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平壌宣言、もはや紙切れ
日本外交は深刻な試練に直面している。
北朝鮮危機(5)「非核化」譲れぬ日本
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核問題でエスカレートする北朝鮮の瀬戸際外交で、日本外交は深刻な試練に直面している。
「北朝鮮が核爆弾製造に向け、寧辺(ヨンビョン)で保管中の使用済み核燃料棒を再処理施設に移送したのではないか」
米紙の報道が伝えられた1月31日夕。日本政府高官は、米側から急ぎ取り寄せた偵察衛星の写真を見て、ため息をつきながら語った。
「北朝鮮は米国にわざと見つかるように、移送用のトラックを動かす形で核カードを切り、再び瀬戸際外交を始めたのだろう」
だが、北朝鮮の本当の狙いを米国や日本が読み切っているわけではない。
「経済支援を引き出す取引材料としてちらつかせているだけ」とする楽観的な分析もあるが、「北朝鮮は本気で核武装を考えている」と深刻にとらえる見方は根強くある。
「北朝鮮が核兵器を何発か保有するよう?砲覆辰疹豺隋??椶詫毒Г任?襪??
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出席者の一人、米田建三内閣府副大臣は「日本にとって死活問題だ。国民に『日米同盟は何だったのか』との不信感が広がる」と指摘した。続いて久間章生・元防衛長官も「(米国は)イラクを武装解除すると言いながら、大量破壊兵器を誇示する北朝鮮にはなぜ軟弱な姿勢で対応するのか」と、声を荒らげた。
コーエン氏は「ミサイル防衛網が完成すれば、日本にとって脅威ではない」と述べるなど、北の核を容認しても問題はないと言わんばかりだった。米国は、北朝鮮の核開発計画の完全放棄を条件に、日米韓に中露両国などを加え、エネルギー支援についての新たな北朝鮮との合意締結を検討している。これには日本も前向きに連携する方針だ。
だが、コーエン氏の発言は、米国など国際社会が、すでに保有しているとされるプルトニウムの廃棄も含めた北朝鮮の完全非核化をあきらめるのではないか、という懸念を日本政府や与党内に生んでいる。
もし北朝鮮が核武装すれば、この地域だけでなく、世界の平和と安全にとって深刻な脅威となる。日本として容認できるはずがない。日本の安全保障にとって、北朝鮮の完全非核化と、日本列島をすっぽり射程に入れ、将来、核が搭載される可能性を排除できない弾道ミサイルの撤去は譲れない一線だ。
さらに、日朝間最大の課題である拉致問題が未解決のままだ。
外務省幹部は「北朝鮮にエネルギー支援を行う新国際機構が設立されても、『日本の安全保障と拉致問題が決着しない限り、日本は資金提供を行わない』と表明する手もある」と語る。
日本の安全と国益を守るために、今こそ大胆かつ用意周到な外交戦略が求められる。
平壌宣言、もはや紙切れ
昨年9月17日の日朝平壌宣言はもはや、一片の紙切れに過ぎない。
電撃的な小泉首相の訪朝の4日前、首相や福田官房長官らが首相官邸で日朝首脳会談に臨む方針を協議した際の1枚の極秘メモがある。今年1月、読売新聞が入手した。
全8項目。「ニクソン訪中のような電撃的成果を得る」「ミサイルなど安全保障上の問題の解決」「拉致被害者8件11人の安否の確認」などのほか、「3か月以内に国交正常化交渉を決着させる」とも書かれている。
日本政府は、平壌宣言調印時には、「国交正常化交渉が妥結すれば、拉致も核問題も一挙に解決できる」と考えていたのだろう。
平壌宣言後の展開は、日本の対北朝鮮外交の甘さを見せつけた。
「(日朝)双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を順守する」
平壌宣言にはこう書かれている。だが、金正日総書記が宣言に調印した時点では、既に北朝鮮は何年も前から核兵器開発のためのウラン濃縮計画を進めていた。
北朝鮮は、拉致については「取るに足りない数人の問題で、すべて解決した」(1月30日の平壌放送)と表明、日本に帰国した被害者5人の家族をとどめ置き、「死亡した」とする被害者8人に関する日本側の質問も黙殺している。
北朝鮮の言動は、背信行為そのものだ。
しかし、この状況を打開するのは容易ではない。
日本政府は、「北朝鮮は、日朝関係を打開し、米国との対話につなげようとしたが、拉致問題で行き詰まったため、やはり米国との直接対話しかないと考えている」(外務省幹部)と分析する。日朝間では、公的な外交ルートは無論、日朝首脳会談の実現に貢献した、田中均・外務審議官(前アジア大洋州局長)の個人的なパイプも、首相自身、「最近はうまくいっていない」と漏らす。
仮に核開発問題で米朝が合意した場合、「拉致問題は蚊帳の外に置かれかねない」(拉致被害者家族連絡会の蓮池透事務局長)との懸念もある。
拉致は人権と国家主権を侵害するテロ行為だ。
米国はじめ国際社会が「拉致は許さない」という認識を共有してこそ、解決への道も見えてくる。家族連絡会は国際世論に訴えるため、訪米を検討している。
日本の対北外交を成功に導く最大のカギは、拉致問題に対する政府・国民の毅然(きぜん)とした対応とともに、国際社会の連携に最大限の力を尽くすことにある。(政治部 河島 光平)
(2003年2月5日付)