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02/18 16:36 隣国に親米政権成立を警戒 フセイン後で、シリア 外信57
米国が対イラク武力行使に傾く中、アラブ諸国で唯一の国連安全
保障理事会理事国のシリアが、隣国イラクのフセイン政権崩壊後に
予想される親米政権の成立に警戒を強めている。
シリアは、イスラエルとの暫定自治合意に反対するパレスチナ解
放機構(PLO)反主流派などを支援。米国政府からは「テロ支援
国家」に指定されており、戦争開始による経済的打撃以上に「イラ
クの次にシリアが米国の標的になりかねない」との不安がある。
「(対イラク)戦争を声高に叫んでいる者には、この地域全体で
実現を狙っている隠された計画がある。戦争はその序曲だ」。十四
日の安保理外相級会合で、国連査察団の対イラク査察追加報告の後
、シリアのシャラ外相はこう述べ、米国の動きをけん制した。
シリアとイラクは支配政党バース党の正統性をめぐって根強い確
執があり、イラン・イラク戦争(一九八○―八八年)の際にシリア
がイランを支持したことで、断交したが、九七年以降、経済交流を
中心に関係を修復した。
対イラク武力行使については、シリアは他のアラブ諸国とともに
強硬に反対しているが、イラクに査察実施を求める昨年十一月の安
保理決議では「戦争を始める口実は含まれていない」として賛成し
た。
シリアは米国の同盟国であるイスラエルやトルコとも国境を接し
ており「フセイン政権以上に自国の体制に影響を与える親米政権が
隣国にできることを嫌っている」(ダマスカスの外交筋)のが現状
。十五日にダマスカスで行われた対イラク攻撃反対デモには二十万
人以上が参加するなど、国民の間にも反米感情が強まっている。
ダマスカスの旅行代理店経営者アハメド・ラドワンさん(35)
は「米国はアラブ諸国やパレスチナを無視し、石油のために小国を
攻撃しようとしている」と語り、米国への不信感をあらわにした。
ただ、シリアにとっては、ゴラン高原返還をめぐるイスラエルと
の和平交渉再開に向け、米国の仲介は不可欠。米国との決定的対立
は避けたいというのが本音だ。ダマスカスの外交筋は「シリアは国
連の対イラク査察に時間を与え、武力行使に反対するフランスやロ
シアの動きをにらみながら、安保理では現実的な対応を選択するだ
ろう」とみている。(ダマスカス共同=宇田川謙)
(了) 030218 1636
[2003-02-18-16:36]