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【イスカンダル(トルコ南部)山科武司】対イラク攻撃に向けたトルコの米軍受け入れが間近に迫る中、トルコ南東部のディアルバクル、バットマン空軍基地など米軍に協力する六つの軍事施設周辺では地元住民の「警戒」と「歓迎」が交錯する。22日、物資の補給口となるイスカンダル港、イラク空爆の際には英米軍機の出撃拠点となるインジルリク空軍基地周辺を訪ねた。
<イスカンダル>
かつてイラク石油の輸出港として栄えたイスカンダルは人口約20万人、その多くがアラブ系だ。地中海側の中心都市、アダナから車で約2時間、イスカンダルに入ると、ふ頭周辺に濃緑色のジープ、トラックが100台以上並んでいるのが見えた。米軍工兵隊が搬入した車両だ。米軍は4万人がトルコに進駐を予定、既に1万5000人が東地中海沖でトルコの正式受け入れを待っている。
今月6日にトルコ国会が基地改修工事を承認したのを受け、米軍工兵隊員など約3000人がトルコ入りした。米軍は基地改修工事として200機分の航空機格納庫の設置、通信機能の向上などを計画しており、総工費は5億ドル。イスカンダル港の五ふ頭のうち、四つを軍が使用する予定だ。
軍港と隣接する漁港で船の塗装をしていたハムディ・タクマンズさん(37)によると、既に米軍の特殊部隊員が漁港に来て、不審な漁船がないか調査した。自爆テロを警戒しているようだったという。「戦争になり、出漁を禁じられると暮らしていけない」。お手上げだ、といわんばかりに両手を上げた。
<インジルリク>
アダナから西に数キロ走った幹線道路沿いにあるインジルリク空軍基地には、既に米英兵やその家族約2000人が駐留する。北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるトルコに米軍が設けた基地で、湾岸戦争後は北イラクの飛行制限区域を、この基地から出撃した米英機が警戒している。
基地周辺の道路沿いに、じゅうたんや工芸品などの土産物店、飲食店など100軒以上が並んでいる。約1万4000人の住民の多くは米兵向けの商売で暮らすという。2年前、同時多発テロのあおりで兵士の外出が制限された時には、10軒近くが店を閉めた。
11年前から基地入り口近くでトルコ風のレストラン「ハッピーハウス」を経営するサミさん(38)は、最近、兵士の数が増えたと感じている。
平日で約50人、週末の夜で約70人前後の兵士が店でビールを飲み、食事をする。落とす金は1人5ドル前後。「この収入で従業員も含めて9人が暮らす」とサミさん。「戦争で客が増えるのはうれしいが、戦争自体はいやだ。同胞への戦いだし、我々も攻撃されるかも……」。サミさんは複雑な表情を浮かべた。
[毎日新聞2月23日] ( 2003-02-23-18:46 )