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(回答先: 米国大衆メディアが企て始めた「独仏イタチ枢軸」というデマゴギー 投稿者 佐藤雅彦 日時 2003 年 2 月 22 日 02:10:11)
英米の一部メディアがフランスとシラク大統領に罵詈(ばり)雑言を浴びせ続けている。イラク危機で武力介入を急ぐ英米に反対するのが気に入らず標的にしているのだ。問題解決のための情報と冷静な視点の提供という報道の使命はセンセーショナリズムの陰に隠れがち。迫る戦争の空気に酔ったように突っ走っている。
●報道より挑発
20日朝、パリの主要マスコミの本社前や大通りに英国の大衆紙サンの特別版がばらまかれた。
「シラクは地虫だ」。1面には、そんな大見出しとミミズの先に大統領の顔写真をくっつけたイラスト。仏語の社説付き。「どうせ最後は英米支持に回る」「自分の大統領が恥ずかしくないのか」
わざわざトラックで数千部をパリに運び込んだという。報道というよりあからさまな挑発。
保守系の英大衆紙デーリー・メールの1面の見出しは「すさまじい恩知らず」。第2次大戦中のノルマンディー上陸作戦の写真を掲げ「米兵は欧州を解放するため死んだ。その借りを忘れたか」。
好戦的な論調と裏腹に、両紙とも先週末の反戦デモ参加の方法はていねいに説明した。政敵ブレア首相の足を引っ張る狙いらしく、主張の一貫性など気にしていない。
米紙も仏たたきに熱心。米国支持の公開書簡づくりをスペインや英国に働きかけたウォールストリート・ジャーナル紙は、シラク大統領をはた迷惑な乱暴者と表現した。
仏寄りのベルギーも餌食に。ミシェル外相が「小国だからといって大国にいつも従うわけではない」というと、米テレビのフォックス・ニュース解説者が「ベルギーはフランスのチワワだ」。
●メディア王の計算
日刊紙で英国最大の部数350万部を誇るサンや米国ケーブルテレビのニュース部門で視聴者数1位のフォックス・ニュースを傘下に持つのはメディア王、ルパート・マードック氏だ。対イラク軍事行動に賛同、最近、豪誌や米誌とのインタビューで理由を説明した。「(戦争が)終われば、原油価格は下落し、世界中が潤う。どんな景気刺激策や減税より、大きな効果がある」
傘下の英紙はこぞって米国支持。イラク攻撃に慎重な仏独を批判する。
「シラクはフランスを袋小路へ導く。歴史の敗者に仲間入りするだろう」(12日付タイムズ)
●火種は消えず
「地虫」扱いについて、仏大統領府報道官は「侮辱の言葉は、投げつけられた人より、発した者についてより多くを物語る」と受け流した。
しかし21日、パリでの仏アフリカ首脳会議に白人農地接収問題で旧宗主国の英国と対立しているジンバブエのムガベ大統領を迎え入れたことから、サンなどの英メディアは反仏キャンペーンのトーンを上げつつある。
感情的対立の火種はまだ消えそうにない。 (17:48)