています)
イラク攻撃をめぐる各国の態度表明は、価値観(イデオロギー)的なものが基礎になっていると思っています。(昨日書き込んだ金融主義と産業主義の対立もイデオロギー問題です)