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02/23 14:57 クルド問題の波及懸念 イラク国境のシリア住民 外信35
「国境を越えて来るのは一日約十五人。欧州へ働きに行こうとす
るクルド人ばかりだ。イラク側に行く者なんかいない」
チグリス川を挟み、イラク北部のクルド人自治区と向かい合うシ
リア北東端のガニク村の出入国管理事務所で、係官が入国申請書類
に目を通しながら語った。
イラク北部と同様、多くのクルド人が住むシリア北部。米国が対
イラク攻撃の準備を強化し、イラク情勢が緊迫する中、国境付近の
現状を見た。
シリア北東部の都市カミシュリから軍の検問所二カ所を抜け、小
高い丘を下ると、川の対岸にイラク国旗があった。
冷たい小雨の中、長さ百メートルもない橋を渡ってシリアに入国
して来たのは、ドイツ行きを希望する若いクルド人夫婦ら数人。国
境地帯ではまだ静けさが漂うが、係官は「戦争が始まったら、クル
ド人が大勢やって来るだろう」と話す。
シリアの全人口の10%前後はクルド人とされる。国境から約百
十五キロ離れたカミシュリは人口約十四万人。クルド人のほか、ア
ラブ人やアルメニア人などが混住する。
シリアでは、クルド語教育などは公には認められておらず、クル
ド人組織が政府に独自の文化的権利を認めるよう要求、カミシュリ
でも十数団体が活動中だ。イラクの反体制クルド人組織のクルド民
主党(KDP)も市内に事務所を置くが、自由に発言しにくいシリ
アの政治状況を気遣ってか、市民の口は重い。
喫茶店で働くクルド人のマルワン・モハメドさん(38)は「戦
争には反対。物資が不足したり、物価が上がったりして影響が大き
い」と生活への不安を訴える。ただ、イラクの反体制クルド人組織
などが進めるフセイン政権後の受け皿づくりに話が及ぶと「イラク
とシリアのクルド人は違うから」と言葉を濁した。
アルメニア正教カミシュリ司教区のアイバジアン・アントラニク
司教は「米国はイラクを三分割し、支配力を強めようとしている」
と米国の動きを批判。「シリアでは、二十世紀初めからクルド人を
受け入れ、イスラム教徒やキリスト教徒と一緒に暮らしてきた。難
民を助ける用意はあるのだが」と語る。イラクのクルド人問題がシ
リアに波及して生じる政治的混乱を懸念してか、ため息をついた。
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(カミシュリ共同=宇田川謙)
(了) 030223 1456
[2003-02-23-14:57]