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2003-02-25-23:08
　【北京・浦松丈二】北京市西北部にある中国の名門大学、北京大学と清華大学の食堂で２５日昼、相次いで爆発が起き、教職員や食堂従業員ら計９人が軽傷を負った。北京の警察当局は何者かが昼食時間帯を狙って手製の爆弾を使った連続爆破テロの疑いが強いとみて捜査している。北京の日本大使館が両大学に確認したところでは、負傷者の中に日本人は含まれていない。

　北京では２４日から２６日まで中国共産党第１６期中央委員会第２回総会（２中全会）を開催中。来月５日からは全国人民代表大会（全人代＝国会）が開かれる予定で、当局は厳戒態勢に入っていた。全人代後に本格的に始動する胡錦涛総書記ら指導部が足元での爆弾テロに衝撃を受けていることは確実だ。

　新華社電によると、清華大学では同日午前１１時５０分（日本時間午後０時５０分）ごろ、教職員食堂「荷園」１階で爆発が起き、教職員４人と訪問者２人計６人が負傷した。

　また、午後１時２０分ごろには近接した北京大学の学生食堂「農園」１階で爆発が起こり、食堂の従業員３人がけがをした。同食堂は４０００平方メートルもある同大学最大の食堂だが、爆発当時は昼食時間帯のピークを過ぎていたという。

　警察当局は現場検証の結果、両大学の爆発とも黒色火薬を使った手製の爆弾によるものとほぼ断定し、昼食時間帯の教職員や学生らを狙った無差別テロの疑いもあると見て大規模な捜査体制を敷いている。

　北京大は１８９８年に創設され、中国一の伝統を誇る国立の総合大学。清華大は胡総書記や朱鎔基首相らを排出した理工系中心の国立大学。両校とも最難関の大学として知られるが、８９年の天安門事件では民主化運動の拠点の一つになった。非合法化された気功集団「法輪功」の活動家も少なくなかったという。

　両大学では爆発後、警察当局が現場を封鎖し、北京大の学生食堂「農園」には「営業停止」の通知が張り出された。学生数百人が見守る中、警察官らが現場検証を行ったが、周辺では発生後、数時間たっても、火薬のにおいが漂っていた。

　食堂前で爆発を目迎した同大経営学部３年の女子学生は「バーンと乾いた音を聞いて振り返ると、煙の上がる食堂から大勢の学生が飛び出してきた」と表情をこわばらせていた。

転載元
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20030226k0000m030139000c.html

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